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フシギおしゃべりP-miちゃん(7)

「山田先輩どうしたんすか。最近暗いっすよ?」

後輩の川崎が、俺の向かい側に座って昼食のうどんを啜っている。
「んー。色々あってな」
俺はコンビニで買ったおにぎりを頬張りながら、一昨日の出来事を思い起こしていた。なんか疲れた。
「でも山田先輩には可愛い彼女さんがいるから大丈夫っすね♪」
「うん…。まあな」
川崎、今はその事について触れないでくれ。
「まあ俺にも彼女いますけどね♪」
お前の彼女って二次元キャラだろ?
「ミカゲちゃん♪ 最高の彼女ですわ」
「おう、良かったな…」
こんなリアルな女を知らないまま生きている男と話しても怠いだけだ。川崎には俺のこんな悲痛な想いなんて一生分からねえだろう。
「二次元の子はいいっすよ♪ 俺を絶対に裏切らないし。どんな俺も受け止めてくれるんですよ♪」
確かに俺はアヤカに裏切られた。
裏切られたけどさ。
お前は一体どうやったらそんな妄想に浸れるんだ?
凄いな。二次元キャラと会話なんて出来ないのに。脳内で会話してんのか?結局自分の都合のいいイメージで満足しているだけじゃねえか。


ブルルルル。
テーブルの上に置いてあるスマホが震えた。もしかして母ちゃんからか?
「あれー? 彼女さんからっすかあ?」
川崎お前少し黙れ。
俺はそそくさとスマホを手に取った。ホーム画面を見ると、ショートメッセージのアイコンに1という数字が表示されていた。

わざわざショートメールかよ。メッセージアプリで送ってくれればいいのに。
どれどれ。
知らない番号からのメールだ。これは詐欺的なあれか? お客様が不在だったから荷物を持ち帰りました的なあれか?
一応内容を確認してみる。

元気? とりあえず前を向け。
P-miより。

………なんでこいつ俺にショートメールを送れるんだ? こえーよ!!
これもアヤカが設定したのか!?
ショートメールって電話番号を持っていないと送れないよな!?
あのロボットは電話番号を持っているということなのか!?
監視されている感じがして寒気がした。

「お互い幸せっすね♪」
もうお前もP-miも黙れよ。



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