Nomura Keisuke

天邪鬼な品川区在住30才| 日本旅行→リクルート→スタートアップ→ゲストハウス開業準備…

Nomura Keisuke

天邪鬼な品川区在住30才| 日本旅行→リクルート→スタートアップ→ゲストハウス開業準備中| 好きなところに住み、日ごと夕日を眺める暮らしをしたい

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東京でチャリ 〜村上春樹の小説的生活〜

『都心でチャリ』の組み合わせが最強かもしれない。 東急目黒線沿いに住んでいるので、自由ヶ丘、中目黒、学芸大、恵比寿、がんばれば渋谷、代々木公園にも行ける。目黒通りへ行けば、オシャレ(で高価)な家具屋さんが並び、林試の森公園へ行けば手軽に自然が味わえる。 今日は目黒区民プールへ行ってきた。 昼下がりにプールへ行ってのんびり泳ぎ、おやつにジャズを聴きながらパスタを茹で、茹でている間に意味不明な電話を受け、食べ終わったら帰らぬ女か猫を探しに行けば、それはもう村上春樹ワールドの主

    • ゆっくり宣言

      日々が慌ただしい。 「忙しい」と言うにはプロフェッショナリズムが不足している。 仕事したり運動したり旅したり引越しにまつわるあれやこれやをしたりカラスについて考えたりInstagramの投稿を考えたり。スイッチがずっと「オン」になっているのだ。「慌ただしい」が正しい。 最近、人生を調整した。ゲストハウスの開業がやりたいことだと仮定し、そちらに時間を注げるようにしたのだ。いわゆる出世競争のレールというものからドロップアウトして、時を手にした。それなのにどうしてか、光陰矢の如し

      • カレーはうまいしか言えなくても(『やがて哀しき外国語』を読んで)

        資格を取りました。旅行サービス手配業務取扱管理者です。僕は日本旅行という会社で新卒から働いていたのですが、その時にしていた仕事を、これで個人でもできるようになりました。 資格を取るために10時から17時まで座って授業を受けて最後にテストをしました。20名ほどの受講生が都内のスタバくらいの机と椅子を一人一つ割り当てられて、ギリギリ通れるくらいの通路を挟んで小さな部屋にこもって一日中勉強していました。息が詰まりますし体は硬直しますし本当に疲れました。 そう考えると小学校から大学ま

        • サンタクロースの在り方について(『世界は贈与でできている』を読んで)

          文喫という理想的な空間を見つけた。良い出会いがあった。社会の見方をこんなふうに言語化できたら気持ちいいんだろうな、と思うような本であった。最近考えていたこととも繋がった。 「お金で買えない」の気持ち悪さ「お金で買えないもの」という表現がある。この言葉は、それ自体の意味は肯定されているのに「ない」という否定が入っている。犬のことを「猫でないもの」とは表現しない。結局何を指しているのかわからない正体不明さが気持ち悪さとして残る。 本書ではまずその正体から言及している。答えは「

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          一人旅をしない(長野について)

          かつてこだわりをもって好んでいた一人旅を全然しなくなった。人と分かち合えないマニアックなところにあまり行かなくなったのもあるし、非日常を味わうような目的を身近で済ませるようになったのもあるし、寂しくなって旅行に人を誘うようになったのもある。 僕は一人旅をすると全然外に出ない。アクティブに思われることがあるけどそんなことはない。旅の目的があって、それは食や宿や建物だったりするけれど、その目的さえ満たされればあとはもうなにもしない。なにかしていないと落ち着かないのでどちらかとい

          一人旅をしない(長野について)

          ドラマ映画の最高峰か(映画『PERFECT DAYS』を観て)

          観ていて左側だけ頭痛が起きた。 別に映画のせいではない。だからなに、ということでもない。事実として鑑賞中は頭が痛かった。 2時間ぶっとうしで集中することが、ここ最近はあまりなかったからかもしれない。 いまその頭痛が治まってきていて、同時に観ながら考えていたことも薄まってきているので、殴り書きかもしれないけれど残しておきたい。 おっさんの日常と、ただそうに終わらせることもできなくない。役所広司だから124分耐えたけど、そのへんの人をそれっぽく撮っても事故のような映像が出来上が

          ドラマ映画の最高峰か(映画『PERFECT DAYS』を観て)

          静かな世界

          1.5倍速のモーニングサテライトが流れるipad miniを抱えながら朝の準備をし、2倍速でvoicyを聴きつつマンガを読みながら通勤をし、テレビが流れる部屋で将棋をしながらストレッチをして1日を終えるのが日常だった。 そのどれもがあまり身についていない。 モーニングサテライトはそもそも1.5倍速で観て理解できる内容ではなく、朝の通勤時間はタイムスリップした感覚で、将棋は3年間1級に上がれず苦しんでいた。 「ながら」がよくないのは明白だった。 よく言えば合理的でわるく

          静かな世界

          2023年とは

          クリスマスの胃腸炎、年末の帰省、年始の挨拶とイベントを一通り終えてもう1月7日。30歳になった一年が終わった。2022年と2023年の境が曖昧で、だんだんと年ごとの区切りがつきにくくなってきていることに、居心地の悪さを感じる。そうあるべきじゃないと思っている。 1日に起きた能登半島沖の地震も、2日に起きた羽田空港の事故も、自分ごとに近く、以前よりも社会との関わりも増えてきた。 様々な面で「年齢」を実感する機会が出てきて、より一層、積み重ねを大切にしていきたいし、積み重ねたもの

          今年も欲に浸かりました

          11月27日の20時、突然、左の脇腹に激痛が走る。 ああ、ついに来たかと絶望する。 節制していたんだけどな、いやたまにモツ煮とかハツの焼き鳥とかビール一口とかやってたか、救いようがないね、とひとしきり後悔する。 東京浴場で身体を温める。 清水湯で湯治を試みる。 内科で尿検査とレントゲン検査をする。 整体で骨盤矯正をする。 湿布を貼ってたくさん寝る。 必死になって手を打つが、どこにいってもなにをしても特に良くはならず、今年は本当に身体の不調が続くなと諦念を持つ。 しかし

          今年も欲に浸かりました

          人生哲学を問われる(映画『NOMADLAND』を観て)

          うっかりすると忘れてしまうけれど、人は孤独であり、最後は一人で死んでいく。 リーマンショックの影響で、60歳にして夫と土地をなくし、広大なアメリカの自然の中をバンと季節労働で生きていく女性の話である。 映像がよく、アメリカの文化、思考、環境を自然体に理解できる、気がする。人間側の許容幅も、自然側の過酷さも日本とは違うなと思う。生活する環境のスケールの大きさは、そのまま器の大きさに比例するのかもしれない。 一方で、人である以上はどこまでいっても悩みのタネは変わらないことも

          人生哲学を問われる(映画『NOMADLAND』を観て)

          小宇宙、下諏訪

          下諏訪に、マスヤゲストハウスという宿がある。ゲストハウス界隈で有名な宿である。 この度、積年の夢が叶い一泊できた。 大袈裟な話だが、「特急あずさは高い」という妄想が作り出した壁により、マスヤゲストハウスは長い間、僕を遠ざけていた。 フタを開けてみればそんなことはなかったわけだけど。 下諏訪駅からマスヤゲストハウスへは徒歩で5分ほどだが、その道中から既に「下諏訪」というエリアの特異性を感じることができた。 日本の田舎を代表するような駅舎とそこから伸びる道には既視感を覚えるが

          小宇宙、下諏訪

          年末と顎

          11月は時が過ぎるのが早い。加速しているようにも思える。 なにもできていないような気がして焦る。 年末は残酷だ。 なにをやってきたか、振り返ってみる。 すると、やってきたことが決して無駄じゃないと言い切れなくもないけど、それがなにに繋がっていきそうかという問いにすんなりと答えられないことに気付く。 なりたい姿を整理してみても、(社会人として)やるべきことや(男として)目指した方が良さそうな方向性に引っ張られて、結局ウダウダとしている。 全方面の願いが叶えられるんじゃ

          睡眠薬

          2023年に入ってから夜中の3時に目が覚めるようになった。 月1だった頻度が週1に高まってきている。 4時には再入眠できていたものが今朝はついに8時まで眠れなかった。 3時に覚醒した瞬間に、これはもうダメだ、と直感する。 不安か加齢か。 現職と転職と宿事業とカラスと4つのことがかわるがわる顔を出してきては思考を促し休む暇がない。 羽毛布団から肩を出したり足を出したりするが寒いのか暑いのかもわからなくなってくる。 ブルーライトは脳によくないらしいけど暇すぎてSNSを見ては

          カラスと僕の夢

          カラスの魅力を全世界へ届けたい。 僕が考えるカラスの魅力を書きました。 夢僕には夢があります。カラスが市民権を得た世界の実現です。 人類のカラスに対する理解が深まり「なんとなく怖い」や「とりあえず嫌い」がなくなるといいなと思っています。 カラスを見て楽しめる人が増えれば、もっといいと思っています。 そうすると人生も、いまよりきっと豊かになります。 カラスが市民権を得た世界では、フクロウやペンギンを模した商品が棚に並ぶように、カラスのグッズが置かれているでしょう。最近でいえ

          カラスと僕の夢

          ひとであり

          ひとでなし、と言われた。 思い当たる節はある。 強い疲労を感じる。ずっと眠い。 思い通りにいかなければイライラするが、思い通りにいってもつまらないと思う。 手に入れたと思えばまた求めることの繰り返しで、欲に限りがない。 なにを求めているかわかっていないし、本当にほしいものはもう手に入っているのかもしれない。 一人旅に出かけたい。立ち止まって一人で考えたい。 と思いつつ、気がつけば誰かといる。 孤独や退屈とずいぶん離れてしまった。 モヤモヤしていることを言語化される

          ひとであり

          『街とその不確かな壁』(村上春樹)を読んで②

          なんて書きながらの2稿目。 前の記事で書いた「自意識との向き合い」は村上春樹的物語の特徴である。自己の内面世界との向き合い、そして他者の内面世界との地下での接続。そういう構造。 今回の主人公「僕」は、少年時代のある少女とのやりとりからその内面世界に囚われてしまい、青年期壮年期と、その少女への憧れや精神的依存が継続した。そこに生じる苦しみなり癒しなりエスケープなり没入なりが「自意識との向き合い」である。 ここまでは目新しい流れではなく、今回特徴的なのは、40年間?も「継続

          『街とその不確かな壁』(村上春樹)を読んで②