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4ヵ月ぶり3度目のSR600紀伊山地

2017年の5月に四国山脈を走ったのが初めてのSR600だった。その後も夏、秋とSR600を楽しんできたが、春先の出走は今回が初めて。ここ2年でグッとコースが増えた日本のSR600だが、紀伊山地は自宅から1時間ほどでスタート地点にアクセスできるという点で秀逸。しかも龍神スカイラインが開通するのも早く3月25日の午前7時から通行可能だ。という事で今年1つ目のSR600はこれに決まった

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今回は天気は概ね良好。2日目に少し雨雲がかかるかもしれないが、龍神温泉には夕方に到着すればさほど気にしなくても良いだろう。泥除け、サドルバッグなしの軽量装備でまとめた。

今回の相棒は今年から乗り始めたWILIERのZERO SLという軽量モデル。ディスクブレーキ対応のカーボンフレームに50mmハイトのカーボンホイール。イマドキな感じの自転車だ。方や昨年の秋に完走した時の自転車はクロモリフレームに手組のアルミホイール。季節こそ違うものの、同じコースで宿泊予定の場所も同じなので、機材の新旧の違いを実感するにはもってこいの機会だ。

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昨秋に紅葉の中で走ったSR600KW。ちょうど季節は反転して今回は桜が主役だ。

一般的にはロングライドやブルベには剛性感のある機材は不向きとされているが、剛性の高さは入力した力のロスの少なさに繋がるので、基本的には剛性感を重視した機材で走りたいと思っている。ただし、今回のバイクの剛性は今まで乗ってきた中でも飛び切りで、最初に乗った時はダンシングをすると身体が吹っ飛びそうに感じたくらいだ。(というと大げさか?)さすがに3ヶ月も乗ると慣れはしたが、タイヤはしなやかさと乗り心地を重視して700×28CのビットリアCORSAを選択した。

予報通り1日目は天気良好。満開までもう一息という感じだったが、花見は十分に楽しめた。SR600の面白いのは、同じコースでもスタートする季節や時間が異なるだけで目にする景色がガラッと変わるところだ。去年の秋はどうだったかなと考えながら走り、昨年比で1時間ほど早く1日目の走行を終えて予約していた宿がある新宮に到着した。

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今年の桜の開花は早かった。あと1週間出走が遅かったらお花見の観光客で足止めをくらっていたかも。

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ここに来たのはこれで4回目。棚田を目にしたのは初めてだ。街灯なんて全くない場所なので、こんな景色だったのか!と少し驚いた。

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コース沿いにある新宮のすきやで晩御飯。ここからホテルまで200mで目の前にはファミリーマートがある。しかも洗濯機乾燥機が無料で使えるときたらSR600KW専用か?と思わずにはいられない(笑)

2日目は雨予報だった。昼過ぎに恐らく玉置山を過ぎたあたりで雨に降られるか?と予想しながら少し予定より遅く5時半にホテルを出発。そして出発してから那智に上り始めたころから早くもポツポツと雨が降り出した。雨の降り始めが早かったので気温もあがらず。10度までいくかどうかがずっと続くので、上りはともかく下りの冷えが体に堪える。

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2日目最初のPC。ここで雨は早くも本降りに。泥除けを持って来なかった事を後悔した。とは言うものの、雨が降る事は想定していたので、VELOTOZEのシューズカバー、グローブ、モンベルのバーサライトジャケットで何とか凌ぐことができた。

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色川を抜けた後の集落。ほとんど真っ白で何も見えない。それでも車はやって来るので日中も前後ライトを点灯して安全確保。

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世界遺産の絶景は今回は真っ白で何も見えず。自分以外に写真撮影をしている人は当然いない

夕方になってようやく雨が止んだ。結果的に7時間も雨の中を走る事になってしまった。雨の中の走行で辛いのは、身体が濡れることよりも、飲食店に入りづらくなるのと、機材へのダメージだ。今回は昼時に温泉がある観光地を通過したが、濡れネズミ状態では迷惑なので泣く泣くスルー。また、2灯装備していたフロントライトのうち1つが浸水してスイッチが効かなくなってしまった。

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雨があがるとようやく景色を楽しむくらいに余裕がでてきた。龍神温泉まであともう少し

心と財布にダメージを負いながらも、2日目も昨年より1時間ほど早いペースで龍神へ到着。この日の宿は湯治客向けの宿泊施設なので食事は自分で用意しなければならない。さらに付け加えると、翌朝はごまさんの売店が開いていないので、野迫川を経由して高野山にたどり着くまでは補給場所が存在しない。という事で直前のスーパーで食料を買い込む必要があるが、ここの閉店が19時なので時間通りにたどり着けないと、結果的にゲームオーバーになる可能性がある。

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龍神温泉から10kmほど手前にあるスーパー、「ふれあいマートあだち」。惣菜に乾物、食材や鍋セットなどもあるので、次は龍神温泉で自炊するのもありかな?

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ちなみに今回の晩御飯はこんな不思議なメニューに。翌日の午前中の補給食は柿ピーでした。

3日目は少しゆっくり休んで7時に宿を出る事にした。1日目、2日目と、クロモリフレームで走った半年前に比べて1時間以上早いペースだったが、その分身体にかかる負担は大きかったのだろうか?心なしか足腰のダルさを感じながらのスタートになった。ある程度予想していたので11-28Tを装備して出走したが、もっと軽いギアでも良かったかもしれない。クロモリフレームでは11-25Tで気持ちよく走れるんだけどな...。この辺りがフレームの剛性、特質が自転車の進ませ方に与える影響なのだろうな。

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チェーンオイルはワコーズのチェーンルブリキッドエクストリームを使用した。しっかりと塗布できていれば、多少の雨に降られてもオイル切れを起こす事が無い。実際に今回もゴールするまで注油や掃除はしなかったが、チェーンから軋むような音は一切聞こえなかった。

高野山を下った後は海側の風が強く、終始向かい風にさらされる。宿泊で20時間以上時間を消費しているが、制限時間は60時間あるので焦らずのんびりとゴールへ向かう事に。翌週には今年から開催が始まった、SR600阿蘇に出走するので、極力身体へのダメージを少なく、夜はしっかり眠って健康的?なブルベにするのが今回の裏テーマだ。

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最終日は20度越えの予報だったので暑さ対策が心配だったが、強風のお陰でそれほど苦労する事は無かった。

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完走した後は、スポーツバーgrupettoでいつもの回復ごはん。ゴールしてから紀州路快速1本でgrupettoにたどり着けるのもこのコースの魅力。

結果的に危なげなく、しっかり宿に泊まって59時間ほど時間をかけて3回目のSR600KWを完走する事ができた。翌週は今年からスタートしたSR600阿蘇に出走する。今回の経験で剛性の高い機材、カーボンディープリムでもロングライドは十分にこなせる事が確認できた。初めて走るコースではどんな印象になるか楽しみだ。

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ちなみに今回テンションがあがった瞬間は、ごまさんでカモシカを見たのと、スタート前でK川さんに遭遇した時でした。

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