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-#ブランド・アイデンティティとは?#テンプレ:強いブランドをつくるのに最も効率的な方法

例えば時間が経っても、時代が移り変わっても、変わらず多くの人々の心に残り色褪せない、そんなブランドが「強いブランド」と呼ばれています。 例えばアップルや任天堂のような名前を聞けば頭の中にイメージが浮かぶブランドは「強いブランド」です。

ブランド・アイデンティティとは?

ブランド・アイデンティティとは、「顧客にどうイメージしてほしいか」を明確にすることを示します。これはマーケティングの核の部分にあたります。すべての組織にロゴがあるように、例え個人事業主であったとしても、ブランドがなければビジネスで成功することは不可能です。

ウェブサイト、ソーシャルメディア、メール、ディスプレイ広告、その他のキャンペーンを通じたブランドを構築には時間がかかります。しかし、複数のチャネルを使用する場合、デジタルマーケティングは、最終的には、ターゲットオーディエンスのさまざまなセグメントを考えブランドを作成するのが最も効率的な方法です。

すべてのブランドがユニークでなければならない理由

すべての事業体は、直接的な業界の競合他社からだけでなく、消費者が毎日直面するマーケティングメッセージの中でも目立つように、創造的な方法でブランドを構築する必要があります。

ある意味で、各企業は、顧客やクライアントとつながるアイデンティティとしてブランディングを定義する必要があるのです。

ブランド・アイデンティティ・プリズムとは?

フフランスのHEC経営大学院の教授であるジャン・ノエル・カプフェレ氏はマーケターがブランド・コンポーネントとそれらがどのように組み合わされるかを視覚化するのに役立つ、「ブランド・アイデンティティ・プリズム」を提唱しました。これはブランド・アイデンティティの定義に必要な要素を、プリズム(六面体)の形で整理するフレームワークです。

💡カプフェレ氏は、デヴィッド・アーカーやケヴィン・レーン・ケラーなどと並べられる世界的なブランド論の権威であり、ヨーロッパのラグジュアリ―ブランドの分析で有名な研究者の一人です。

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ブランド・アイデンティティ・プリズムのフレームワーク

このように、ブランド・アイデンティティの定義に必要な要素を、2つの軸で整理・体系化したものがブランド・アイデンティティ・プリズムです。このフレームワークに含まれるコンポーネントは6つなのでブランド・アイデンティティ・プリズム(六面体)と呼ばれています。

ブランド・アイデンティティ・プリズムの6つの要素

Physique:ブランドの視覚的な特徴
ロゴ、色、記号などブランドのロゴ、カラー、コピー、ブランド名など、ブランドを視覚的に表現するものを指します。オンライン上のサービスならユーザー・インタフェースなども含まれます。
Personality:ブランド・パーソナリティ
企業のブランドの個性、ブランドのトーン・オブ・ボイスが含まれます。
Culture:企業文化、ブランド価値観の基盤、アイデンティティ
ブランドが持つ価値観や文化が含まれます。顧客がブランドの持つ創価価値、バリューに共感すると、強い絆が生まれます。
Relationship:顧客とブランドの関係性
顧客とブランドがどのような関係性を築いているのか書き出します。共通する目的、または価値観、ブランドのバリューにどのように共感しているのか、顧客の行動にポジティブな影響を及ぼすとき関係性が成り立ちます。
Reflection:ブランドのターゲット消費者の特性、ステレオタイプの顧客
ブランドの主要な顧客の性別・年代などの表面的なデモグラフィック情報だけでなく、また心理的な特徴やライフスタイルを明確にすることが重要です。
Self-Image:ブランドの自己イメージ・消費者が自分自身についてどう思っているか
顧客自身が、ブランドと接したり、ブランドを思い出したりしたとき、企業についてどのようなイメージを持つかを書き出します。

ブランド・アイデンティティ・プリズム:軸の関係性

1. まず中央にはロゴなどのブランド・シンボルが置かれます。

2. それでは関係性を理解しましょう。横軸の上部は自社の側、もう一方の下の部分が顧客の側となります。


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自社の側にはブランド・パーソナリティブランドの視覚的な特徴など、自社が定めるものが置かれています。

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顧客の側には、ブランドのターゲット消費者顧客持つ企業のイメージが置かれています。

3. 縦軸は、一方が外的・会社外部要素、もう一方が内的・会社内部要素となっています。


外的要素は、ブランドの視覚的特徴、顧客との関係性、またターゲット層などの外的要素が置かれています。

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内的要素はその逆で、企業文化、ブランド価値観の基盤など企業の内部的な部分が示されています。

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ブランド・アイデンティティ・プリズムの事例

次はブランド・アイデンティティ・プリズムを用いた事例を紹介したいと思います。

現在、世界のトップブランドの1つであるアップルは、ビジネスをクリエーティブなアプローチへの道を開いたいくつかのテクノロジー企業の1つです。

Appleのブランド・アイデンティティ・プリズム

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まず、PhysiqueにはCMなどでお馴染みのキャッチコピー「Think different」と書かれています。他にも要素に、シンプル、心からのつながりという言葉が並んでいます。このような人間中心的なデザインをアプローチするブランドは多いのですが、アップルはそこに「自由な発想」「自己強化」などを加えて、ブランド志向が強く、そのことに誇りを持つクリエーティブな人々が自分たちの顧客だと定義しています。

Kiehl'sのブランド・アイデンティティ・プリズム

💡キールズは今から165年以上前にニューヨークでアポセカリー(調剤薬局)として創業し、科学、ハーブの知識を基に天然由来成分を配合したスキンケア、ボディケア、ヘアケア製品を顧客に提供し続けています。

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まず、Physiqueにはナチュラルと一番に書かれています。他にも要素に、環境、信頼関係という言葉が並んでいます。このようなサスティナブルで地球環境を守るための新しい考えを推奨している企業も多くありますが、キールズはそこに「薬剤師の専門」「信頼関係」などを加えて、環境問題を考えながら、スキンケアもしっかりとしているミレニアル世代の家族を顧客だと定義しています。

事例として2つのブランドのブランド・アイデンティティ・プリズムを挙げましたが、このフレームワークの6つの要素を書き出すことでブランドがどのようなビジョンや個性を持った存在なのか明らかになっていきます。また顧客との関係性のあり方を明快に表現できることがわかると思います。

ブランド・アイデンティティ・プリズムは、どのような製品・サービスまた企業であっても適用させることができます。また個人的に自分のイメージを表してみることも楽しいと思います。

なお、ブランド・アイデンティティ・プリズムのフレームワークを編集したい方は下記のPDFファイルをお使いください。

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私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

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メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。


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