議論が苦手だ。
得手不得手で言えば得意ではある。ただ嫌いだ。

集団で何をするか決める時とかは別に嫌いじゃない。その場での正解らしいものをみんなで決めるのは悪くない気がする。方向性を決める必要がある。

どちらが正しいかの議論は嫌いだ。もし議論をすればどちらかが正しいだろうということになる。僕が正しいだろうとなったり、相手が正しいだろうとなったりする。だが、それと自分が正しいと思っているかどうかは全く別だ。全然違う問題だ。

違う問題が混同されている。負けた(あえて負けたと言うが)方は勝った方の、正しいだろう方の考えを採択すべきだ、従うべきだという空気も嫌いだ。たとえその場で負けても、間違っているとされても、それに従う必要なんてないはずである。周囲に間違っているとされても、自分が間違っていると納得する必要なんて本当はないのである。それとこれとは全く、徹頭徹尾違う問題なのに。

故に人と議論をするのを意識的にも無意識的にも避けている。自分の考えや気持ちを完全に人に伝えることは不可能だし、完全に発せられてもそれを完全な状態で受け取る事は不可能だ。

自分の考えに似た、自分の考えでないものを、人に好き勝手に解釈されて傷つけられるのには耐えられない。あまつさえ、それをもって自分の考えを評価される、不完全な状態で何か評価を下されるのには本当に我慢ができない。

だから議論をしないし、何が正しいかにも興味がない。結局は自分の中にしか物差しはない。自分がどこに物差しを動かしているかだけ分かっていればいい。そんな午前休です。