【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から⑲ tsubaticsソロ

2024年3月1日(金) TEN SOLOs
tsubatics(b)
阿佐ヶ谷「阿佐ヶ谷天」

他にサックス、ベース、舞踏、ギターという四人の出演者のソロがあったが、ここでは tsubatics のエレクトリック・ベース・ソロについて紹介する。

今の彼は上り調子だ。見るたびに良くなっていますね。声も「発する」という感じになってきた。機材の使い方もいい。そもそも、エレキ・ベースのソロを表現として成立させるのは大変な力技だ。有名なのはジャコ・パストリアスだが、ジャコのテクニックはすごくても音楽としての新しさはない。エレベのソロで本当にクリエイティブなことをやったのは、今までジャマラディーン・タクーマ Jamaaladeen Tacuma だけじゃないかな。

この tsubatics は超絶的なテクニックを持っているが、彼らと違っていわゆる「ファンキー」ではない。薄暗い夕闇の彼方のような、琵琶法師みたくゆらゆらとした幽玄の世界。そこがすごく新鮮に感じます。速弾きだけでなく、音楽性の幅を広げるエフェクティヴな手法も多く身に着けているし、自分のやっていることを客観的に把握してディレクションする能力がある。見事です。

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