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SR600西日本

またまた近畿にSR600のコースが増えた。今度は姫路スタートのSR600だ。コース設計者は神戸GFシリーズをリリースする難コースのアーティストK山さん。姫路スタートなので、現地への移動は楽ちん。仕事が終わってから新快速で姫路へ移動して、23時にはベッドでお休み。大阪市内在住の自分には願ってもない、いつでも行けそうなお手軽さが魅力だが、果たしてコースの方はお手軽なのか?

4月中旬に解禁される予定だった本コース、私はある程度先行者が走り終わった後のレポートを参考に9月に出走しようかな、と考えていたが、コロナ禍という運命の巡りあわせで9月の連休を1~3日でとっていたので、本コースの第一出走者になってしまった(;'∀')

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PC1のコンビニが見つからずに30分ほどロスしてスタート。まだまだ暑さは厳しい。今回は2Lのハイドレーションを装備して水分補給を念入りに。

スタートしてから最初に目指す方向は砥峰高原。観光名所でもあるので、国道に「砥峰高原はこちら!」と書いている看板が目に付くが、SR600のコースはそれらを一切無視して、「冬季通行止め」とか、「野生動物注意」とか物騒な事が書かれた標識が掲げられた道を行く。平日ではあったが、林業関係の車の往来があり、意外にも人に出くわす。とちゅうで作業中の方に、「段ヶ峰かー?」と声を掛けられる。正直、こういう場合の返答が困る。これからよくわからない山中をウロウロする訳で「行ってきまーす」という謎の?返事でごまかす。

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PC3この時点で水分は3L消費。だ、だれか水をおくれ…。「水が欲しければ井戸を掘れ」というセリフが頭の中に響く。いったいなんのセリフだったのか?

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昨年の神戸GFのPCでもあった場所。当日は通行止めで9号線に迂回したんだっけなぁ。

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ここも神戸GFの通過チェックだった場所。前回は日が暮れてから到着して、直前にパンクしていたので、千年水を味わう余裕はなかった。今回はちょうど水分が切れていたので、ここで補給。100円で20Lの超ハイコストパフォーマンス!

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何とか日が暮れる前に棚田へ到着。夕暮れのベストショットを撮影しようとカメラを抱えた人が何人も。

PC4辺りで鈍感な私もいよいよ気づくのだが、このコースって今までK山さんが作って来たコースのいいとこどり。GFシリーズがパンチのあるヒット作としたら、このSR600はベスト盤だな。足に覚えのあるランドヌール、ランドヌーズの皆さん、K山さんの世界観を味わい尽くせ(笑)

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気持ちの良いダウンヒルで油断して、思いっきりオーバーランしてから戻ったPC7

鳥取県に入ったらすぐに始まる気持ちの良いダウンヒル。ルートの隅っこにあるPCを見落として、もう一度えっちらおっちら上る。名水らしいけど、苦い記憶しか残っていないぞ。そう言えば、AJ岡山のS田さんのコースでもこの氷山命水へのコメントがあったような?そう、後半には辰巳峠もあるし、このコースの半分はAJ岡山へのリスペクトで出来ている。K山さんとS田さんのコラボ。命の危険しか感じない(笑)

ちなみに、若桜まで出ると直ぐに扇ノ山への登坂が始まるのだが、少しコースを逸れたところにローソンがあり。今回はこちらで晩御飯を食べてからコースに復帰した。ここの補給がなければ、スタートから250km以上コンビニ無しで走らないといけないので、時間帯によってはかなり苦しい戦いを強いられる。深夜の扇ノ山アタックに万全の態勢を整えて出撃だ。

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日が暮れた後の山の中なんて、文明的な暮らしに慣らされた人間が入り込む場所ではない。今回出くわした野生動物は、熊だけはご勘弁をと思っていたが、出るわ出るわ。イノシシ、ウサギ、キツネ、タヌキ、リス、鹿は20頭以上目にしたかな。ただ、野生の世界を前に、こちらも街の中では秘めていた?力が解放されていく気がする。落石や枯れ枝など真っ暗闇の中で、良いとは言えない路面状況を異常なまでの集中力で難なくクリアー。PC8へ到着したのは午前1時頃。

ほっと一息つく間もなく、鳥取砂丘へ向かうが、先ほどの集中力の代償は眠気。下っている最中に眠気を感じたので、思いきってアスファルトに転がると、日中の気温のせいかほんのり暖かい。しかも綺麗な星空に月光に照らされた高原は異世界じみた景色が広がる。後から記録を見ると1時間くらい眠っていたらしい…。

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危険な夜が明けて、無事に人間がいる世界へ帰還。二日目の始まり。

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PC10三徳山の投入堂で前半戦が終了。ブライトンの気圧計による累積標高は6500m、公式のRWGPSで6700m。珍しくだいたい合っている。

二日目のターゲットは大山だ。大山はここ数年、ツーリングやブルベで毎年訪れていたので、特に目新しいポイントはなし。しいて言うなら、PCに指定されていた桝水原の標識が無くなっていた。なんとなくこの辺にあったかな?というポイントを何度か行き来して探してみるも見当たらず。それらしい別のポイントで写真撮影して大山を後にする。

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本当はこの反対側に標識があったような?疲れて見落としたかな?と思いながら、あたりを3往復して探すが、急に突風が吹き始めてもうこれでいいや、と断念。結局標識は撤去されていたようだ。

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ブルベ中の投宿は苦手で、大概の場合は道の駅や駅舎のベンチで休憩するだけで夜通し走る事が多い。慌ただしく宿に入って、変な時間に出発はどうもいやだなぁと。どうせ宿をとるならゆっくりと過ごしたい。今回は二日目だけ宿をとて、しっかり休んでから万全の態勢で最終日を迎える計画だ。宿に選んだのは大山から蒜山高原に下って、コース脇にある旅館「むさしや」さん。この辺りはサイクリングでの観光誘致に熱心なのか、サイクリングラックを設置している店舗が目立つ。(稼働しているかどうかは怪しいが...)このお宿でも自転車で来たことが分かると、館主が玄関にサイクリングラックを用意してくれた。姫路からやってきて、翌朝は4時には出発する旨を伝えると、「制限時間のあるサイクリングなんですよね?」と言われた。どうやら岡山か広島のブルベで利用した参加者がいたのだろう。去年利用したサイクリストは3時間くらいの滞在で飛び起きて出て行ったそうだ。晩御飯は旅館のすぐ隣にある食堂で、蒜山そばとジンギスカン。ここまで補給食ばかりだったので、久しぶりにお腹も心も満たされて人権を取り戻す。食事中に館主にお願いしていた洗濯も終わっていた。年季の入っ建物だったが、お風呂や部屋は清潔感があり、親切な館主で次に蒜山に行くときも利用したい。

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蒜山にきたら、蒜山そばは欠かせない。全体的に茶色い食事。

最終日は早朝のスタート。蒜山高原は、朝晩は雨が降りやすく、風も強い事が多い。特に今回は台風が接近していた事もあってか、南東からの猛烈な風に下り坂でも20kmがやっと。PC13までの区間は時間が稼げるボーナス区間のはずが、上手くいかないものだ。下ハンドルを握って耐えるしかない。で、ようやくたどり着いたPC13までの登坂、見慣れた看板が道の先に見えるが・・・。

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このコースの走者は私が初めてなので、何かあるかも?と思っていたが、これは困ったぞ。早朝ではあったが、ひとまず連絡のつく主催関係者にメッセージで内容を報告。コース設計者は翌日にスタートするらしく、SNSを見ていると、どうやら和私の後ろにオンコースの参加者もいるらしい。とりあえず迂回ルートの設定を提案して、現地で地図を見ながらルートを探る。南側の大きな県道が安全ではあるが、PC13へ向かうには距離がかなり伸びそうだ。北側の県道283から津黒高原へもアクセスできるが通行止め区間を避けれているかは不明。ひとまずこのルートが最短ぽいので、行ってみる事に。

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国道482から県道283に向かうと通行止めが迂回できます。無駄な登坂が一つ追加になりますが、それも味です(笑)

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苔が蒸した味わい深い狭隘路を抜けると、見事に通行止め区間の先に抜ける事ができた。なんだか無駄な上りを一つ増やしてしまった気がするが、個人的にはこちらの道も好き。と、いうところで今回は撤退。当初の予定では最終日は16時にはゴールして20時には帰宅するつもりだったのだ。ランドヌール部門の認定の制限時間は20時までだったので、粘り強く走っても良かったけれど、ホルモンうどんの誘惑に勝てませんでした。じゃなくて、イレギュラーがあっても予定通り走れる走力が足りなかったな。次回は来年の春に桜が見れる頃に完走を目指して出走しよう。

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リタイアしたけれど、姫路までは自走で帰還。佐用町に寄ったらホルモンうどんは食べざるを得ない。

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タイヤは7月に発売されたMASSA T2801を使用。小石のめり込みやサイドカット未満の亀裂が多数。コースの難易度に関わらず、SR600は機材へのダメージが大きい。(俺の乗り方が悪いだけか?)それでも今回パンクもなく安心して走れたのはこのタイヤのおかげかな。タイヤの詳しい感想はお店のウェブサイトで確認してね。


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