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真の問題解決のために「具体」⇔「抽象」を行き来するトレーニング

オンラインマーケティング講座、マープスで最初に勧められた本の紹介です。

マーケターの「知る→わかる」を手助けする【無料】オンライン学習サービスを始めます。|池田紀行@トライバル (note.com)

具体的に考えたり、抽象度を上げて考えたり。具体と抽象を行き来することで、目の前の構造が理解でき、真の問題解決に至るというのが、本の主張であり、講師の池田さんの主張です。

例えば、「具体」から「具体」へ、と具体的な事象だけで考えてしまうと、それは表面的な理解に留まります。「抽象」から「抽象」だけで考えると、それは机上の問題解決にしかなりません。根本的な問題解決には、具体と抽象を行き来する必要があると言います。

この本を読めば、具体と抽象を行き来して考える視点を獲得できると思います。一度読んで身につくとまでは言いませんが、この本のいいところは、章ごとに思考のシミュレーション用の演習問題が用意されていることです。実際に現実の問題について考えながら、読むことができます。

具体と抽象

具体化とは
・詳細化する
・数字と固有名詞にする
・変数や選択肢を絞ること
です。

何かを説明する時に、ただ例を挙げるのではなく、「変数を何にするか?」と考えることで、主体的に、目的に適った具体例を挙げることにもつながるということを知れたのはよかったと思います。

また、抽象化とは、
・まとめて一つにすること/一言で表現すること
・目的に合わせて不要なものを捨てる
・全体を俯瞰する
ことです。

しかし、具体と抽象にも、レベル感があり、これは「具体的」で、これは「抽象的」と言い切れるわけではなく、グラデーションになっています。誰から見た具体なのか、ある点に比べてどのくらいの抽象度が高いのか、を意識する必要があります。

特におもしろく読めた章

コミュニケーションギャップについて、具体、抽象の観点で説明する章が特におもしろく読めました。

上司からの仕事の指示のについて、
上司が「いい感じで(抽象)」と指示した時、
 部下の期待も「おおまか(抽象)」なら、「任せるのがうまい」と感じますし、部下の期待が「詳細がほしい(具体)」なら「丸投げ」と感じます。

逆に、上司の指示が細かい場合、
 部下の期待が「おおまかでいい(抽象)」なら、マイクロマネジメントと感じますし、部下の期待が「詳細がほしい(具体)」なら「面倒見がいい」と感じます。

他にも、例えば、総論賛成、各論反対が起きるメカニズムについても、具体と抽象で説明されていました。

加害者の量刑を決める問題で、加害者の人権も認めるべきだという一般論(抽象)に対して、被害者家族の気持ちを考えたことがあるのか?(具体)といったことが起こります。具体と抽象のレベルがあっていないところで議論してしまっているケースですね。
他にも、同じメカニズムが利用されるケース、政治手法として、一旦、総論で賛成させておいて、ほんとに政治家が通したかった各論を通す、みたいなことが現実に起きています。

視点の上下(抽象⇔具体)を意識しないと、騙されていることにすら気づけません。

最後の章の主張

そして、結局、具体と抽象を決めるのは、その問題に接している人々です。その人たちにとって、目の前の問題がどういう状態であるか、以下のような点に注意して、目の前の事象に接する必要があります。

・具体と抽象の縦軸と横軸があった時、この問題はどこにマッピングされるか?
・抽象化する時には、切り取りが発生しているので、前提条件の確認が必要!
・正しい/間違い は、人が決めている。まずはどういう状況か確認する!

また、身も蓋もない話ですが、問題の構造を理解したからといって、他人に説明しようとしても徒労に終わります。わかろうとしない人に、いくら説明しても、その前提条件が受け入れられることはありません。仲間内でおもしろい話をしている時、それって何がおもしろいの? という場面がありますよね? どう説明しても、背景がうまく呑み込めていないと、理解してもらうことは難しいと言います。

読んでみて

具体と抽象の行き来する必要性は理解したように思いますが、実際に、行き来する思考ができるようになったかというと怪しいところです。一年に一回くらい、読み直したほうがいい本かもしれません。でも、いい本を紹介していただきました。引き続き、マープスの課題図書は読んでいこうと思います。


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