●はじめに

私たちの体は、体重の約60%が水分です。水分は、体温調節、老廃物の排泄、栄養分の運搬など、私たちの生命活動に欠かせない役割を果たしています。
水分は、食事や飲み物から摂取します。食事から摂取される水分は、約2割程度で、残りの約8割は飲み物から摂取されます。
水分補給は、健康的な生活を送るために欠かせません。水分が不足すると、脱水症や熱中症などの健康障害を引き起こす可能性があります。

●水分

水は無色透明ですが、実際には目には見えない様々な物質が溶け込んでいます。 飲料水の選択は、健康の維持増進のために重要な一要素です。 本質的な選択基準を持つことで自ずと飲むべき水が見えてきます。

選択基準

水分を選ぶ際には、以下の基準を参考にするとよいでしょう。
安全性：飲んで安心できるかどうか、有害物質が含まれていないか
有効性：体内の水分補給に効果的かどうか、健康に良い効果が期待できるかどうか

地下水

地下水とは、地中深くに溜まった水のことです。地表の雨水や雪解け水が地面に浸透し、岩盤や砂層などの帯水層に蓄えられています。

地下水は、水道水やミネラルウォーターの原水として利用されています。また、農業や工業、発電などにも利用されています。

地下水の特徴は、以下のとおりです。

• 水質が安定している

• ミネラルやその他の成分を豊富に含んでいる

• 地表の水質汚染の影響を受けにくい

地下水は、私たちの生活に欠かせない貴重な水資源です。地下水の保全と適切な利用が重要です。

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターは、地下水を採水してそのまま販売されている水です。ミネラルやその他の成分を豊富に含んでいるのが特徴ですが、近年、一部のミネラルウォーターで硝酸態窒素の汚染が問題視されています。

硝酸態窒素は、肥料や家畜の糞尿、生活排水などから土壌に流れ込み、地下水に溶け込むことで発生します。硝酸態窒素は、赤血球の酸素運搬能力を低下させるため、乳幼児や妊娠中の女性への健康被害が懸念されています。

厚生労働省は、ミネラルウォーターの硝酸態窒素の基準を「10mg/L以下」と定めています。しかし、2022年7月現在、日本食品分析センターの調査によると、市販されているミネラルウォーターのうち、約1割で基準値を超える硝酸態窒素が検出されています。

ミネラルウォーターを選ぶ際には、硝酸態窒素の含有量にも注意が必要です。なお、硝酸態窒素の含有量は、商品のラベルに記載されていることが多いため、確認することができます。

硝酸態窒素の汚染を防ぐためには、農業や畜産業における窒素肥料や家畜の糞尿の適切な管理、生活排水の適切な処理などが必要です。

・クリスタルガイザー
・ヴィッテル

pH

pHとは、水溶液の酸性度・アルカリ性度を示す指標です。pH7が中性で、pH7より小さいほど酸性、大きいほどアルカリ性となります。

pHは、水溶液に含まれる水素イオン（H+）の濃度を示す尺度です。水素イオンの濃度が高いほど酸性、低いほどアルカリ性となります。

pHの測定
pHは、pH試験紙やpHメーターなどの器具を用いて測定します。pH試験紙は、水溶液に浸すと色が変わる試験紙です。pHメーターは、電気的な測定方法を用いてpHを測定する器具です。

pHの性質
pHは、さまざまな物質の性質に影響を与えます。例えば、pHによって金属の溶解度や反応速度が変化します。また、pHによって生物の活動も変化します。

浄水器

浄水器は、水道水や井戸水などの水から、不純物や有害物質を取り除く装置です。浄水器には、さまざまな種類がありますが、一般的には以下の2つの原理を用いて水を浄化します。

• ろ過：水中の不純物や有害物質を、フィルターに吸着したり、ろ過したりする方法

• イオン交換：水中の不純物や有害物質を、イオン交換樹脂と交換する方法

硝酸態窒素は、肥料や家畜の糞尿、生活排水などから土壌に流れ込み、地下水に溶け込むことで発生します。硝酸態窒素は、赤血球の酸素運搬能力を低下させるため、乳幼児や妊娠中の女性への健康被害が懸念されています。

一般的な浄水器では、活性炭フィルターを用いることで、水中の不純物や有害物質をある程度除去することができます。しかし、硝酸態窒素は分子量が小さいため、活性炭フィルターでは完全に除去することはできません。

硝酸態窒素を完全に除去するためには、逆浸透膜（RO膜）を用いた浄水器が有効です。RO膜は、水分子以外の物質を透過させないため、硝酸態窒素も除去することができます。

井戸水に硝酸態窒素が含まれている場合は、RO膜を用いた浄水器を設置することで、安全な水を確保することができます。

整水器

整水器は、水道水を電気分解することで、アルカリイオン水と酸性水の2種類の水を生成することができる装置です。

アルカリイオン水は、pH8.5～10.5のアルカリ性水です。胃腸の調子を整える、肌のpHバランスを整える、抗酸化作用があるなど、さまざまな健康効果が期待されています。

酸性水は、pH4～6の酸性水です。殺菌作用、消臭作用、肌のpHバランスを整えるなど、さまざまな効果が期待されています。

整水器は、水道水の安全性や健康性を高めるために有効な手段です。ただし、アルカリイオン水や酸性水の健康効果については、科学的な根拠が十分に示されていない部分もあります。

アルカリイオン水のメリット

• 胃腸の調子を整える

• 肌のpHバランスを整える

• 抗酸化作用がある

酸性水のメリット

• 殺菌作用がある

• 消臭作用がある

• 肌のpHバランスを整える

整水器を選ぶ際のポイント

• 生成する水の種類（アルカリイオン水、酸性水）

• 水のpH

• 価格

自分のライフスタイルや健康状態に合わせて、適切な整水器を選ぶことが大切です。

水素水

水素は、地球上最も豊富な元素の1つであり、人体にも必須の元素です。水素は、活性酸素の除去や、エネルギー代謝の促進、免疫力向上など、さまざまな健康効果が期待されています。

効能
水素水の効能は、主に以下の3つに分類されます。

• 活性酸素の除去

活性酸素は、体内の細胞を傷つける原因物質です。水素は、活性酸素と結合して酸化させ、その働きを抑制する作用があります。

• エネルギー代謝の促進

水素は、細胞のミトコンドリアでエネルギーを生成する際に、効率を高める作用があります。

• 免疫力向上

水素は、白血球の働きを活性化させて、免疫力を高める作用があります。

種類
水素水には、以下の2種類があります。

• 加圧水素水：水道水やミネラルウォーターに水素を加圧して溶解させた水

• 電気分解水素水：水道水やミネラルウォーターを電気分解して水素を生成させた水

問題点と最新研究
水素水の健康効果については、まだ十分に解明されていない部分もあります。また、水素は非常に軽いため、水に溶けにくいという問題もあります。

最新の研究では、水素水の健康効果に関するさまざまな研究が行われています。例えば、水素水を飲むことで、血液中の活性酸素量が減少し、運動時の疲労回復が早まるという研究結果が報告されています。

水素水の健康効果がさらに解明されれば、新たな健康食品や医薬品として普及する可能性もあります。

●発汗と水分補給

私たちの体は、熱を放散するために発汗します。発汗によって体内の水分やミネラルが失われるため、適切な水分補給が必要です。

夏バテ

夏バテとは、気温や湿度の高い夏に、疲労感や倦怠感、食欲不振、頭痛、めまい、不眠などの症状が現れる体調不良の総称です。

症状
夏バテの症状は、主に以下のとおりです。

• 疲労感や倦怠感

• 食欲不振

• 頭痛

• めまい

• 不眠

• イライラ

• 集中力低下

• 脱水症状

原因
夏バテの原因は、主に以下の2つです。

• 自律神経の乱れ

• 水分やミネラルの不足

暑さによる体温上昇を防ぐために、自律神経は交感神経が優位になり、汗をかいて体温を下げようとします。しかし、交感神経が常に優位な状態が続くと、自律神経のバランスが乱れ、疲労や倦怠感などの症状が現れます。

また、汗をかくと、水分やミネラルが失われやすくなります。水分やミネラルが不足すると、脱水症状や食欲不振などの症状が現れます。

メカニズム
夏バテのメカニズムは、以下のとおりです。

1. 暑さによる体温上昇

2. 交感神経の優位化

3. 自律神経のバランスの乱れ

4. 疲労や倦怠感などの症状の現れ

対処法
夏バテを予防・改善するためには、以下のことに気をつけましょう。

• 水分やミネラルの補給をこまめに行う

• 冷房の適切な使用

• 適度な運動

• 十分な睡眠

また、夏バテの症状が現れている場合は、無理をせずに休養をとりましょう。

発汗

発汗とは、皮膚から汗を出すことです。汗は、主に水分と塩分からなり、体温を下げる役割を担っています。

効果
発汗の主要な効果は、以下のとおりです。

• 体温調節：汗をかくことにより、体から熱が奪われて体温が下がります。

• 老廃物排泄：汗には、尿素や乳酸などの老廃物が溶け込んでいます。汗をかくことにより、これらの老廃物が体外に排泄されます。

• 水分補給：汗をかくと、水分やミネラルが失われてしまいます。汗をかいた後は、水分やミネラルをこまめに補給することが大切です。

種類
発汗には、以下の2種類があります。

• 正常発汗：暑さや運動などによって、体温が上昇したときに起こる発汗です。

• 異常発汗：体温上昇以外の原因によって起こる発汗です。病気や薬の副作用などが原因で起こることがあります。

熱中症

熱中症とは、暑さによって体温調節機能がうまく働かなくなり、体温が上昇して引き起こされる病気です。

分類
熱中症は、重症度によって以下の3つに分類されます。

• 熱中症（軽度）：めまい、頭痛、倦怠感、吐き気などの症状が現れます。

• 熱失神：意識を失う前に、立ちくらみやめまいなどの症状が現れます。

• 熱射病：意識障害、痙攣などの症状が現れ、死亡に至ることもあります。

予防
熱中症を予防するためには、以下のことに気をつけましょう。

• 水分と塩分の補給をこまめに行う

• 冷房や扇風機を適切に使用して、室内の温度を下げる

• 日差しを避ける

• 激しい運動は控える

水分摂取量
1日あたりの水分摂取量は、2リットル以上を目安にしましょう。水やお茶、スポーツドリンクなど、自分の好みに合わせて摂取しましょう。

温度
室内の温度は、28℃以下を目安にしましょう。直接風が当たらない場所で過ごしましょう。

飲水方法
こまめに少量ずつ水分を摂取しましょう。一度に大量に飲むと、体温が下がりにくくなります。

ポイント
熱中症は、誰でも起こり得る病気です。暑い時期は、以下のポイントを参考に、熱中症を予防しましょう。

• 体調を整えておきましょう。

• 水分と塩分の補給をこまめに行いましょう。

• 冷房や扇風機を適切に使用して、室内の温度を下げましょう。

• 日差しを避けましょう。

• 激しい運動は控えましょう。

また、熱中症の初期症状が現れた場合は、無理をせずに涼しい場所で休みましょう。そして、水分や塩分をこまめに補給しましょう。

●まとめ

水分は、私たちの生命活動に欠かせないものです。水分補給は、健康的な生活を送るために欠かせません。水分を選ぶ際には、味や価格、安全性などの基準を参考にするとよいでしょう。また、発汗量が多い場合は、水分と一緒にミネラルも補給するようにしましょう。