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読んだ本感想箱

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読んだ本の感想を自身のメモリ代わりに残す。
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記事一覧

サイボーグ時代(読了後推奨ネタばれあり)

孤独の解消というテーマで研究を続けている吉藤オリィ氏の最新刊。
鋭い観察眼と本質をつく言葉、そして自らの経験と実践を通しての読者への提示。その全てが情熱の温度を持ち散りばめられている。

言葉の鋭い指摘として、「『ありがとう』は言い過ぎると負債になる」の部分。
「ありがとう」、その言葉自体には罪はないのだが、他者にその言葉を言うばかりの人の苦しみということまで優しい眼差しを向けれる人は多分、そう多

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天才を殺す凡人(ネタばれあり本読了後推奨)

この過激なタイトル、一瞬「!?」となるが、実際の中身は「全ての人と才能へのエール」である。
この世界は、
「創造性」で評価される天才
「再現性」で評価される秀才
「共感性」で評価される凡人
で出来ているとされ、1人の人の中にもまたその三者がいることをビジネスシーンの物語形式で説いている本書。

読み終わった後、この本はきっと孤独に耐えきれず自ら命を絶つ天才を救い、そういう天才を救うことで秀才と凡人

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車輪の上 -電子書籍でも読ます本は強い-

シンプルに人間ドラマとして面白かった。
それは、この本は私の「小説はスマホの電子書籍では読むには画面の小ささや紙の本に比べての持ちにくさが邪魔して集中して読めない」というラベルを三時間弱で剥がすことで証明した。

本の主題は、世間から「ラベルを貼られた人」の生きにくさ、その一方で「世間からラベルを貼られた人も他人に対してラベルを貼っている」という指摘と問題提起。

私も読み進めるにつれ、登場人物と

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