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BRM427神戸300km Granfondo Stage.2

ブルベの総合商社、オダックス近畿のブルベはバラエティに富んでいる。その中でも峠を嫌というほど盛り込んだ神戸発のGranfondはシリーズ異彩を放っている。今回参加した300kmのブルベでは、獲得標高が5,700m、道中には酷道429(シニク)で知られる青垣峠など悪路も含まれているようである。今回は5月末に予定しているSR600に向けての調整も兼ねて、自宅からスタート・ゴール地点までの往復は自走で参加。午前4時半に自宅を出発して、24時頃に完走、午前4時までには帰宅するのが目標だ。300㎞までのブルベの場合は、休日は1日のみで翌日はいつも通り出勤しなければならない。前回の神戸スタートのBRM321では痛恨の寝坊DNSをメイクしてしまったが、今回は予定通り。早朝の幹線道路をスイスイとスタート地点まで1時間半。

前夜は雨が降っていたので、簡易ではあるが前後ともフェンダーを装備。これが後で思わぬ効果を生む事に。

当日の天気は晴れ予報。今まで参加した神戸発のブルベは台風直撃や濃霧の発生など散々な目に遭っているが、今回は完全に晴れ予報。これは何としてでも完走しなければならない。 神戸発の特徴は初っ端に訪れる再度山公園のせいで、借金スタートが名物。その後の下りでタイムは挽回できるものの、走行中にアベレージが15kmを切るのは精神衛生上よろしくないのである。ブリーフィングで冷えた体を暖めるように丁寧に最初の上り坂をクリアしていく。今日の調子は可もなく不可もなく。 PC1を通過して、徐々に朝来へ向かうと予想以上の北風にこの先が思いやられる。この時点で予定していた24時ゴールは諦めて、とにかく翌日に疲れを残さないダメージの少ない走法を心がける。しかし、改めて兵庫県は広い。瀬戸内海側と日本海側では別世界だ。気候はもとより街の雰囲気や人柄までも...。山の中へ入っていくと、徐々に雨雲が進行方向に見えてくる。「晴れ予報だったのに…」この日の参加者はみなそう心の中で呟いたのではないだろうか?しぶしぶ雨宿りをして撥水のウィンドブレーカーに着替える。

天気さえよければ、天気さえ・・・

今回ラッキーだったのは、ウィンドブレーカーの撥水が効いてくれたのと、前夜の雨で山間部がウェットな路面かもしれないので、前後のフェンダーを装備していた事。雨対策のキモはクツとケツは守れ!である。しかし、今回の天気予報の外れっぷりは凄まじく、黒川ダム付近では、ヘルメットからカチカチという音が聞こえだす。最初は車輪が巻き上げた砂がフレームに当たっているのかと思いきや、空から降ってくる粒粒が…。雹である。ここまで来ると笑うしかない。ダムサイトはサイクリングに写真撮影に大好物のスポットではあるが、心が蝕まれてしまい全く余裕なし。というか、今回用意していた防寒対策はウィンドブレーカーと軽量ベストの2点のみ。砥峰を過ぎたあたりで気温は2度付近を指している。もちろん、夕方のこの時点で防寒着は全て投入済み。最後に待ち受ける深夜の六甲山頂をクリアーするには、何かプラスαの装備を調達しなければならない。

昼下がりの砥峰高原。到着する直前まで霙が降っていたらしい。壮観な景色だが、まともに晴れた日に訪れた事は一度もない。

中盤の林道では何度か眠気に襲われたが、他の参加者と会話をしたりして何とか意識を保ちながら高原を下る。幸い南下するにつれて天気は回復、路面も乾いている。もしかして、雨に降られたのはブルベ中の俺たちだけ…?市街地にあるPCを抜けて予定通り有馬の最終PCへ。六甲山頂の気温は0度か氷点下か、ここで最終兵器となるアイテムを血眼で物色。過去には新聞紙やサランラップを購入した事もあるが、いずれもその場しのぎの使い捨て。今回は帰宅してからでも有用なものを、という事でふかふかのバスタオル、君に決めた。PCから裏六甲を上ったらショートカットできるのでは?と疑問を感じながら、ハニー坂をエッチラオッチラ上る。一軒茶屋でバスタオルを腹巻風に巻いて下りの防寒対策はバッチリ。平成最後の?夜景を見るためか、若者で溢れる掬星台での冷たい視線も物ともせずにゴールへ一直線。結果は17時間50分ほどかかってしまったが、腹巻のおかげで無事に自走で帰宅する事ができた。
次の神戸発ブルベはBRM622の400㎞だ。コースはもとより、天候も一筋縄ではいかないだろう。次回は前泊も準備したので、万全の態勢でコースを制圧したいところであるが...。

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