ステークホルダーインタビューとは？

💡ステークホルダーは、企業が経営をするうえで、直接的または間接的に影響を受ける利害関係者のことです。

ステークホルダー・インタビューとは、ステークホルダーへ事業構想をヒアリングすることです。通常、プロジェクトの最初の発見フェーズの一部です。主にプロジェクト・オーナーからの話を聞きます。このインタビューはリサーチ段階で行い、製品、サービス、クライアント、顧客、ユーザー、およびプロジェクト全体に関するコンテキストと知識を得るのに役立ちます。これは事業を組み立てていく上でとても重要なポイントとなります。

🗒なぜ必要なの？

利害関係者への詳細かつ簡潔なインタビューは、コミットメントを促進し、プロジェクトに関する知識を収集するための鍵となります。正しい決定を下し、失敗を回避し、適切な製品を作成するための改善を行うのに役立ちます。

🎖️ 目標と価値

このプロセスは、組織的な観点から、プロジェクトの進行を確実にスムーズにします。

🎖️ 目的
製品、サービス、チーム、および組織に関する戦略的洞察を得るため

💡 価値
企業の文書化された戦略と、関係者の態度や日々の意思決定との間の不一致の領域を明らかにできる

👨‍👩‍👦 候補となるメンバー

• この製品またはサービスを使用するユーザー。

• この製品またはサービスを購入する顧客。

• このプロジェクトのゴーサインの承認を得た意思決定者。

• 予算やタイムラインなどの最終的な納品に責任を負うプロジェクトマネージャー

• デザイナー、エンジニアなどのプロジェクトに取り組むチーム。

• 問題、ドメイン、制約などについて深い知識を持っている対象分野の専門家。

• CEO、CTO、CIOなどの部門の責任者または会社の責任者であるエグゼクティブ・スポンサー

• 部門代表者

🧰 リモートワークで必要なもの

• ラップトップ

• スライド（オンライン・ホワイトボードFigJamやMiro）

• タイマー

⏰どんな時に行われるの？

• プロジェクトの開始時、開発の初期段階、または立ち上げ後にプロジェクトの理解を深めたい時

• このプロジェクトに関係する顧客、ユーザー、および関係者の理解を深めたい時

• プロジェクトの市場、業界、ドメイン、およびソリューションの理解を深めたい時

• コンテキストを理解して、明確な目標を設定し、マイルストーンを確立し、タスクに優先順位を付けたい時

• 組織の文化、仮定、制約、働き方、ブランドをの理解を深めるために

• コミュニケーションを改善し、信頼関係を築きたい時

• プロジェクトのまとまりのあるビジョンを共有したい時

• デザイン・プロセスに信頼と賛同を取り入れることで、信頼と賛同を得たいとき

準備が大切

半構造化インタビューを実施している場合でも、回答が必要ないくつかの重要な質問を特定するためのガイドラインまたはスクリプトを準備することをお勧めします。

プロジェクトの要件にとどまらないようにしてください。他のユーザー インタビューと同様に、事業計画だけでなく、利害関係者の苦労や動機についても知っておくべきです。

また、専門家は、自分にとって明らかなことは誰にとっても明らかであると考える傾向があります。 プロジェクトの全範囲をよく理解するようにしましょう。

💁重要な情報

ブレインストーミングを行い、UX プロセスを開始するために知っておく必要がある重要な情報を書き留めましょう。

• Who is the solution for and why do they need it?
  誰のためのソリューションで、なぜ必要なのか?

• What are the major assumptions we need to clarify?
  明確にする必要がある主な仮定は何ですか?

• What are some concerns or constraints you foresee?
  予想される懸念や制約は何ですか?

選択した利害関係者にアプローチするために、最初にプロジェクトに関するすべての質問を特定しましょう。インタビューする必要がある利害関係者を選択して、調査の質問に対する洞察と背景を提供します。

半構造化インタビューの構成

半構造化インタビューはよりオープンです。 彼らは、インタビュー対象者の発言の結果として、インタビュー中に新しいアイデアを持ち出すことを可能にします。

💡ヒント
利害関係者へのインタビューでは、半構造化アプローチを使用することをお勧めします。

1️⃣ 紹介 (5分)

今取り組んでいるリサーチを簡潔に紹介し、参加者の権利と参加条件を要約し、未解決の懸念を紹介します。

2️⃣ 準備のための質問 (5分)

答えやすい質問から始めましょう。 こうすることで、回答者は、自分が試されたり実験されたりしているとは感じない通常の会話に参加していると感じます。

3️⃣ プロジェクト固有の質問 (30分)

ウォームアップからプロジェクト固有の質問への移行をスムーズにするようにしてください。面接ガイドを検討し、ウォームアップの質問とメイントピックの間に論理的な橋渡しを心がけましょう。

4️⃣ 閉会の辞 (5分)

会話を締めくくり、質問の時間を割り当てます。さらに、あなたが提起しなかったトピックに関連する考えがあるかどうかを尋ねます。

5️⃣ デブリーフィング (10分)

面接が終わったらすぐに、チームと話し合い、洞察、発言、印象を書き留めてください。

「テンプレート」英語インタビューガイド

優れたインタビュー ガイドは、参加者との深く自由な会話への道を開きます。インタビューガイドには、参加者が自分の話をするよう促すために、簡潔で自由回答形式の質問をいくつか含める必要があります。

通常は 4 つのセクションに分けられます。

1. Introduction
   はじめに

2. Warm-up questions
   ウォームアップの質問

3. Project-specific questions
   プロジェクト固有の質問

4. Closing remarks
   閉会の辞

💡ヒント
質問する時間があると思われるよりも多くの質問を用意してください

1️⃣ はじめに

• Hi [Stakeholder/User Name], I’m [Your Name], thanks for your time today. 
  こんにちは [関係者/ユーザー名]、私は [あなたの名前] です。本日はお時間をいただきありがとうございます。

• We’re currently doing some discovery research in [Project Name]. 
  現在、[プロジェクト名] でいくつかの発見研究を行っています。

• To find out more about this project, we want to speak to you given your expertise and background. 
  このプロジェクトについて詳しく知るために、あなたの専門知識と背景を踏まえてお話ししたいと思います。

• I’ll be asking some questions related to [Questions You’ve Selected For Stakeholder/User].
  [利害関係者/ユーザー向けに選択した質問] に関連する質問をいくつかします。

• Would you mind if we record this session? This will only be used internally so I’m not writing notes/typing while we speak. 
  このセッションを録音してもよろしいですか？ これは内部でのみ使用されるため、話している間はメモを書いたりタイピングしたりしません。

• Do you have any questions before we begin?
  始める前に質問はありますか？

2️⃣ ウォームアップ

✏️ 目標: 利害関係者の背景と経験について理解を深めます。
🔎 調査対象: 組織への影響力、内部関係、制度的知識。

• To start off, I’d love to learn a little bit about your background. Where were you before [Current Company]?
  まず、あなたのバックグラウンドについて少しお聞きしたいと思います。 [現在の会社] の前はどこにいましたか?

• What do you do at [Company]?
  [会社]で何をしていますか?

• How long have you been in this role?
  この役職に就いてどのくらいですか？

• Tell me about your typical workday.
  あなたの典型的な勤務日について教えてください。

• What are some key challenges you encounter in your job?
  仕事で直面する主な課題は何ですか?

• What projects are you working on at the moment?
  現在、どのようなプロジェクトに取り組んでいますか?

• Tell me about the teams and people you interact with the most.
  あなたが最も交流するチームや人々について教えてください。

3️⃣ プロジェクトについての質問

💡 ヒント: 組織内での各関係者の仕事と役割に合わせてこれらの質問を調整することで、時間を有効に活用してください。

✏️ 目的: 利害関係者がプロジェクトから得たいと思っていることをよりよく理解します。

🔎 調査対象: プロジェクトのビジョン、仮定、およびそれらがプロジェクトの成功をどのように測定するか。

• Tell me about [Project Name].
  【プロジェクト名】について教えてください。

• Tell me about your role in this project.
  このプロジェクトでのあなたの役割について教えてください。

• What is your vision for this project?
  このプロジェクトに対するあなたのビジョンは何ですか?

• Why is this project important?
  なぜこのプロジェクトが重要なのですか？

• In your opinion, what defines project success?
  プロジェクトの成功を定義するものは何だと思いますか?

• Are there any aspects of this project that worry you?
  このプロジェクトで気になる点はありますか?

• What challenges do you foresee this project possibly running into?
  このプロジェクトが直面する可能性のある課題は何ですか?

• What is your role in this project? What would you like it to be?
  このプロジェクトでのあなたの役割は何ですか? あなたはそれが何になりたいですか？

• How will this project impact your day-to-day?
  このプロジェクトはあなたの日常にどのような影響を与えますか?

• What are the deadlines for the project?
  プロジェクトの締め切りは？

• What will have improved, from your point of view, once it is finished?それが完成したら、あなたの観点から見て、何が改善されますか?

4️⃣ ビジネス、主要な問題、および価値提案

✏️ 目的: 利害関係者が何を知っているか、知識のギャップがどこにあるかを調べます。

🔎 調査対象: 製品ビジョン、価値提案、競合他社。

• What core problems does this solution address for users?
  このソリューションが解決するユーザーの主な問題は何ですか?

• In your opinion, what’s the key value proposition of this product/service?
  この製品/サービスの主な価値提案は何だと思いますか?

• Who are our competitors and competing products/services?
  競合他社と競合する製品/サービスは?

• What do you like about them?
  彼らのプロダクトのどこが好きですか？

• What don’t you like about them?
  彼らのプロダクトのどこが気に入らないのですか？

• What makes our product/service unique?
  当社の製品/サービスの独自性は何ですか?

• Which market segment are we targeting?
  どの市場セグメントをターゲットにしていますか?

• How do we talk about this product/service from a marketing standpoint?
  マーケティングの観点から、この製品/サービスについてどのように話しますか?

• What are the key messages?
  重要なメッセージは何ですか?

• How do we differentiate our message from other brands?
  私たちのメッセージを他のブランドとどのように区別しますか?

5️⃣ 顧客、ユーザー、(Context of Use)使用状況

✏️ 目的: 利害関係者が顧客とユーザーについて何を知っているかを調べます。

🔎 調査対象: 使用状況、問題と解決策、顧客の洞察。

• Who is the ideal customer/user for this product/service?
  この製品/サービスの理想的な顧客/ユーザーは誰ですか?

• How do the customers/users solve the problem today?
  顧客/ユーザーは現在、どのように問題を解決していますか?

• What actions do we want users to take?
  ユーザーに取ってもらいたいアクションは何ですか?

• What existing products/services do they use to solve the problem?
  問題を解決するために、どのような既存の製品/サービスを使用していますか?

• What does success mean to them?
  成功とは何を意味するのでしょうか。

• What does failure mean to them?
  彼らにとっての失敗とは？

• If customers/users had a magic wand, what would they wish for?
  顧客/ユーザーが魔法の杖を持っていたら、何を望みますか?

• What is the existing research that has already been done?
  すでに行われている既存の研究とは何ですか？

• Can you share this after the interview?
  インタビューの後、これを共有できますか？

6️⃣ UXデザイン

✏️ 目的: 関係者がUXデザイン・プロセスについて知っていることを調べます。

🔎 求めるもの: UX、デザインの仮定、ソリューションのアイデアに関する経験。

• How familiar are you with the UX design process?
  UXデザインのプロセスについてどのくらい知っていますか?

• How do you see yourself contributing to the UX design process?
  自分自身がUXデザインプロセスにどのように貢献していると思いますか?

• Have you worked with UX designers before? How was that experience?
  以前にUXデザイナーと仕事をしたことがありますか? その経験はどうでしたか？

• Is there something you think the UX design team should be aware of?
  UXデザイン チームが注意すべき点はありますか?

• Are there any design or technical constraints? If yes, what are they?
  デザイン上または技術上の制約はありますか? はいの場合、それらは何ですか?

• What are the outcomes you would like to see from this UX design process?
  このUXデザインプロセスからどのような成果を得たいですか?

• What is the process of approval for design and who will be approving them?
  デザインの承認プロセスはどのようなもので、誰が承認するのですか?

• Do you have any reservations about [Project Name]?
  [プロジェクト名] について、何か予約はありますか?

• If you had a magic wand, what UX would you wish for?
  魔法の杖を持っているとしたら、どのようなUXが欲しいですか?

7️⃣ 締めくくりのスピーチ

✏️ 目的: 追加の洞察
🔎 調査対象: アイデア、フィードバック、およびアイデア。

• Before we wrap up…
  終わる前に

• Do you have anything else you want to talk about?
  他に話したいことはありますか？

• Do you have any feedback for me?
  私へのフィードバックはありますか？

• Who else do you think I should talk to?
  他に誰と話すべきですか?

• Great, I will stop our recording.
  了解しました。録音を停止します。

• If you want, I will send you a copy of the recording and the results of this research.
  ご希望であれば、録音のコピーとこの研究の結果をお送りします。

• Thanks again for your time, [Stakeholder/User Name].
  [関係者/ユーザー名] 様、お時間を割いていただきありがとうございます。

• Please reach out if you have any questions for me.
  ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

練習しよう！

繰り返しの質問を特定し、完全に必要ではない可能性のある質問を発見し、その方法をよりよく理解するのに役立つように、練習の実行ドライランをスケジュールします。

インタビュー中に考えたいこと

• Are my questions being adequately answered by the stakeholders?
  私の質問は、利害関係者によって適切に回答されていますか?

• We didn’t accidentally use confusing terms or jargon that confused the stakeholder?
  利害関係者を混乱させる紛らわしい用語や専門用語を誤って使用していませんか?

• How can I improve the flow from one section to another?
  あるセクションから別のセクションへの流れを改善するにはどうすればよいですか?

⚡ ヒント
インタビュー当日に使用するすべてのものをテストしましょう。
例えば部屋の明るさ、メモツール、ホワイトボードツール、データを取得するためのスプレッドシート

ベストプラクティス

1️⃣  面接の目標を設定しよう

何を学びたいのかを自問してください。プロジェクトについて学ぶのように目標が広すぎると、インタビューが失敗する可能性が高くなります。これは、デザインのニーズに関連する方向に質問の焦点を合わせることができないためです。

利害関係者またはユーザーの行動や態度の特定の側面に関連する簡潔で具体的な目標は、チームを合意に導き、インタビューの構成方法を指示することができます。

2️⃣ 1対1の準備ができている

利害関係者の役割と日常の活動について事前調査を行います。 これは、質問の仕方、つまり単純化されたものか技術的なものかという文脈を組み立てるのに役立ちます。

グループ面接よりも、マンツーマンでの会話の方が効果的です。 グループ化する必要がある場合は、役割に従ってグループ化します。たとえば、あるグループはエンジニア、別のグループはカスタマー サクセスなどです。

3️⃣ 会話的で快適にする

人々は、リラックスして面接担当者とそのプロセスを信頼している場合、より覚えやすく、話しやすく、警戒心を緩める可能性が高くなります。

台本から外れてもまったく問題ありません。インタビューを受ける人に応じて、インタビューを自然な流れに任せます。 明白に見える答えであっても、明確にするための質問をすることを躊躇しないでください。

メモを取ったり、うなずいたり、頻繁にアイコンタクトを取ったり、利害関係者が言った言葉を繰り返すことで、意見を聞いてもらっているに聞いてもらっていると感じさせます。

急がないことが大切。 一時停止。 スピーチのペースを遅くします。 ゆっくり話すことは心を落ち着かせる効果があり、不安がなく、聞く時間があることを示します。

ツール

Otter.ai, HappyScirbe, Rev などのツールを使用するとインタビューを自動的に書き起こすことができます。

まとめ

最後に、インタビュー後はインサイトを共有することをお勧めします。そして次のステップの推奨事項を提供しましょう。

推奨事項の例:

• 潜在的なユーザーが現在の問題をどのように解決できるかについて、さらに調査を行う

• より強力な差別化を開発するために、市場と競争の詳細な分析を行う

• プロジェクトの制約を潜在的に克服する方法を概説するためのワークショップを設定します

• プロジェクトのキックオフ ワークショップを続行する…など

利害関係者とのインタビュー中に適切な質問をすることで、明快で建設的な仕事上の関係が生まれます。これらの質問は非常に重要ですが、変更に対して主観的であり、プロジェクトに従って組み立てることができます。

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