ブラジルでは日本人、日本ではブラジル人
30年以上に生涯を歩んできました。
この人生の中で、個人的な課題の一つはアイデンティティです。
私はブラジル国籍ですが、日本のルーツを持っているため、周囲からさまざまなことを言われ、何度も「私は一体何者なのか」と考えてきました。
今回の話をまとめると、記事のタイトルになりますが、もう少し詳しく掘り下げてみたいと思います。
ブラジルでは、日本人
ブラジルは多民族国家です。
しかし、多民族国家であるとはいえ、外見や肌の色などは関係ないわけではありません。人種に関して言えば、ブラジルは簡単に言えばアメリカと同様の状況にあります。白人や黒人、アジア人、混血など数多くの区別があります。
日系人については「nipo-descentente/nikkei」という公式な呼び名がありますが、これは正式な名称に過ぎません。実際のブラジル社会では、「japonês」や「japa」 (英語の「japs」同じ意味をする)」と呼ばれることがあります。特に、japonêsは「日本人」を指す言葉です。
国籍がブラジルであるため、「japonês」と呼ばれることに疑問を持っています。もちろん、日系人に対して「japonês」で呼ぶ人が必ずしも「この人は日本人・日本で生まれた人」と思っているわけではないかもしれません。
筆者も日本のルーツを持っているため、自分自身を「japonês」とは考えていませんが、一方で一般的なブラジル人とは違うと感じることがよくあります。
日本では、ブラジル人
逆に、日本に行くと、周囲の日本人には「ブラジル人」として認識されます。
日本の苗字を持っているにも関わらず、その苗字で呼ばれないこともあります(筆者は日本人ではないことが分かれば、「レアンドロ」と呼ばれます)。
ファーストネームで呼ばれることは、「japonês」といった民族や国籍などの名称よりもましですが、知らない人からでも苗字で呼ばれないことに対しては違和感を感じます。
その他にも、よく「ハーフですか」と聞かれることがあります。
この質問は、名古屋に住んでいたときはあまり聞かれませんでしたが(愛知県には日系ブラジル人が多いためかな?)、東京に来たらよく聞かれるようになりました。
祖父母(父方も母方も)が日本人であるため、筆者はハーフではないと考えていますが、純日本人とも言えないでしょう。
もう一つは、多くの日本人が昔、ブラジルに移住した日本人という歴史を知らない人が多く、筆者が「私は日系ブラジル人です」と言ったら、「ブラジル人ですか???」と驚きます。
その反応は面白く、いつも言っていますが、出身地の話になると中国人や韓国人、ベトナム人ですかなどとよく聞かれます。
結局、何人ですか?
国籍はブラジルであり、ルーツは日本であるため、自分は日系ブラジル人と考えています。当たり前の答えのように聞こえるかもしれませんが、これは筆者の経験から得た結論です。
「何人ですか?」という質問に対しては、そんなに悩む必要はないと思いますが、悩んでしまうことは珍しくありません。生まれた国と異なるルーツを持つ人が、青春期や大人になったときなど、自分のアイデンティティについて考えることはよくあることだと思います。
アイデンティティは、国籍や人種に限った話ではないため、誰もが一度は考えたことがあるかもしれません。
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