見出し画像

Canadian Premier League をどこよりも詳しく解説してみた。

こんにちは、Chihiroです。

先日、トロントでは雪が降りました。
すでに地元熊本の真冬の気温と一緒です。
寒いです。とっても。

今日はちょこちょこと話を聞かせてと連絡がくる

Canadian Premier League

をできる限りどこよりも詳しく解説したいと思います。(以下CPL)

[Canadian Premier Leagueとは]
CPLは2019年から始まる、カナダでは初の単独かつ全国規模のプロサッカーリーグです。
現在7チームが参加を表明しており、開幕は2019年4月を予定しています。

[設立までの経緯]
カナダサッカー念願の全国プロリーグとなるCPL。
時を遡れば5年前、2013年にCanadian Football League (CFL) に所属するHamilton Tiger-CatsのオーナーBob Youngからの提案が始まりでした。
ちょうど前年にCanadian Soccer Leagueで八百長が行われていたことが発覚したことも影響にあると思います。
(この辺のカナダサッカーの歴史についてはまた後日書きたいと思います)
2016年に入ってから話が具体的に進み始め、カナダサッカー協会やMajor League Soccer (MLS) との話し合いを経て、2018年からの開幕を目指していました。
2017年にはWinnipegからの参加表明がありましたが、結果的に開幕は2019年に持ち越し。
今年2018年になり続々と各都市からチームが参加表明し、7チームでの開幕が予定されています。

[参加チーム]

参加チームは前述の通り、7チームです。
西から順に紹介していきます。

Pacific FC (Victoria, British Columbia州)
Cavalry FC (Calgary, Alberta州)
FC Edmonton (Edmonton, Alberta州)
Valour FC (Winnipeg, Manitoba州)
Forge FC (Hamilton, Ontario州)
York 9 FC (York Region, Ontario州)
HFX Wonderers FC (Nova Scotia州)

世界第2位の国土を股にかけたリーグになります。
6チームはCPLに向けて設立されたチーム。
FC Edomontonだけは他リーグに所属していた既存のチームになります 。(2018年は活動停止中)

参加を検討していたOttawa Fury FCは、現在所属しているUnited Soccer Leagueに2019年も残ると9月に正式アナウンスし、現在8チーム目の参加チームを探している状況です。

[スタジアム]
ホームスタジアムは5チームが既存のスタジアム、2チームが新しく建設する予定です。
既存のスタジアムはCFLスタジアムや大学施設を利用するため、フットボールのラインが残っている中でのプレーになるところもあります。
以下、各チームのスタジアム詳細です。

Pacific FC: Westhills Stadium
Cavalry FC: Spruce Meadows
FC Edomonton: Clarke Stadium
Valour FC: Investors Group Field
Forge FC: Tim Hortons Field
York 9 FC: York Lions Stadium
HFX Wonderers FC: Wonderers Grounds

[独自ルール]
CPLはカナダ人選手の強化という目的も多分に含まれており、そのためのルールが設定される予定です。

カナダ人選手の枠
登録選手23-25人のうち、半数はカナダ人。

ピッチ上
常に6人以上のカナダ人選手がピッチ上でプレーする必要がある。

5 Pools ルール
CPLに所属する選手は以下の5つのPool (グループ) から構成されるようです。
各Poolの割合構成はまだ未発表です。

1. Foundational
カナダ人プロ選手枠。既にプロとしてプレーしているカナダ人トッププレーヤーはこのグループに入ります。

2. Up-and-coming
カナダ人若手選手枠。League1 Ontario等に所属する、将来有望な選手はこの枠に入ることになります。基本的にはプロ経歴のない選手を想定しているようですが、ヨーロッパの3部リーグなどであまり高くない給料の選手もここに含まれる可能性があるとのことです。

3. Home territory
カナダ人地元選手枠。これはその名の通り、地元出身の選手が入ることになります。

4. Canadian universities and colleges
大学/カッレジ選手枠。後述しますが、学生選手はここに入ることになります。ただし、カナダ人である必要があるそうです。(←これはぜひ外国人留学生にも門戸を開いてほしい)

5. Open market
外国人選手はこのグループに入ることになります。上記4つのカナダ人グループから登録選手の過半数、そしてピッチ上6人を満たさないといけないとのことなので、必然的に外国人選手の枠は分かってきますね。

[大学リーグとの提携]

カナダにはU Sportsという大学スポーツ協会がありますが、2018年10月にU Sportsでプレーする大学生選手のドラフトを11月に開催することが発表されました。
U Sportsに所属する選手はCPLチームで2019年8月15日までプレーすることができ、その後はU Sportsのリーグ戦に臨むことになります。
*U Sportsのサッカーシーズンは8-11月の短期リーグ
ここで指名された選手はPool 4 "Canadian universities and colleges"枠で登録されます。

残念ながら今のところはCCAA (カレッジスポーツ協会) との提携の発表はありません。

個人的に1番おもしろい施策はこれだと思います。
マーケティング的に言えば、巻き込むものを多くすればするほど認知度も関心度も上がります。
カナダの大学/カレッジスポーツについては後日記事にしようと思います。

2018年11月15日追記
2018年11月12日に行われたドラフトで21人の大学生が選ばれ、中にはヨーロッパやアフリカ国籍の選手も選ばれました。残念ながら日本国籍の選手はいませんでしたが、日本人にも可能性があるということですね。来年に期待です。
Draft Tracker: All the picks who earned invites from the inaugural CPL-U SPORTS Draft

[外国人枠について]
CPLでプレーしようと考えている日本人選手にとって、外国人枠は気になるところかと思います。
残念ながら今のところはっきりとした外国人枠の発表はされていません。
前述の通りカナダ人選手がピッチ上に6人という制約があるため、可能性としては最大5人になるかと思いますが、個人的には3+CONCACAF所属選手1の合計4人ではないかと予想しています。

[給料について]
これもプレーする以上は興味のある話題かと思います。
CPLではサラリーキャップが採用され、給料は平均$50,000もしくはそれ以上になるとのことです。
この他に住居や車の支給があるかどうか、勝利給はどうなるかで実際に選手の手元に残るお金は変わってきますね。

[日本人選手契約の可能性]
それでは最後に日本人選手が2019年のCPLでプレーできる可能性がどれだけあるかについて、個人的な意見を述べようと思います。
この記事ではきちんと触れていませんが、カナダにはMLSに所属しているチームが3つあります。(Toronto FC / Vancouver Whitecaps FC / Montreal Inpact FC)
CPLはカナダ単独のプロリーグのため、カナダ1部リーグという立場になりますが、実質的なレベルではMLSの下にあたり、カナダ人選手の育成の場という形になると思います。
そのため、外国人選手には少しハードルの高いリーグになると思いますが、今の段階であればチーム編成はゼロの状況から始まるため、実績があればチャンスは大いにあると思います。
ただ残念なことにプロ経歴のない選手には厳しいと言わざる終えないでしょう。
プロ経歴のない選手には9-11月で行われるオープントライアウトであればチャンスはあったと思いますが...
Jリーグや海外リーグでプレーしている選手は各チームにコンタクトを取ってみるといいかもしれません。
個人的にはToronto FCでプレーし、今季はToronto FC Ⅱでプレーしている遠藤翼選手や昨年CCAAの全国大会MVPの鷹野瞬選手、今季League1 Ontarioの強豪チームOakville Blue Devils FCでプレーした平野さつみ選手には期待です。
やはり既にカナダにいてプレーを知ってもらっている、いつでもプレーを見せられるというのは強いですね。

2018年11月8日追記
カナダ全土で行われたオープントライアウト。最終開催地となったビクトリアでのトライアウトで日本人がピックアップされたようです。
昨年Douglas Collegeでプレーし、CCAAナショナル (全国大会) で準優勝したTetsuya Yoshinaga選手。そして、カンボジアでプレーしていたKazuteru Okamoto選手。正式契約のニュースが待ち遠しいですね。 
Players to watch heading into the final day of the #GotGame Trials on Van Isle

来年2019年ではなく、2020年でもと考えている選手はU Sportsに所属するのが1番の近道かもしれません。(外国人留学生もOKになればですが)
卒業すれば海外大学の学士も取れますし、今後はカナダの大学へのサッカー留学も盛んになってくるかなと思います。
その辺のアドバイスはできるので、興味ある方は気軽に聞いてくださいね。

[まとめ]
以上になりますが、いかがでしたでしょうか?
来年開幕が決まったとはいえ、まだ未発表な情報も多い状態です。
ですが、少しでもカナダでプレーしたいと考えている選手の助けになれたら幸いです。
プロ経歴のない選手には厳しいとは書きましたが、可能性がないわけではありません。
ひとりでも多く日本人がプレーできたら本当に嬉しいですので、今後も情報は提供していこうと思います。
ちなみにPacific FCのアシスタントコーチには知り合いが就任しました。
こういった姿を見るのもサッカー界にいて嬉しいことですね。

新しい情報が入り次第、随時追記していきます。
SNSでのシェア大歓迎ですので、よろしくお願いします。

それではよい1日を。
Nos Vemos!

*個人的リサーチに基づいたものですので、あくまで参考程度にしてください。

カナダでのサッカーやスポーツビジネスについての勉強代として大切に使わせていただきます。よろしければ、こちらからサポートをお願いします。