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🗂️ Design Materials:イノベーションの鍵、課題を効果的に組み立てるには?新しい視点からものごとを探ってみよう!

イノベーションを追求し、新しい方法で仕事をするために必要なことの1つは多様性を受け入れることです。

そのために必要なことの1つが思考の柔軟性です。一般的に思考の柔軟性は、知識や経験を積み重ねるほど失われてくると言われています。

デザイン思考を追求するデザイナーたちは、ワークショップなどを重ね、いつでも新しい発想を追求しています。柔軟な発想で取り組まないと、変化する世界で生き残れないと思っていると思います。物事を違ったやり方で行ってみたり、違った考え方をするトレーニングが必要なのです。

イノベーションの鍵は、問題がどのように「構想され提起され定式化されそして作成される」かにあります。

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「フロー理論」の提唱者であるミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)は、

「学校で、あなたは問題を解決することだけを学びます。しかし現実の世界に出てみると、何を解決すべきか誰も教えてくれないので、迷子になります。」 と語っています。

傾向として、問題自体を批判的に評価せずに、問題解決に飛び込むことがよくあります。 しかし、イノベーションは、私たちに提示された課題を効果的に組み立て、再組み立てできるときに発生します。

同じ一連の事実を新鮮な視点から見ることで、より革新的で創造的な仕事への道を開く理解のギャップを明らかにすることができます。

では、どのようにして問題のフレーミングに取り組むことができるのでしょうか?

今回は、問題を組み立てて、再組み立てする方法をご紹介いたします。これらの手法は、あなたが新しい異なる視点から、課題と機会を理解するのに役立つと思います。


1.さまざまなサイズで問題を組み立てましょう。

Why-how laddering (なぜ?どのように?ラダリング)

さまざまな抽象化レベルで問題を分析するために、「なぜ」と自答してみてください。そうするとより抽象的な課題が明らかになり、意味に関する問題を組み立てるのに役立ちます。 「どのように」と尋ねると、より具体的で実用的な機会が明らかになり、ユーザビリティに関する問題を組み立てるのに役立ちます。



はしごを上下に登ると、あなたは抽象的なものから、特定のものまで、ニーズの階層を作成するのに役立ちます。

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画像:pdmethods.com/why-how-laddering

ユーザー・ニーズに関して考えるのであれば、まずは意味のありそうなものを選択します。

1. 最初にボード上にユーザーのニーズを書き出します。
2. それに対して「なぜ?」と質問して見てください。なぜユーザーはそのニーズを感じているのでしょうか?
3.その「なぜ?」に対する答えをニーズとしてフレーズにまとめます。


たとえば「ユーザーはなぜその洋服の製造工程、また環境への関連性について知りたがっているのでしょうか?」という問いに対しての答えは、

「ユーザーはその洋服がどのようにできているのかを知ることで、ブランドの倫理的アプローチがユーザーの思想に沿っていて、環境に配慮した商品であるか確信する必要があるから」とリサーチや、ユーザーテストから得られた情報をまとめて書きます。

このようにリサーチや、ユーザーテストを合体させて、次第にニーズを特定していきます。

その抽象的なニーズに対して、さらに「なぜ?」という問いを投げかけて、また別のニーズを探り出します。それに対する回答を前の回答の上部においていきます。これを続けていくと、最終的には誰にでも共通するような、たとえば「環境に優しく」というような言葉に到達します。それがこのニーズのヒエラルキーの最上部に位置する概念となります。

同時に「どうやって?」と尋ねれば、特定のニーズの掘り起こしができるようになります。

「なぜ?」を登って行くき、「どうやって?」で下って行くことによって、ユーザーの豊かなニーズを引き出すことができるようになります。

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2.時間の経過とともに問題を組み立てよう!

ジャーニーマップは、時間の経過に伴う人の体験を視覚化する方法です。 

これらは通常、タイムラインに沿って発生する関連するアクション、思考、および感情を含む線形図です。

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画像:www.nngroup.com

ジャーニーマップの作成は5W1H化して調査することから始まります。

カスタマージャーニーマップ作成5つのステップ

Step1. 企画立案される
サービスの新機能・コンテンツを検討、イベントなどの企画
Step2. 5W1H分解
エンドユーザーの体験を5W1Hに分解し、エンドユーザーの行動や感情を想定します。
Step3. 定量調査
5W1Hの想定のうち不確かな体験の状況をユーザーから引き出し、具体化します。
Step4. ラフマップ化
調査データをもとにメンバーで議論し、ユーザー行動の文脈やモデルを明らかにします。
Step5. マップ化
現状の行動モデルをマップ化し、関係者との共有・合意形成の場で利用しましょう。

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3.別の視点から問題を組み立てよう!

ペルソナとは架空のユーザー像という意味で、詳細に人物像を設定していく作業します。ペルソナ作成は開発担当者のユーザー像を一致させる上で重要な作業であり、ユーザーのニーズを製品に集約させるなどのメリットがあります。

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画像:NOIN

Figmaテンプレートhttps://www.figma.com/community/file/875250087821192410

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4.問題をその反対として組み立てます

How Might We」と言うのは、「どうすれば◯◯できるか」と訳されます。これは課題を特定のグループの人々にとっての機会に変えます。 機会が行動を活性化し、動機付けするときに問題を再確認します。約10年前にIDEOがこの手法を使い始めたのち、今では世界中の多くのデザインファームで使われています。

Worst-case scenario 最悪のシナリオ」は、うまくいかない可能性のあるすべての状況を描き出します。これらの要素はイノベーションの機会になると言われています。

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5.空間コンテキスト内で問題を組み立てます

コグニティブ・マッピング(認知マッピング)は、実際の環境または仮想環境の脳の表現をモデル化します。 メンタルモデルを理解し、空間に関連する重要な要素、経路、行動を発見するのに役立ちます。

コンセプト・マッピングまたはマインド・マッピングは、システムの既知の情報または部分をレイアウトし、複雑なトピックを明確にします。 チームがパターンや未知数を特定するのに役立ちます。

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6.問題を関係のネットワークとして組み立てる

ステークホルダー・マッピングは、利害者関係者が気にかけていることや彼らがどれほどの影響力を持っているかなど、状況に関与するすべての人のネットワークを構築します。 関係のネットワークを特定することにより、チームは価値を創造するための既存の課題と機会を特定できます。

一般的に、製品やサービスを提供する企業には多くのステークホルダーがかかわっています。その企業の製品・サービスを利用する顧客をはじめ、株主や協力関係を結んだ企業、さらにはその企業で働く従業員、そしてその家族などがステークホルダーとして挙げられます。

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7.問題をパターンとして組み立てる

アフィニティ・ダイアグラムは、直感的な関係に基づいて類似したアイテムをクラスター化します。 情報を整理し、最初は明らかではなかったかもしれないパターンを明らかにします。

Rose, thorn, bud(バラ、とげ、つぼみ)は、情報を視覚化し、個々のデータポイントをバラポジティブ)、とげネガティブ)、およびつぼみ機会)としてタグ付けするのに最適です。

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画像:https://spin.atomicobject.com

8.問題を優先事項として組み立てる

2x2マトリックスは、主要な決定基準に基づいて情報に優先順位を付けるのに役立ち、チームが追求する最も関連性の高いトピックを特定するのに役立ちます。

ブルズアイ図は、最も重要な要素を中央に配置して、ターゲットダイアグラムの周囲の要素に優先順位を付けるのに役立ちます。 中央のスペースが限られているため、この方法は、チームが人々にとって最も重要なことを視覚化するのに役立ちます。

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まとめ

今回は、イノベーションの鍵、課題を効果的に組み立てるには?問題のフレーミング方法をご紹介しました。これらの手法は、あなたが新しい異なる視点から、課題と機会を理解するのに役立つと思います。

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

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メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。


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