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生成AIが加速させるチームの時代 - NOMURA BIM FUTURE登壇の振り返り-


自己紹介

こんにちは。NUNOIです。
髙木秀太事務所という事務所をご存じでしょうか。
建築界隈でデジタルを生業にするなんでも屋です。
アルバイトから足掛け7年ほど、高木事務所で働いています。
どんな事務所かわかるよう、本が出版されました。是非。

今年度より社内独立し、NOI STUDIO を立ち上げました。
髙木事務所の遊撃部隊として、多方向へとチャレンジしていく所存です。

そのチャレンジの第一弾として、宮下巧大さんと画像生成AIとデザインに関する研究を進めています。
すでに、企業さま向けの講習やワークショップも多く承っており、生成AIを活用したプロダクト制作も進行中です。


NOMURA BIM FUTUREでの対談

そんな中、乃村工藝社さまの社内イベント「NOMURA BIM FUTURE」にて、乃村工藝社所属の大栁 友飛さん、宮下 巧大さんと共に生成AIと空間デザインについて話しました。

左から大柳さん、宮下さん、布井

対談で取り上げた3つのトピックを中心に、今回の対談で考えたことを書き残します。まずはトピックの紹介です。

AIによる新しいデザインプロセス

画像生成AIは、自然言語で指示を出し、画像を生成することができます。
非常に簡単に絵を作ることができるわけです。
それでいて、大量の絵を同時に出力することができます。

高精度の絵を簡単に、大量に生成できることのインパクトは大きく、下のように新しいデザインプロセスが生まれることも考えられるでしょう。これは、絵を大量に出しながら、適した絵を選択し、それをつなぎあわせることで空間全体をデザインしていく手法です。

スペシャリストの能力が、領域を横断する

生成AIの進化により、デザインを他の分野へと翻訳しやすくなりました。
ブランドのコンセプトやイメージがあれば、空間イメージを作ることが可能です。逆に、空間からプロダクトのイメージを作ることもできます。

また、デザインスキルが分野を横断するということは、異なる分野の専門知識がより接続されやすくなったとも言えます。専門知識の接続によって、より複雑で多面的な問題解決が可能になるかもしれません。

複雑な情報を、複雑なまま扱う

人間が一時に扱える情報量は限られていますが、生成AIを補助として使うことで、大量の情報を一度に処理し、デザインにつなげることが出来ます。例えば有機的な形状や複雑なアイデアを実現するには、3Dの制作や、施工データへの変換で大きな工数がかかっていました。生成AIをはじめとするAI技術は、これらの工数を大幅に削減してくれそうです。これにより、デザイン段階から施工に至るまでの工程がスムーズに連携し、以前は困難だった複雑な形状が、より実現可能になります。


対談を通じて考えたこと

対談ではこの3つのトピックを幹として、枝葉に触れながら生成AIと空間デザインについて話しました。
今回の対談とイベント全体を通じて新たに気づいたいこと、再確認したことをまとめてみます。

①絵によるコミュニケーション
これまで言葉をメインにコミュニケーションを取っていた人達も、言葉を絵に変換できるようになることで、より具体的に考えを共有できるようになりました。一層、職種を跨ぐコミュニケーションの精度や質が高まることが期待されます。

②デザイン活動の加速
ラフなものを高精度にしたり、一つの案からバリエーションを出したりと、これまでのデザインフローの一部分を生成AIに置き換えることで、凄まじい速度でデザインをすすめることが可能になりそうです。生成AIをツールの一つとして、どう取り込んでいくかが鍵になると考えています。

③しくみを設計すること
AIによって、デザインの各工程はより大量かつスピードをもってこなされるようになります。それぞれの工程におけるAIの組み合わせ方や、工程同士の情報の受け渡し方など、デザイン工程のしくみを設計することが重要になります。

④選びとること
生成AIは大量で多様な結果を出力してくれます。それ故に、選択する基準やストーリーが今までより一層重要になります。審美眼だけでなく、機能性、実現可能性などを考慮しながら最も適したデザインを選び出す能力が、これからのデザイナーには求められそうです。


対談のまとめ

対談の最後に宮下さんが言っていたことが、示唆に富んでおり大変共感しました。意訳になるので、多少ズレはあるかもしれませんが悪しからず。

”生成AIによって、作ったものをプロンプトとして共有しやすくなります。それによって、一人一人の違う専門性を共有できるようになる。AIの活用によって、集団での創造のカタチ(集団芸)を考えることで、新しいクリエイティブが生まれてくることが期待されます。”

生成AIによるデザイン領域の広がりによって、それぞれの専門スキルを持ち寄ったチームによるデザインが、より一層力を増す予感がします。
タイトルにもあげたように、"集団芸" つまり チームによるデザインが輝く時代がやってきそうです。

最後に、GPTにまとめてもらいました。

AIの活用は、単にアイデアを形にするだけでなく、異なる専門分野の知識を統合し、新しいクリエイティブなアプローチを促進します。これにより、仕組みを設計することの重要性が高まり、生成された多様なアイデアの中から最適なものを選択する能力が、デザインの質を左右する鍵となります。

、、、それっぽいですが、メッセージ性が弱いですね。
あくまでAIはツールです。大事なのは誰が使うか、どのように使うのか。

使い方のしくみを設計し、選び方をサポートするのが、NOI STUDIOの役割だと再確認した対談になりました。

みなさん、私たちと一緒に、AIとデザインの未来について考えてみませんか。

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