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短編、詩、イラスト。

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チキン【超短編小説】

「日本ぐらいじゃないか、チキンじゃないのって」 「え?」突然の言葉にボクは驚いた。 「南米大陸なんてひっくり返すとまんまモスチキンだし、アフリカ大陸もケンタッキーの骨なしチキンだろ。ニュージーランドはクリスピー、ナゲットの形した国なんていくらでもあるし、そう考えると、日本ぐらいだよなチキンじゃないのって」  ボクは言葉が出なかった。こんなことは今まで考えもしなかった。 「でも…ノルウェーはともかく、スウェーデンを足の部位のチキンと見るのは少し強引かなあ」とペットのニワ

    • 突然の猫ミーム *毎週ショートショートnote*

      (男子)六年間、色々なことがありました (女子)楽しかったこと、辛かったこと (男子)京都に行った修学旅行 (女子)力を合わせた運動会 (男子全員)ありがとうお母さん (女子全員)ありがとうお父さん (全員)ありがとう猫ミーム (全員)僕たち私たちは卒業します * 初めて毎週ショートショートnoteに参加させていただきました。 たらはかにさん、企画してくださりありがとうございます。  

      • 野蹴同エレ【超短編小説】

        「野球って長いよ。何時間やってんの」 「サッカーは点が入らなすぎて退屈。ちんたらしてるし」 「ちんたらなんかしてない。めっちゃ走るし、激しいスポーツだ。野球選手は太ってるやつ多すぎ。格好悪い」 「サッカー選手は細すぎる。恰幅あった方がいいに決まってる」  犬猿の仲の二人。都内の同じタワーマンションに住むサッカーファンの中村と野球ファンの鈴木はエレベーターの乗り合わせるたびに口論になっていた。   「世界ではサッカーの方が圧倒的に人気」 「海外なんて関係ない。日本での集客力は

        • DJ満員電車【超短編小説】

           ここはゴミ溜め  ココア涙目  へそで茶を沸かすバッカス  ぎゅうぎゅうで身動きも出来ない。電車遅延の影響でいつもはそれほど混まない時間帯の帰宅ラッシュ前の夕方、車内は人で溢れかえっていた。  部屋は掃き溜め  ヘアーは愛染  へそで茶を沸かすバッカス  会話はなく、圧迫し合う苛立ち、遠慮が充満し、それぞれが中吊りの広告を注視したり、瞑想するかのように目を閉じていた。  言いたいこと言い合える仲  痛いこと言い合え合える背中  hey ya hey ho  兵は 

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        チキン【超短編小説】

          【140字小説】明日の天気

          「明日は雨」 彼女は言った。 「アプリもそうなってる」 僕は関心もせず返事すると彼女は不機嫌そうにそっぽを向いた。  彼女の天気予報は当たる。なんとなくわかるらしい。 予報の精度が低い時代はよく頼った。  念願の旅行だった。 月が僕らを照らす。流れ着いた浜辺で僕は彼女に尋ねた。

          【140字小説】明日の天気

          キジトラ【詩】

          俺はキジトラ ここらのボス 俺はキジトラ 人らもkiss 今日も見回り 異常はないか 異様に曇り  驟雨が降るか 公園の隅 ベンチで一人泣いてる小さな子 洋蘭の陰 ランチに細魚食べてるキザな俺 居ても立ってもいられず 近づく俺 鳴いても寄っても構わず 泣きじゃく子 ぽつりぽつり 雨が降ってきた ふわりふわり 尻尾を振ってみた 泣き止み じっと見つめて ギュッと掴む 痛み耐え 片目閉じて   グッと忍ぶ そのときどこからか 呼ぶ声聞こえる 手を解きその声へ  飛ぶ足

          キジトラ【詩】

          【詩】鍵閉めたっけ

          鍵閉めたっけ 今日は良い天気だ 鍵閉めたっけ 卑怯な推し瀕死だ スポーツカーが飛んだ速度ですれ違う 希少なhowが歪んだ落ち度で駆け回る 魚屋の威勢が横丁貸し切り 鮮やかな市井は様相張り切り 天広く雲は呑気に背泳ぎさ 富んだから暇は健気にキツツキだ あれ 鍵閉めたっけ 不安になってきた あれ 雨降んだっけ 不安になってきた デパートで化粧品売り場通りたくないけど横切る スイーツが衣装ざっくり食べたくないけど頬張る 卵が特売日  買わないわけにはいかないな 穴子が特

          【詩】鍵閉めたっけ

          石ころと旅好きのカメレオン【超短編小説】

          「ねえ、カメレオンくんあなたはどんな色にもなれるの?」 石ころは聞きました。 「見たことのある色ならね」 旅好きのカメレオンは答えました。 「じゃあ、ハワイの夕日の色を見せてくれないか。とっても綺麗らしいんだ」 「ハワイなら行ったことあるぞ」 カメレオンはハワイに行ったことを思い出し美しい夕日の色になりました。 「すごい!とっても綺麗だね」 石ころは大喜びしました。 「オーロラの色にもなれるかい?」 石ころは聞きました。 「スウェーデンにオーロラを見に行ったことがあるぞ」

          石ころと旅好きのカメレオン【超短編小説】

          〇〇院さん【超短編小説】

           ワタシの女子高のクラスは〇〇院さんが半分を占めている。苗字の話だ。伊集院さん、薬師院さん、禅院さん、入来院さん、釈迦院さんなど。伊集院さんが二人いるとかはない。みんな違う〇〇院さんで、なぜか彼女たちは仲が良い。授業でペアを作ったりする場合、大抵〇〇院さん同士で組む。人数は偶数なので、誰かが欠席しない限り余ったりすることはない。  ある日、薬師院さんが体調不良で休みだった。英語の発音の授業で釈迦院さんとペアを組むことになった。席が近かったからだ。いつも組む薬師院さんがいない

          〇〇院さん【超短編小説】

          ナマケモノ【詩】

          オレは  ゆっくり   動いてる だから あんまり お腹が   空かない 狙われたら 逃げれない だけど やっぱり ゆっくりさ

          ナマケモノ【詩】

          脱兎【詩】

          オレは逃げる ハイエナからも チーターからも オレは逃げる 生きる 待ってる家族がいるからな

          脱兎【詩】

          七三分けのライオン【詩】

          オレは満足したい 死ぬ前に「できることはやった」と思いたい 他と違っても バカにされても だから七三分けにした これでモテるぞ明日から

          七三分けのライオン【詩】

          ヒトデ ランドリー【詩】

          洗濯終わって、蓋あけて 洗濯槽にヒトデいる 気味が悪くて触れない 棒でつついてびくともせず 仕方ないから放置して 洗濯機を回すのよ ぐるぐる回るお洋服 ぐるぐる回るヒトデさん 洗濯終わって、蓋あけて やっぱりヒトデはこびりつき うんともすんとも言わぬまま だけども、乾いたお洋服 磯の香りがちょっとする

          ヒトデ ランドリー【詩】

          コーヒー好きのワニ【詩】

          ワニはコーヒー飲みすぎて 歯が黄色くなりました 唇がないものだから いつもむき出し黄色い歯 フラミンゴに笑われて カモシカに笑われて プレーリードッグに笑われて けれどもワニは気にしません だってコーヒー好きだから

          コーヒー好きのワニ【詩】

          紫シマウマ【詩】

          紫シマウマおりました みんなと違う、仲間はずれにされました 街へでて、色んなところ行くけれど 居場所はどこにもありはしない 服屋さん、プーマのロゴが言いました 俺と変わってくれないか 紫シマウマ行くあてなし パーカーのプーマと入れ替わり そこで静かに暮らしました プーマは野原を駆けました

          紫シマウマ【詩】