MICS__02_マーケ戦略としてのカスタマーサポート

MICS #02 - 「マーケティング戦略としてのカスタマーサポート」に参加してきました。

2019年11月14日に開催されたMICS #02 - 「マーケティング戦略としてのカスタマーサポート」に参加してきたので、自分なりにまとめました。

MICSとは

MICS(ミックス)は今年の6月にkick-offしたばかりで、エンジニアやマーケター、デザイナー、プロデューサー、そして経営層に到るまで、あらゆる職種と経験を、CSを通じてミックスしていきたい。様々な経験を持つ人たちの力を集めてサービスの品質をさらに高めていきたい。といった思想があり「ユーザの声を反映させたモノづくり」を追求するためのコミュニティです。

今回のMICS#02では、前半は今回のテーマ「マーケ戦略としてのカスタマーサポート」についてのパネルディスカッションで、後半は「CS目線のモノづくり」LTが行われる2部構成でした。

1部 パネルディスカッション

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 登壇者

株式会社ビタミン 
高梨さん(@dtakanashi)
高松さん(@_romihee_)

お二人の本職はマーケティングで「Marketing-Insider」というスタートアップマーケターのためのセミナーを開催しています。

今日伝えたいこと

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マーケティングとCSってどんな関係?

マーケティング≒カスタマーサポート≒哲学
昨今のユーザーは情報をたくさん持っている故に従来の広告だけでは心が動きにくくなった。
コンバージョン率を上げるにはCSのチカラも必要。これからは契約前の段階でもCSと力を合わせてナーチャリングしていく。 

CSとマーケには「エース級」をアサインするべき。なぜなら...

エース級の定義は「因数分解できる人」と定義することが多い。
いいプロダクトを作るには顧客の声を正しく汲み取る必要がある。
CSもマーケも、突き詰めると経営指標を負うことになるから。

このサービスはすごい!(スタートアップ編)

ラブグラフ
手が空いているカメラマンとお客さんのマッチングをしているサービス。
しかし、需要と供給のマッチングだけではなく「大切な人との幸せな瞬間」「キラキラしている瞬間」をカタチに残す。という思想や哲学、世界観があるから素晴らしい。

他にもTaimeeスナックミーが思想や世界観を大事にしている。

なぜすごいのか。
「CXがしっかりしている。」

最強のサービスを考えた結果「嵐」だった。

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↑20年間でリリースした曲で、よく出てきているキーワードを集めた図。

「これが嵐の世界観」
世界観をあらわす言葉が出てきていることが素晴らしい。
パーソナリティやリスナーと会話するとき、フロントに立つ者がどんな言葉で話すか。

(高梨さんが猛烈な嵐ファン。ちなみに最近は大野くん推し。)

CXは世界観や思想・哲学が重要

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コミュニケーションの部分だけを頑張っても人は動きにくい。
CXの深いところには思想や世界観があるべきだし、そういうものはサポートにも浸透してくる。サポートポリシーと企業カルチャーが根付いてるといい。
プロダクトやビジネスモデルがどんなに秀逸でも、サポートが最悪であればCXは破綻する。
色々なサービスがある中で勝ちやすくするためにも素晴らしい思想や世界観を持ち、それを様々な接点で顧客に伝わる仕組みが必要。

CSはカスタマーサポート?カスタマーサクセス?

カスタマーサクセス は概念。
CS=カスタマーサクセス と定義して「全ての顧客に自社サービスを活用し続けてもらうんだ。」というマインドがあるのは良い。サポートしている人もサクセスのマインドを持つ。
ただ、そのマインドを優先し、スタートアップでKPIを設けてサポートメンバーがやめていくのは違う。顧客満足度を追求していく必要があるが、一人で抱えるのは重い。
・カスタマーサクセス は、CSをやる人が健やかであるのが前提。サポート業務はストレスが溜まりやすい。

おすすめの本

Personal MBA
経営者を視野に入れている人、CSやマーケを突き詰めたい上級者におすすめ。
いちばんやさしい教本シリーズ
CSとして顧客の声を社内へFBする際に他職種の人と話すときに同じ土俵で話せるようになるオススメの本。
知識ゼロのままCSが他職種に伝えても「面倒なことを言ってるな」で片付けられてしまうことがある。最低限の基礎知識を身につけよう。

カスタマーサポート(マーケティング)とは。

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人の心を動かすこと!!
サービスや情報が多くなってきた昨今、結局のところ、人の心は人が動かす。

質疑応答

Q.「社内にCS=コストセンターという方が多いのですが、"これが役に立つ"というのを社内で浸透させるためにはどうしたらよいでしょうか?」

もし会社のトップもその様な思想であれば、その会社からの転職も考えたほうがいい。絶対にCSは必要だし重要。
カスタマーサポートは顧客の声がきける非常に重要な役割。まだ評価する側が追いついてきてないが自信をもって。

Q.「スケールを踏まえるとCS頼みのオペレーションだけでは限界が来るかと思います。重点的に対応するものとある種捨てるべきものはどのように考えるべきでしょうか?」

全てのユーザーに同じ対応する必要はない。大事な言葉だけ対応して、人間らしくサービスに重要な部分を汲み取る。そもそも大事にしているお客様から変な質問はこない。
土日対応をやめる。土日の質問は意外と緊急度が低いものばかり。やらなくなっても売り上げは下がらない。

2部 「CS目線のモノづくり」

登壇者

株式会社ディー・エヌ・エー
山田さん ライブコミュニケーションアプリ「Pococha」のCSを担当。料理とゲーム好き。

CS目線のモノづくり

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ご意見や要望の咀嚼からプロダクトへ反映させる。
「VOCの分析」と「より使いたくなるサービスにブラッシュアップ」することがCS目線でのモノづくりになる。

山田さんの失敗談(Pococha のエピソード)

日々の問い合わせで「遅い・不安定・落ちる」といった、サービスに対する不満が数件くるが軽視していた。
・ある日、ユーザー(リスナー)から「動作が不安定」とのお問い合わせがきた。当初は、通常通りの傾聴を行っていたものの、お客様からの厳しい指摘をいただく。
・多くのユーザーに発生していた症状ではなかったものの、改めて通常対応するCSチーム以外の役員へ伝えて改善を行い品質向上につながった。

反省点

CS以外の関係者がVOCを分析できなかった。
怒られるまで動かなかった。リアクションするのが遅かった。
モノづくりのためのカスタマーサポートに慣れは禁物。
 →「前も来た問い合わせだよね」などで軽く流しているとダメ。
CSチーム以外をどれだけ巻き込んでお客様と向き合えるかがカギになる。

質疑応答

Q.「VOCのプライオリティを絞るときの基準は?」

難しいところだが「自分たちが自社サービスを使う側の立場になり、不便さを感じるところ。」が優先度高い。まず自分たちがユーザーになるべき。

まとめ

今回のイベントを通して、カスタマーサポートという役割の重要性やカスタマーサクセス の重要性を再認識できました。
また、サポート業務を担当する方へのリスペクトも強く感じました。

これからの時代は、コンバージョン率を上げるためにCSのチカラが必要。
顧客もたくさん情報を得る機会があり、顧客の心を動かすためには広告だけでは足りない。
人の心を動かすにはCX重要。
CS(マーケ)の仕事は人の心を動かすコト!!

よくある質問だとしても「よくある問い合わせ」で片付けない。軽視しない。
より良いサービスにしていくには、CSチーム以外も巻き込んでVOCに注目するべき。

CSの仕事は「人の心を動かすこと!!」と集約されていますが、人の心を動かすためCXを向上させるためには、CSチームだけではなくサービスや企業全体でユーザーの心に響く何か。を提供していく必要があるということですね。

幸いにもAipoチームは「仕事の時間を豊かにする」というプロダクトミッションを掲げており、CSチーム以外のメンバーもカスタマーサクセスに対する理解があるので、とてもやりやすいです。

お客様に1番近い立場として、責任を持ってAipoチームの世界観や思想、プロダクトの良さを伝えて行きたいと思います。

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