今の自分に価値を見出すな

小さい頃は「大人になったら」なんて考えてて。
 
10代の頃も「大人になったら」なんて考えてて。
 
20代前半の頃は「30歳までには」なんて考えてて。
 
25歳を越えた頃からは「あれれれれ」ってなって。
 
 
25歳を越えると1年1年があっという間。
毎日毎日何かをやってて、決してサボってるわけじゃないけど。
 
それまでの月日と比べると明らかに時間が流れるのが早くなる。
よく「子供に比べて大人はやることが多い」から、その分だけ自分のことに時間を使えなくなって、自分のことについて深く考える時間がなくなって、それで時間が流れるのを早く感じるようになるなんて聞くけど、実際のところはそれが本当かどうかはわからない。
 
本当かどうかはわからないけど、とにかくあっという間に月日は流れて。
 
このままのスピードで月日は流れ続けて、元気でいられる保証なんてないけど、この先も元気でいられるのなら、あっという間に40歳になって、50歳になって、60歳になって、70歳になって、それから先も生きられるのなら、あっという間に80歳になって、90歳になって…。
 
いつの間にかおじいちゃんになってしまうような。そんな気がして仕方がない。
 
 
なーんにも成し遂げられずに死ぬのかな。
 
いやいや、そんなわけにも行きますまい。
 
だけど、これからもこの調子で年を取っていくのなら、本当に「俺の人生、なんだったんだろ…」になりかねない。
 
 
学生時代の後悔は「仕方なかった」で割り切ることも出来なくはなくて、若かった頃の恋愛のほろ苦さも「若かった」で割り切ることも出来なくはなくて。
 
でも老人になってから、何も成し遂げられなかった、全てがふわふわで何の痕跡も残せなかった、30代から60代ぐらいまでの人生を「仕方なかった」なんて割り切りたくはない。
 
絶対に嫌だ。死んでも嫌だ。黙ってても老人になりゃいずれお迎えが来るんだろうけど、そんな人生じゃ死んでも死に切れない。
 
 
そもそも俺はいったい何をやっているのだ。
 
今やってることは本当にやりたいことなのか。
 
本当はやりたくもないことをやって、それなのに苛立ち・腹立ち・怒り・虚無感・ストレスに満たされてて、無駄に人生を過ごしすぎじゃないか。
 
「無駄なことなんてない」なんてのは、何かを成し遂げたからこそ、達観の地位にたどり着いたからこそ、それまでを振り返って確信を持って言えるセリフだ。何も成し遂げられなかったら、何にもなれていなかったら、今の自分が「無駄」だと思ってやってることは、やっぱり自分にとって「無駄」「無駄」「無駄」のオンパレードでしかないだろう。
 
 
人生は一度きり。
 
生まれ変わりとか輪廻転生があるとかないとかは、死んだ後にしかわからないこと。
 
「今の人生で成し遂げられなかったことを成し遂げるために後世を生きる」とか聞いたことあるけど、もし後世がなかったら「成し遂げられなかった人間」で終わるだけ。後悔したところで、もう死んじゃったんだから呪縛霊にでもなるしかない。
 
おいおい、呪縛霊なんてごめんだ。忌み嫌われて除霊の対象となるべきものになりたくない。
 
 
そこまで考えられるなら、今の俺はいったい何をやっているのだ。
 
「いつか」なんて来る保証はない。誰かが俺を救ってくれるわけでもない。どんな夢でも、夢は見るためにあるものじゃなくて、諦めなければ叶うものでもなくて、努力と運で掴み取るしかないものだ。
 
ふわふわ浮いて文句ばっかり言ったって何も進みやしませんぜ。絶望してたって希望は寄り付いてくれませんぜ。不幸な自分を演じてたって幸せな自分の芽は生えませんぜ。
 
 
それでいて、それなのに。あっという間に流れる月日。
 
「俺がやるべきなのはこれじゃない」「俺がやらなきゃならないのはこんなのじゃない」ってわかっているのに、わかっていながら変わらない日々。変えられない日々。そもそも「何をしたいのか」すら消えかかってぼんやりしてるから、余計にこの日々から飛び出す抜け出す思考が思想が生まれて来ない。
 
 
ああああああああああああああああああって叫び。
 
もおおおおおおおおおおおおおおおおおって溜め息。
 
ふおおおおおおおおおおおおおおおおおって目が死に。
 
こおおおおおおおおおおおおおおおおおってしょんぼり。
 
ううううううううううううううううううって自分を嫌い。
 
はあああああああああああああああああって空元気。
 
 
失うものはそんなにない。守りたいものは少しある。進みたいって気持ちはおそらく人一倍。
 
こうじゃないなんて自分を俯瞰で見ても何も生まれない。うるせーうるせーとがむしゃらに突っ走る自分ぐらいが丁度良い。
 
 
憧れていた大人にゃなれないけど。夢見ていた自分とはだいぶ違っていても。「幼かった自分」から見ても「今の自分」が見ても「年老いてからの自分」が振り返っても、頷けるような生き方をしていかなきゃ。
 
 
グッバイ・アンド・グッバイ。
 
グッバイ・アンド・グッバイ。
 
グッバイ・アンド・グッバイ。
 
アンド。
 
ハロー・アンド・ハロー。