ツールキットの第4弾、今回は課題を見つけ、解決策に焦点を当て優先順位を決めたい時に使えるキットをご紹介したいと思います。

2x2優先順位マトリックス

2x2優先順位付けマトリックス、またはリーン優先順位付けアプローチは、チームが製品バックログで次に取り組むべきことを決定するのに役立つツールです。

この方法は、チームが顧客にとって価値があると思われる機能に集中するための迅速で効率的な方法です。

リーンスタートアップ手法を適用するチームは、このマトリックスを使用して意思決定を行い、リスクがどこにあるか、または最も価値のある機会がどこにあるかに関連して、どのフィーチャーに集中するかを判断することもできます。

マトリックス方法はさまざまなフェーズまたは反復に対応することができます。労力と価値の粒度（高いものから低いものへ）が必要な場合は、3x3優先順位付けマトリックス方法を使用してもいいかと思われます。

2x2優先順位マトリックスとは

このモデルは、プロダクトマネージャーが優先順位を決定するのに役立つ優先順位マトリックスであり、チームが何に焦点を当てるべきかを決定する手助けを必要とするプロジェクトやイニシアチブを主導する人にも適しています。 

2x2の優先順位マトリックスには、通常、さまざまなレベルと価値を表す4つのセグメントがあります。

→ 価値はあるが実装が難しい製品の機能またはタスク
→ 価値があり、実装が簡単な製品の機能またはタスク
→ 今すぐ投資する価値のない製品の機能やタスク
→ 後で戻すことができる価値の低いタスク

2x2優先順位マトリックスを使用する場合

アジャイル開発チームは、2x2の優先順位マトリックスを使用して、次に取り組む機能、修正、およびアップグレードを決定します。このフレームワークは、Minimum Viable Product（MVP）を起動するために必要な機能を決定したり、今後のアジャイルスプリントのタスクに優先順位を付けたりするのに役立ちます。

💡MVPとは顧客に価値を提供できる最小限のプロダクトのことを指します。 完璧な製品・サービスを目指すのではなく、顧客が抱える課題を解決できる最低限の状態で提供します。

あなたがプロダクトマネージャーであろうと、新しいビジネス・イニシアチブを主導していようと、それぞれのアイデアがこれらの各要素にどのように影響するかを検討する価値があります。2x2の優先順位マトリックスは、チームが取り組むのが現実的なものの周りに境界を作成し、成功のために最も重要なものについて明確さと合意を形成するのに役立ちます。

2x2優先順位マトリックスを作成する

独自の2x2優先順位マトリックスを作成するのは簡単です。Miroのホワイトボードツールは、簡単に作成できて、チームと共有するのに最適なキャンバスです。 

まずは、ビジネス価値を定義します。
理想的には、製品の機能またはイニシアチブの価値を、組織が推進する方法に結び付けます。戦略的価値、顧客価値、または財務的価値のどれを検討しているのかをチームと話し合います。

リスクを定義します。
リスクは通常、実装の複雑さ、コスト、およびビジネス関連の事柄、例えば、変更への適応、コンプライアンスのニーズ、または運用上の問題などの形で発生します。リスクを考える場合は両方を考慮してください。

必要に応じて優先カテゴリを編集しましょう。
例えば「チャレンジ」、「実装」、「再検討」、「可能」というラベルを付けたり、製品やイニシアチブに最適なアクションワードについて、チームとブレインストーミングします。

チームメンバーが意見を出し合った後で、チーム全体で優先順位を確認し、合意に達します。マトリックスは、チームのダイナミックに理由と論理をもたらします。最初の計画では誰もが異なる意見を持っているかもしれませんが、理想的には皆が意見に同意してからセッションを終了する必要があります。 「追加の予算と時間が利用できる場合のみ」、「現時点では難しい」などといったフレーズは、努力と価値の間のスペクトルと考えてください。それに応じて決定していきます。

今回は「課題を見つけ、解決策に焦点を当て優先順位を決めたい」時に使える2x2優先順位マトリックスをご紹介しました。

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。