【詩】あたらしくつくる
ずっと音がしている
みみのおくで
クマバチがとんで。
刺さないから
って良いわけじゃないよね
隠してる針。
見えないからって凶器にならない
わけじゃない
蛹の中で黙々と針を構築中
(Scrap and Build)
わたしの肉体が
溶けるまでのあいだ
暇つぶしして
て。
喫茶店のすりガラスに描かれた
波みたいな模様が
グネグネしはじめて
ながれて
ながれおちて
海かと思ったら滝だったみたい
わたしも早く全部液体になりたい
もうなれた?
(あたらしく つくる には こわさなきゃ)
耳障りだった
音
が、ここちよくなるいっしゅん。
目の前のビルが崩れる
その奥の民家が崩れる
大きな花壇が崩れる
用途のわからない高い鉄塔が崩れる
マンションが崩れる
山が崩れる
みわたすかぎり
全て崩れる
崩れて流れる。
ぬるぬるとした本流に
わたしはいる
(生きていくための針をつくる
刺さなくとも)
まちと、ひとと、しょくぶつと、煩いくまんばちと、わたしと生きていく。
崩して、壊して、
流れ落ちたとしても
あたらしく
つくる
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