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【生体力学】で怪我を予防し、パフォーマンスを向上させる!

●はじめに

【定義】

生体力学とは、生物の構造や運動を力学領域から解明したり、あるいは解明した結果を医学や工学の技術開発に応用したりする学問領域です。

【運動と中心】

生体力学において、運動とは、質点の位置や姿勢の変化です。運動の中心とは、運動する質点の周りを回転する点です。


【基礎物理学】

生体力学は、物理学の基礎である運動学、静力学、運動力学を基盤にしています。

  • 運動学:運動の様式や変化を記述する学問

  • 静力学:力の釣り合いを扱う学問

  • 運動力学:力の作用によって運動する物体の運動を扱う学問


【種類】

人体の重心は 3 つの要素で規定されています。

1.運動回転軸
 身体があらゆる方向に自由に回転しうる点です。
 前額・矢状・垂直軸
2.重量中心点
 身体各部の質量が相互に平衡な点です。
3.基本運動面の交差点
 基本前額面、基本矢状面、および基本水平面の 3 つの面が交差する点です。


【運動の法則】

運動の法則とは、運動の様式や変化を決定する法則です。ニュートンの運動の法則は、生体力学において最も重要な法則です。

  • 第一法則:慣性の法則:物体は、外力を受けない限り、等速直線運動または静止の状態を保つ。

  • 第二法則:運動の法則:物体に作用する力は、その物体の質量と加速度によって決まる。

  • 第三法則:作用反作用の法則:物体Aが物体Bに力を作用させると、物体Bは物体Aに等しい大きさで反対の向きの力を作用させる。

【力積】

力積とは、力が作用した時間と力の大きさの積です。

力積は運動量の変化をもたらします。

【てこ作用】

てこ作用とは、てこを介して力を増幅したり、方向を変えたりすることです。

てこには、第一てこ、第二てこ、第三てこの3種類があります。

  • 第一てこ:力点、支点、作用点の3点が直線に並んでいる。

  • 第二てこ:力点と支点が一直線上にあり、作用点がそれらの中間にある。

  • 第三てこ:力点と支点が一直線上にあり、作用点が力点よりも支点に近い。

【関節モーメントとトレーニングフォーム】

関節モーメントとは、関節に作用する力と、その力の作用点と関節の中心との距離によって決まる量です。関節モーメントは、関節の運動量の変化をもたらします。

トレーニングフォームにおいて、関節モーメントを理解することは、怪我の予防やパフォーマンスの向上に役立ちます。

例)
・ベンチプレスにおける大胸筋のてこ
 支点:肩甲上腕関節、力点:大結節稜、作用点:母指球


●まとめ

生体力学は、生物の構造や運動を理解するために重要な学問です。生体力学を理解することで、怪我の予防やパフォーマンスの向上、スポーツの科学的な分析など、様々なことに役立てることができます。



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