烈空の人魚姫 第3章 海底ワープゾーン ②退屈な劇
カケルはぐったりしていた。
演劇部室で日高さんと共に椅子に座って、次の文化祭用の演目の練習を観覧することはカケルにとって一面の砂漠を歩いているレベルで気が遠くなりそうな作業であった。
これも満堂君が演劇部の部長、磯貝先輩にエキストラのスカウトをされてしまったせいだ。
カケルは何度も繰り返される単調な物語を延々と見ているように感じた。
人魚姫が泡になった後も何度も蘇りむしろ宇宙にはばたいていく。どうやらこの台本は磯貝先輩による執筆のようだった。
さっきからずっと同じシーンの練