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Satoyama 推進コンソーシアム 2019 レポート 1/2「関係人口」セッション

6月4日にJapan Time's社主催のSatoyama推進コンソーシアムに行ってきました。200人超が入るであろう会場は、満員御礼。今、急速に関心が高まっている分野であることを実感。

登壇は鈴木三重県知事、枝広福山市長、宮下むつ市長

〇三重県の鈴木知事は、若くてエネルギッシュな方。県のマクロ経済はおおむね伸びているものの、特に北部と南部の経済格差があり、南部の経済振興・里山資本主義的取り組みが重要と考えておられる。

〇広島県福山市の枝広市長は、いわゆる「市長さん!」という風貌で、少し旧態依然を感じたが、お話を伺ってみると、地方の在り方に関して、実に斬新な考えをお持ちの上、すでに実行に移されている。市庁には既に5人の大都市圏在住者が働かれていて、それが機能しているとのこと!

〇青森県むつ市の宮下市長は、本当に若い。30代。もともとは中央省庁の官僚の方とのこと。こういう方が中央省庁を辞めて、地方の市長へ転身するというのも時代を表している気がする。むつ市は「コンパクトシティ」という取り組みを進めている。

「関係人口」(外部の人材)で、何をするのか。

ちなみに「関係人口」については、以下のサイトがよくまとまっていて、事例も豊富で面白いです。総務省のサイトです。観光以上、移住以下で地域とかかわる、といった感じでしょうか。


〇鈴木知事:例えば、古くからある地域のお祭りが、人口減少により消滅の危機になった。そういう時は、地域も率先して「関係人口」を受け入れた。移住はやはりハードルが高い。関わり合い方には多様性があってよいし、そういうのを認めて、地域づくりを進めていきたい。

〇枝広市長:求めるものは外からの刺激。「自前主義は捨てよう」と常々言っている。実は「地域の中が大変!」と言っているが、その地域の中がまとまっていないことがよくある。これでは乗り切れない。地域の外の方とかかわることによって「まとまらねば」と思うことも、大きな効果。

〇宮下市長:キーワードは、新しい地域の未来をデザインをする。「関係人口」(外部の人材)の方々は未来を見ている。定住人口や交流人口を増やすこと自体は、対処療法であり、あまり意味がないのではないか。

日本の人口は減っていく。人口もシェアする時代に。

定住人口を増やすのは、パイの奪い合いになる。登壇されていた首長の皆様も、「人口が増えれば、それはそれでうれしいが、、、」といった温度感であった。根本は「それぞれの地域が輝く」ということが、里山なのだと改めて思わされた。

もう一つ、東京の一極集中の話題。これは、宮下市長が、ポンと面白いことをおっしゃっていた。「もっと、東京に集中させるべき」!

その論拠は、「しょせん東京も、グローバルで見れば「地方」。むしろ東京は世界の都市と戦っていかなければならない」!

少し過激な発言に、会場の空気も変わった気がしたが、確かに考え方としては、一理あるなと思った次第。特にエンタメや金融などは、集積させた方が戦えるような気がする。

一方、リアルな問題として「若者と医師が東京に集中するのは問題」と。確かに「医師」は、切実な問題であろう。これは、テクノロジーの力で解決できる部分があるかもしれない。いわゆる遠隔医療。

いくつか、セッションの中で紹介された事例を。

三重県南部を中心とする地域は、明治時代「度会県」という県だったそうで、南部地域の振興を「連携」で実現する、とのこと。

福山市では、市長補佐ということで、副業に限定した人材募集を行ったところ、400人弱が応募、とのこと。そして、地元の大学生と一緒に活動が大変うまくいっているとのこと。

最後に、宮下市長のおっしゃっていた言葉が印象深い。

モデレーターの「関係人口というのはどのように目標設定し、どのように計るのか」との問いかけに対し、、、

関係人口を数えることは難しい。ただ、関係人口というのは、未来をデザインするという趣旨なので、その未来の数が重要ではないか。

2/2に続く、、

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