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ADHDと日中過度の眠気の関係

こんにちは。早速気になった論文をサックリ紹介します。日本の研究で多くの方を対象に調査している論文です。最後に睡眠障害の自己診断が行えるサイトリンクを載せます。朝型夜型など調べてみるのも面白いと思います。

タイトル

成人におけるADHDの可能性がある人の日中の過度の眠気:
web横断的な研究
Excessive daytime sleepiness in adults with possible attention deficit/hyperactivity disorder (ADHD): 
a web-based cross-sectional study
(太字は私の加工です)
webページはこちら⇒http://dx.doi.org/10.1016/j.sleep.2016.04.008

結論として、成人のADHDと疑われる人と日中の過度の眠気は関連があるらしい。

背景

これまで覚醒不全はADHDのメカニズムに関連があると考えられていたけど、なかなか調査されなかったので調べたって感じですね。この研究では成人におけるADHDを持つ人と日中の過度の眠気が関連しているか調べています。
日中の過度の眠気(excessive daytime sleepiness; EDS)とは、日中にどうしても眠くなる、意識がとんでしまうことを示すようです。

調査方法

20歳から69歳を対象に、楽天の調査会社(Rakuten Research Inc.)のwebアンケートをおこなったようです。そこでは約230万人の会員がいて、1万人から完全解答をゲットした。そのうち9822人の回答を解析したそうです。様々な質問項目がありますがいくつかあげます。
1.ADHD症状チェックリスト(ASRS)
2.自閉症スペクトラム指数(AQ)
3.日中の眠気の調査(JESS)
4.睡眠の質の調査(PSQI)

まず、1のADHD症状チェックリストの結果からADHDと疑われる人とそうでない人に分けます。次に日中の眠気(JESS)のスコアを調べていきます。この時に体重や伸長、喫煙の有無や睡眠習慣などは個人によって違うので、そこのところをいい具合に調整してから解析しています(いくつかのモデルを組み立てて関係性を調べる階層的ロジスティックス回帰ってのをつかっています)。

解析結果から

筆者は以下の事を報告しています。
1.成人のADHDと疑われる人は日中の過度の眠気(EDS)と夜間睡眠障害が存在する
2.ADHD特性のうち、特に不注意とEDSに相関があった。この事より不注意メカニズムとEDSの関連があるかもしれない。


筆者らも触れているlimitationを見ていきましょう

私が論文を読んだ時に「お!楽天だ!アンケートでお金稼げるやつかな」っと思いました。ゲスいですね、自分。さてアンケート調査のバイトはやったことがありませんが、論文内の数字に着目します。

有効回答数に着目
230万人の会員を抱える楽天調査会社からの回答数が9822人(0.42%)。年齢の制限(20-69歳)の影響もあるでしょう。Webアンケート形式で回答していくのですが…私の調べた感じだと、これ全部回答するのにむっちゃ時間かかると思うんですね(試しに私も質問票を探して回答してみました)。という事は、お金のためだけでなく、発達障害や睡眠障害に興味のある人が最後まで頑張って回答する割合が多いのかな…っとおもいます。

論文タイトルに着目
“(前半略)in adult with possible ADHD”
成人期ADHDかもしれない とふんわり言っています。今回、ADHDかもしれない人の判断はチェックリストで一定のスコア以上の人と区切っています(実際ADHDと判断する基準とは…と議論があります)。自分でアンケートに答えてスコア分けされるので、客観的か主観的かと聞かれれば主観的なんですよ。

もしあなたが、「発達障害と睡眠障害の研究に協力してください」なんて言われた後に、アンケート渡されると少し考えて回答しちゃいますよね?
また、実際の臨床的な手法でADHDとTD(定型発達)で分けようなんてことをすると…プライバシー、マンパワー、時間、お金、などなど多くの問題が発生します。フワっとした定義でやっていくけど、それを補う感じで回答数を増やしてやっていくのがweb調査を利用していくスタンスなのかな?


睡眠について調べてみよう

個人的に改めで睡眠について興味が出たのでこちらを紹介。
国立精神・神経医療研究センターが運営している“睡眠医療プラットフォーム

色々な簡易診断ができるので面白いかなと思います。これは自己回答形式なので、この診断結果が100%正確であることはありません。HPでも書いてありますが、専門の先生に診てもらうことが一番よいですね。

睡眠のチェックサイト
睡眠障害セルフチェック
朝方夜型判定
睡眠の質の調査(PSQI
 ┗これは今回紹介した論文でも用いられているものです。

感想

ADHDの良く知られているイメージとしては、多動性と不注意だと思います。また、併発障害でうつなどに苦しんでいる方もいると思います。ですが、睡眠障害;特に日中の過度の眠気(EDS)は知られていないかなと思い、選びました。
成人のADHD(いわゆる大人の発達障害)の研究はまだまだこれからな気がします。同時に、子供のADHDと睡眠障害でも同様の結果が出るのか気になるところです。もしかしたら、早い段階で自分の特性を把握することで、成人期以前と以後の対策や理解を促すことができるかもしれません。
私はまだまだ勉強中なので睡眠障害や睡眠について理解を進めなければ!と思います。近年、睡眠と健康が注目されてきましたね。Sleep misterとかアプリもあるし、Sleep techなんて言葉もありますね。働く人のストレスの見える化なんて言う言葉も流行ってきました。

おわりに

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。読みにくかったと思います。読んでいて飽きない文章を書いていくことは難しいですね。もっとサックリ簡単に、自分の意見チョイ追加でやっていきたいです。

間違いなどがあれば指摘してください。できるだけ早く対応します。

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