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戸籍制度、ご先祖様に会いたいか?

ネットオークションに明治時代の戸籍が出品された。当時の身分や犯罪歴も記載され、差別につながる可能性があるとして、落札者が受け取る前に、法務省が回収したという話。

戸籍って何?

実は、このニュースを見る前、Eテレのある番組を見た。

いろんな事情で親が出生届を出さなかったために、戸籍がない方がいる。
保険証の発行がされず、医療費10割負担はもちろん、結婚も出来ない(入れる籍がない。入る籍がない)。
最大の不幸は、学校に行けないということだろう。
(自治体では無戸籍でも通学を認めるところもあるそう)
出演されていた女性は、30歳過ぎまでずっと存在を隠され、ようやく戸籍を獲得し、今は高校に通っているという話を聞いて、ほんとよかったと思った。

また、もう一方の出演者は、唯一の身寄りである育ててくれた“オカン”も亡くなり、誰もこれまでの存在を証明してくれる人がなく、戸籍は取得できていない。どうやって生きてきたかを推測・証明できる資料がないと、発行は難しいとのこと。
(悪意を持った第三者の制度利用を封じるため)

で、戸籍って何?

戸籍(こせき)とは、戸と呼ばれる家族集団単位で国民を登録する目的で作成される公文書である。かつては東アジアの広い地域で存在していた。21世紀の現在では中華人民共和国(事実上形骸化している)と日本と中華民国(台湾)のみに現存する制度である。

えっ? 世界中にあるもんじゃないの?
もし、行政サービスに必要がないなら、無くせばいいじゃん。
Eテレの番組を見て、自然にそう思った。

ニュースにあった法務省の懸念通り、その人の人生の足かせになる、差別を助長する危ういものがあるなら、制度自体を無くせばいいんじゃない?

戸籍制度とは別に、マイナンバーの利用を進めようという話がある。

「ねほりんぱほりん」出演者、まだ戸籍が取得できていない方も、NPOの支援もあって、住民票は発行されたとのこと。行政サービスは受けることができる。
マイナンバーが謳う「公平・公正な社会の実現」に必要ないなら、やっぱりいらないんじゃないか?

戸籍制度から、行政サービスへのひも付きはなくす方向が正しいように感じる。

自分のルーツを辿る

一方で、由来や祖先の記録はすごく大切だと思う。
NHK「ファミリーヒストリー」は私が大好きな番組の一つだ。

その人が優秀だから、その人個人が頑張ったから、今があるわけではない。
親や祖先が守り抜いたものがあるから、今があることを教えてくれる。
(それは、土地や金銭ではなく、教育だったり、人生訓だったり)

番組内で、戸籍は、祖先を調べるのに非常に重要な役割を果たす。祖先に敬意を持つこと、祖先のことを知ることができる方法はないのか。
すごいご先祖様である必要はない。藤子不二雄の世界では、よくご先祖さまとの邂逅があるよね。あれ楽しいよね?

・祖先の情報を個人で持てるようにする?
・祖先情報をリセットした個人から生まれる人は過去を遡れない?
・ある個人が放棄しても、子はそれを持てるようにする?
・そうすると誰が管理するの?

今のところ、答えは出ない。

でも、
・行政サービスから切り離す、移行する
・祖先の記録を保持・参照できる方法を検討する
ということは進めていって欲しいし、公開して議論できる場はあるといいな。今は、自分ごとではないが、議論の場があるとそこには参加したい。


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