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エンジニア採用で「勝てるポジショニング」の見つけ方

エンジニア領域に特化した採用マーケティングサービス"TECH HIRE"を提供するトラックレコードの野崎です。
NHKさん、プレイドさん、モノタロウさん、エス・エム・エスさんなどの採用活動をご支援しております。
今回は普段のサービス提供の中で「良いポジションに立てると、採用の戦いが劇的に楽になる」という実感がありましたので、この方法論を記事におとしています。

また本内容をセミナー形式でお話しさせていただこうと思っておりますので、興味ある方はこちらもご参加ください。


また今日から使えるテンプレートはこちらからお申し込みください


対象者と記事を読む効果

この記事はエンジニア採用においてエージェント・ダイレクトリクルーティングなどのアクションを実行しているが「このままで難しそう」と感じている方を対象としています。
採用活動の因子はアクション量と転換率の掛け算*となりますが、この記事は「転換率**」をあげるために効果を発揮します。

*極論として10人に声かけて、100%で内定承諾すれば10人採用できます
**転換率の中でも「声がけからの面談(選考)に至る転換」を指しています


転換率をあげる成否はポジショニングが8割

今どうなっているか → 激しい戦場で戦っている現状

耳にタコができるほど聞く話なので背景は割愛しますがエンジニア採用は激しく厳しい戦場です。

採用競合のプレイヤーの数が多く、強いプレイヤーは採用に関連するリソースを存分に投下していることが理由の一つです。

ひとつの宝の獲得に多くの人が武器をもって戦っている様を想像いただくと良いかと思います。

このような戦場の中で、スカウト(ダイレクトやエージェント経由でのスカウト含む)をした場合に、「知ってる会社である」、「(多分)いい会社・おもしろそうな会社かも」と認知されていることは優位*に働きます。
(*極論書くと、GAFA的な企業から声がかかれば興味を持つ人は多いはずです)

一方で、人間の認知のキャパシティには限界があるので、上記のような想起にいたる会社の枠は決まっています。そうなると「魅力的な会社で広報力の強い会社(そこに大量のリソースを投資している・できている会社)」が必然的にその枠を奪っているのが現状です。

語弊のあるイメージ図

激しい戦いをしている様
強い武器と体力で攻めるプレイヤー


ではどうすればいい → 局地戦にもちこむ

キラキラしているターゲットを狙うのではなく、隠れた逸材が存在する場所を発見し、そこで戦うことで小さい勝利に繋がります。

戦う場所を小さくすることで敵も少なくなります。また相手の志向性にあわせた訴求をすることで、その特定層に対して「知ってる会社である」、「(多分)いい会社・おもしろうな会社かも」と認知されることが実現できます。

小さい戦場で確実に勝つ


局地戦で採用成功した企業

このような局地戦で勝っている企業は実はその存在はあまり知られておりません。というのも小さい戦場で戦っているためです。またそれ自体をパブリックにしていません。
具体的固有名詞は伏せる形で弊社でサポートした企業でわかりやすい一例を述べるとすれば

「利用企業が多くないが興味を持つ人が多かった言語×当時注目されていた市場での成長プレイヤー」としてのポジショニングをとることで、その技術を利用しているハイクラスなエンジニアを短期間で10名以上採用成功した企業があります。

このように良い戦場を見つけ、そこで勝てる材料を武器に戦うことで効率的に勝利を納めることができます。


採用に置き換えた場合の具体的なステップ

上記の概念を採用で実現する場合には、以下のような工程になります。

①まずは、求めるターゲットの解像度をあげる

  1. 自社の欲しいターゲットの要件(能力、経験、マインド)を言語化する

  2. その要件をもちあわせていそうなセグメントを言語化する

  3. そのセグメントにいる人のインサイト(求めているリターン)を言語化する

  4. そのセグメントが転職する際の採用競合のセグメントを言語化する

セグメントのインサイトを捉えることで「どうしたら口説けるのか」の解像度があがります。


②続いて自社の解像度をあげる

  1. 自社の魅力を言語化する

  2. 自社の魅力の中でも「(他社と比べても)ユニーク(な魅力)なもの」を定義する

  3. 自社の魅力の中でも「(他社と比べても遜色ない)魅力なもの」を定義する

  4. 自社の魅力の中でも「(他社と比べた時に)安心(材料にはなる)なもの」を定義する

⚠️ このユニークや安心は上記で定義したセグメントによって相対的に変わり得ます


③採用競合と比較した時の強弱判定をする

  1. ターゲットが求めているリターンと自社の魅力の中で、他社に勝っている魅力を定義する


④差別化できるポジションを決める

  1. ターゲットが求めていて、且つ競合に勝てる独自のポジションを決める

    1. ⚠️ ポジションの成立要件は「我が社の魅力を一言で言うとXXな会社です」と発言した時にターゲットから「それは良さそう」と認識してもらえるキーワードづくりを目指してください。

  2. 「それは良さそう」を成立させるために以下の観点を考慮する。

    1. (候補者が)理解しやすい表現であること

    2. (候補者が)憧れをもちやすい表現であること

    3. (候補者が)既視感が少ないこと(Nice to Have)

    4. (候補者が)トレンド・旬のある言葉であること(Nice to Have)

    5. ブログやイベントやスカウトなどの伝達施策に転換できるイメージが湧くこと

    6. 上記が成立する人が欲しい採用人数に対して十分存在すると感じられること


⚠️ 実際には、一発でこんなに簡単に答えがでるわけではありません。自社の魅力とターゲットインサイトを見比べながら、ターゲットを微修正することも発生します。

大事なことは「勝てる相手に、勝てるポジションで勝負する」という最適な「場」を見つけることです。

⚠️ またいざ思考してみると、実は勝てる相手も、勝てるポジションも見つからないということがあります。その場合は、勝てる武器をつくりましょう。もしくは消耗戦を覚悟しましょう。

⚠️ また以下の図のように複数セグメントで戦う場合は、それぞれにポジションを取りに行くことも可能です。ただし豊富なリソースがあることが前提となります。リソースに自信がない場合は、セグメントを絞ることをオススメします。


⑤ 差別化されたポジション・メッセージを候補者に伝える。

ここまできたら、差別化になる「ユニークなもの」と、他社と比べても遜色ない「魅力なもの」、強い差別化はされなくても「安心になるもの」をメッセージとして活用し、採用ピッチ資料や採用サイトなどのマテリアルに言語化しながら、ブログ、イベントやスカウトなどを通じて候補者へ伝達するプロセスへ移ります。

(マテリアル化や伝達の方法論はまた別の機会にnoteで紹介しますが、こちらの記事でも一部に触れています。)


今日から使えるテンプレートの紹介

ここからは実際にアウトプットする際のテンプレートを紹介します。 テンプレートが必要な方は以下フォームよりリクエストください

↓リクエストフォーム↓
https://share.hsforms.com/1YXl8fPxbSbuc5ga9K9PFIgbpr35


画面キャプチャした紹介動画はこちら


ステップ1

①まずは、求めるターゲットの解像度をあげる
1. 自社の欲しいターゲットの要件(能力、経験、マインド)を言語化する
2. その要件をもちあわせていそうなセグメントを言語化する
3.そのセグメントにいる人のインサイト(求めているリターン)を言語化する
4. そのセグメントが転職する際の採用競合のセグメントを言語化する

以下のテンプレートに基づき、要件情報と上記要件を有するセグメント情報を記載します。

(一部情報はテンプレ側に選択肢が用意されていますので、そちらを活用ください)


ステップ2

②続いて自社の解像度をあげる

1. 自社の魅力を言語化する 自社の魅力の中でも「(他社と比べても)ユニーク(な魅力)なもの」を定義する
2. 自社の魅力の中でも「(他社と比べても遜色ない)魅力なもの」を定義する
3. 自社の魅力の中でも「(他社と比べた時に)安心(材料にはなる)なもの」を定義する

ステップ3

③採用競合と比較した時の強弱判定をする
1. ターゲットが求めているリターンと自社の魅力の中で、他社に勝っている魅力を定義する

以下のテンプレートに基づき、対象セグメントがもとめるリターン(サンプルとして10個のリターンを記載済み)からの候補者が求める要求程度、自社の魅力、競合との相対比較を記入します。

記入すると自動的に魅力別に「ユニーク」「魅力」「安心」の評価がされます。

記入方法は下の記載例をご覧ください。

ユニーク、魅力、安心の評価ロジックはシートに記載しています

ステップ4

④差別化できるポジションを決める
1. ターゲットが求めている、競合に勝てる独自のポジションを決める

これまでの入力結果から自動的にポジショニングとして採用すべき要素の一覧が表示されます。
またその要素を組み合わせしたもののパターンも一覧で表示されます。

ユニークチェック数が2個以上ついている組み合わせは、競合優位性が高いポジショニングの可能性がありますので、優先的に検討すべき対象となります。

この優先的に検討すべき対象をもとに「我が社の魅力を一言で言うとXXな会社です」にハマる言葉をみつけていきます。

こちらは全て自動的に算出されるように関数組んであります


最後に、理屈はわかったけど、考えるリソースや手を動かすリソースがなくて困っている。
という場合には、上記設計から実際に施策実行までお手伝いできますので、弊社のサイトからお気軽にご連絡ください。


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