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【 占い師の不思議体験 】初めての滝行で聞いた謎の音

滝行で思い出しました。




滝行のみならず、

修行の類って

やっぱり

そちらと繋がるのかな?


そう感じた話…



わたしが初めて

滝行したときのお話です。





お寺の敷地内にある

修行場での滝行でした。



参加者はわたしと

同僚A君の2名。





当時勤めていた会社の

特別企画的な名目だったので、

上司と同僚数名も見学でついてきてくれました。





みんなで滝行前のお参りを済ませ、

滝行をする人間だけ

行場に下りていきます。





紙垂(しで)に囲われた、

ちょっとした

じゃぶじゃぶ池的な

長方形の行場。




滝行しない方は、

この行場の前で見学です。





「ちょっとお待ちくださいね」




お寺の方がそうおっしゃって

庭の奥に消えていきました。



数分後…


行場の吐水口から

チョロチョロと出てくる水。



失礼を顧みずにお伝えします。

こちらは蛇口タイプの滝でした。



そらぁね。

滝なんてあちらこちら

沢山あるものではありません。


人工的に作ることだってある訳です。




ですがやはり

想像していた滝の迫力はなく。



滝行たるもの

水量の迫力がなくちゃ。


こんな浅はかな考えを持っていたわたしは、


安全性に安心しつつも、

どこかガッカリしていたんです。



しかし、修行には変わりありません。

しっかりお勤めさせて頂こう。



そう思い、

滝の中に入りました。




目を閉じ金剛合掌し、

滝の流れに集中します。




すると…





お経らしき声が聞こえてきたのです。



川を隔てたような

かなり遠くの方。



一人、数人じゃありません。




めっちゃくちゃいるんです。



めっちゃくちゃ。


イメージは

インドの聖地巡礼。



もみくちゃになりそうな

あれくらい大勢の人間が

わたしたちがいる行場を囲い、

ぼそぼそとお経を唱えている。


そんな雰囲気が漂い始めました。



気づかなかったけど、

別でお参りに来られた方も

わたしたちの様子を見れるのかな?



見学する人には

お経の指示でもあったかな?



目を開けたら

さっきより人がいるんだろう。


恥ずかしいけど…

わたしも滝行やってたら見ちゃうもんなー


そう思いつつ

滝行終了の合図で

目を開けると。




密なギャラリーはどこにもありません。


上司と同僚だけ。

先ほどと変わらぬ面々。




まぁいっか。

気のせいか。



あまり疑問を持たず、

二回目の滝行に臨みました。




目を閉じ

金剛合掌し、

また滝の流れに集中します。




またすぐに現れる

人の群れの気配。



やっぱりいるんだよなー

何だろなー

と思っていたら、




次はどこからともなく

鈴の音が聞こえてきました。




何この演出!


ぽいよね、

雰囲気出るよね!


蛇口だろうと何だろうと

しっかりやってくれるんだ。


折角やるなら

先に言ってくれても良いのにー



鈴の洒落た演出はもちろん、


わたしが知らないところで

スマートに演出準備をする

その手際の良さにも感動した訳です。



凄腕マジシャンがこのお寺にいる。



このお寺…

色んな意味でヤバい!




わたしが目を開けるまで

途切れることなく

鈴の音は続きます。




頭の中でお喋りが止まらない中、

つつがなく滝行は終わりました。



目を開ければ、

やっぱり先ほどと変わらない景色。



鈴を持った人は

どこにもいません。



あ、そうか。


滝行している人にだけ

教えないシステムかー。



見学してる人は見えてるって感じ?


徹底してマジシャン。

修行の演出ってすごいなー。


洒落た演出、最高。

滝で頭も心もスッキリ。




帰りの準備を進める中、

お寺の方も誰も

お経や鈴の演出に触れません。




帰りの車中でも、


見学していた人は

お経や鈴の話をしません。



見学している人はきっと

お寺さんに口止めされたんだよね。

なら話せないか…




だとしても、とにかく

わたしはあの演出を語りたかったんです。




一緒に滝行をしたA君に

「お経とか鈴の演出すごかったよね」

とこっそり話しました。



A「ですよねー。鈴見当たらなかったのに」

わ「ね、どこから出したんだろうね」

A「僕見てましたけど、さわこさんやってるとき誰も鈴鳴らしてませんでしたよ」


たしかに。

A君が滝に打たれたとき

わたし見てたけど。

鈴もギャラリーも見なかったなー。






え?




誰もいなかったよね?






あの声と鈴

どこから聞こえたの…?




とんでもない事実に

顔を見合わせる

わたしとA君。




車内の温度が

5度ほど下がりました。




滝行組が座っていたのは

車の最後尾。




この会話は前に座る

見学者組には聞こえていません。



勇気を出して、

前の座席に質問を投げかけます。



わ「あの、わたしたちが滝に打たれてるとき、

  変わったことありました?」


他「何もなかったよ」

他「お寺の人がお経を唱えていただけで」


わ「そうですよね、あははは(棒)」

A「静かでしたもんね、あははは(棒)」





お寺の方が言ってた気がします。

(11年前で記憶は曖昧です)


紙垂の中は神々が鎮座する聖地。

あちらとこちらでは

世界が違うとか何とか。



わたしが聞いたものは、

あちらの世界の音だったかもしれません。


それはつまりわたしの滝行を

見届けてくださった方々がいたということ。



それも含め、

大変貴重な体験をさせて頂きました。



A君と話してたときは、

そんなこと微塵も感じませんでしたが。


ただひたすら恐怖に震えましたが。




もしかしたら、

目に見えない世界ってあるのかも。



初めてそう感じる

スペシャルな出来事

だったように思います。




そしてあの日のわたしは、

想像もしなかったでしょう。



11年後の明日、

二度目の滝行をするなんて。



あの頃より強烈に

目に見えない世界に触れてる人間になるなんて。




人生どこでどうなるかわかりません。

えぇ、ホントに。



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