一億円
正確には一億二千万円を調達しました。私が経営している会社で賠償やら返却やらに使う為、全く手元に残らないどころか、私の貯金XXXXXXXX円がパアです。300000円になりました。
これからも交渉をしまくらなければ、追加で金が必要になるでしょう。七月は休日無し。うんざりだ!
ところで、本日の昼、一瞬だけ、現金化された一億円をリュックで運ぶ場面がありました。小分けに区切られた紙袋で覆われていたとはいえ、リュック二つに札束がパンパン一歩手前まで詰まっており、流石に重かったです。社員を呼ぶ手もあったのですが、休日ですし、念には念を入れて、老いた母と運搬しました。
明日の夕方には完全にこれらの金も口座へ預けられたり振り込まれたりするので、物理的には家から消えます。
(会社ではなく、念の為、私の家に持ってきました。2600万円は別件で、直接、或る取引先の専務へ渡してきました。何を隠そう、電話で怒鳴っていた相手です。誤解の無いよう申し上げておりますが、我々の業界とて、いつも怒鳴りっぱなしではありません。寧ろ、仕事の話なんてものは落ち着いていないと出来ない筈です。語気が強くなることはお互いありますが、先方も私も、冷静に問題点を指摘し合い、これからの〝落としどころ〟へ向けて協力して歩むよう約束してきました。……冷静、というのは若干、嘘ですが。)
まあ、何はともあれ、今月、来月での倒産は回避した──と思います。今月ある五回程度の大交渉が、全て上手く行けば、ですが……。
大きなお金は気持ち悪いですね。
一億円は流石に初めて持ちました。一億円を両手に持った時、特にウハウハではありませんでした。自分の金ではないどころか、返さなければならない金が殆どなので当然ですが、何というか……やはり、〝逃げ切る〟なんてのは無理ですよ。
本日、軽トラックにのって、助手席に一億円を積み、母を岐阜県へ残して一生中部地方に帰ってこない手もあるにはありましたが、まあ……策を練り、策を練り、策を練っても成功しないのが悪事です。
(ここだけの話、多少は成功させてきましたが。)
鬱陶しいことに、働かねばなりません。昼下がり、さっきの2600万円の打合せの後に、あろうことか肉体労働をしました。他社への案件で納期が迫っているので仕方ありません。日曜とは何だったのか。そんで、熱中症だか何だか知りませんが、吐きました。作業は中止、社員の皆様にも早めに帰ってもらいました。御迷惑をお掛けしました。
働かねばなりません。
働かねばなりません。
本当の意味で、働かねばなりません。
働かねば生きてゆけません。
働きたくない。
六根清浄。
何にせよ、明日から七月です。正確には六月三十三日ですが。
六月は六十五日まであるので。
非おむろ ── 石見 透
(2023/06/32)
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