別物

42作目
2024年4月19日「異人たち」を鑑賞
☆☆☆

幼い頃に両親を亡くした男が、再び両親との時を過ごす

山田太一の長編小説「異人たちとの夏」をリスペクトした作品
とのことだが、なんだか日本っぽさみたいなものは失われている気がする。

また、一番の変更点は、主人公がゲイであること。
確かに小説が書かれた、80年代後半には考えられないかもしれないが、
ここにポリコレ要素を持ってくる意味は全くわからない。
原作通り、女性が恋人でよくないか?
誰を愛するかなんて自由なんだから、原作通りでいいじゃん
とてもリスペクトとは思えないよ。

これにより、孤独であった主人公の心が、解されていくのが
微妙にわかりづらくなるし、ただのホモ映画にしか見えない。
最後の方で、実は恋人も・・・
ってわかってはくるものの、この仕掛けがなかったら、
ゲイビデオを2時間近く見せられただけになってしまう。

まあ「ゲイであること」
が、さらに孤独を浮き彫りにしているということなんだろうけど。
あと、最後に恋人がへや亡くなっているのも、
主人公にとって、死が身近であるということなんだろうけどね。

両親とのやり取りはすごくいいんだよ。
生きている方が気づくのではなくて、
亡くなっている方が、自分たちの置かれている状況に気づいて
別れを告げる・・・

これがなんとも切なくて良かった。

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