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優秀なピアニストの脳は細胞数増強されるも、イノベーションに天才は不要とノーベル賞受賞者田中耕一博士は語る

 「天才脳って?」という類の野次馬記事やTV番組は、暗黙の前提として、「彼らはハードウェアのレベルで皆さんと違うんだから、皆さんは努力なんかしても無駄ですよ、努力しなくて良いんですよ」と語りかけているようで、要注意だと思います。例えば:

 もって生まれた素質というより、そんな活動をして、脳に高負荷をかけているときの状態が違うだけ、という解釈のほうがもっともらしく感じます。DNAより多くの情報量で形質、特質、性格などを詳細に発現させることがわかってきたエピジェネティクスにより、後天的に獲得した形質が、遺伝的に引き継がれるようなこともわかってきています。努力が報われないというのはあり得ない前提、あきらめであり、怠惰の言い訳に過ぎないのではないでしょうか。

 幼少期ながら後天的にピアニストになるトレーニングを受けた人の小脳は一般人より50億個、5%も細胞数が多いという研究結果もあります:
http://vitaminq.hatenablog.com/entry/2017/06/25/230939

他にも様々な、正確な動作を支える脳の構造変化があるようです:

https://blog.goo.ne.jp/andante-dandanto/e/a73856b3d554a5e68932c3e00d8ba705

 ビジネス、産業レベルでの大成功、革命的な偉業となると、作曲や数学物理の天才と違って、もっと普通の脳が、うまく他者、異分野とコミュニケーションすることにより大きな成果に結びつく。なおさらあきらめてはいけない。それを、誰もが認める天才とみなされている、科学分野のノーベル賞受賞者が語っています。

この田中耕一博士の言葉に耳を傾け、謙虚にひたむきに努力する人が増えれば、日本も再浮上してくるのではないかと思えます。


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