一緒にカラオケに行きたい人など片手に余るぐらいだ

高校生の頃は放課後。
部活がなかったらよくカラオケに行っていた。
 
大学生の頃は飲み会の三次会ぐらい。
よく朝までカラオケに行っていた。
 
音楽を志してすぐの頃。
毎日1人でカラオケに行っていた。
あんまり同じ店に行きすぎるもんだから
素性もブログの存在も店員さんにバレたぐらいだ。
 
 
そんな風に考えると
もう何年もカラオケに行っていない。
 
 
歌うことは大好きだ。
 
大好きというか歌っている時だけ、
自分が自分でいられる気がする。
 
歌っていない俺は偽者でしかない。
 
なんて言っても、
いまここでこれを書いている俺もやっぱり俺で。
 
じゃあ俺は偽者なのかと考えたら
キリがなくなるから偽者だということにしておこう。
 
 
 
学生の頃と比べると
圧倒的にカラオケに行く機会が少ない。
 
そもそも一緒に行ける友人などいない。
飲み会の後にカラオケなんて行きたくもない。
そもそも酒を飲みながら歌うのが好きじゃない。
 
 
いや、そもそももそもそ、
誰かとカラオケに行くのが好きじゃない。
 
いつの頃からだろう。
誰かとカラオケに行くのが好きじゃなくなったのは。
 
音楽を始めてからかな。
 
 
自分が歌いたい曲があっても
「みんなはこの曲知ってるかな」なんてまず考えて、
考えた挙げ句にその曲をあきらめて。
 
その曲を歌いたい気持ちが10だとしたら、
6ぐらいの思い入れしかない曲を
妥協して選んで適当に歌って。
適当に歌いこなすふりをして。
 
「うまーい」「上手だねー」
そんな気持ちの入っていない褒め言葉は要らん。
こちとらいつでも本気で音楽やってんだ。
 
 
そんでもって自分がその6を
内心では渋々歌っているというのに、
次に自分が歌う曲を熱心に選んでいる奴とか、
隣の人と話している奴とか、
そんなのがいると気が散って仕方がない。
 
お前らのために妥協して6の曲を歌っているのに
なんだこの無様さは。
 
それでももし10の曲を歌ったら
その仕打ちに酷くショックを受けるから、
やっぱり6の曲で我慢し続けて
溜まる溜まるぜフラストレーション。
 
 
俺は何のためにカラオケに来たのか。
 
パーっと歌ってパーっと騒いで
日頃のストレスを解消するためじゃないのか。
 
それが逆にストレスが溜まりに溜まって
気遣い地獄に陥って。
 
こんなところでも忘れちゃいけない人付き合い!
 
あぁ俺は日本人の鑑(かがみ)だな!
 
 
一方で俺は、自分がそんな仕打ちを受けているにも関わらず
誰かが歌っている時は一生懸命にノったり、
知らない曲でも興味があるふりしてみたり。
 
歌いたくもない曲を一緒に歌ったり、
1番だけ歌って「あと知らない」と演奏停止する奴に
ムカッとしながら「そうなんだー」と流したり。
 
ミュージシャンのMVの感想を言い始める奴に
愛想笑いで共感してみたり、
ビジュアル系バンドの曲で「◯◯カッコイイー」と
叫び始める奴にやっぱり愛想笑いを浮かべたり。
 
もう書いているだけで腹立ってくる。

だけど俺はその場の空気をしっかり読んで楽しむふり。
 
あぁ俺は日本人の鑑(かがみ)だな!
 
 
そんなこんなで誰かとカラオケに行くこともなくなり。
いや、そもそも誘われもしないけど。
 
 
1人で行く方がよっぽど楽しめるし
気持ちも盛り上がるし練習にもなるし、
いいことずくめなんだけど、
なんか強がっている気がしなくもないし。
 
 
純粋に、ただ純粋に、
誰かとカラオケに行って
お互いに歌いたい曲を歌って
ただただ楽しめてはしゃげて。
 
そんな時間も大人になるとなくなるもんだなぁ。
 
やだやだ。
 
日本人の鑑(かがみ)を身にまとわなくていいから、
無邪気さを剥き出しにして生きていたいもんだ。
 
 
 
   いろいろ考えた挙げ句の子供っぽさ のがっち