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2歳児が「自分で選択」なんかできるん?→できたんだよ。びっくりよ。

半年前は「もうあんまりスニーカー汚れることないかも~♡パンプス買おうかなあ♡」とか言っていたのに、
ここのところ毎週末ほぼ公園に行ってるんですけど。

理由は3つ。
・長女の自転車(補助輪付き)路上デビュー。
・次女のイヤイヤ期も始まって大人主体のお出かけが成り立たなくなってきた。
・入場料や利用料にいちいちお金がかかって施設利用のコスパ悪い。

そしてなにより、気候がいいよね。
去年や一昨年を思い出すと、安全に外で遊べるのってもう1ヶ月もないんじゃないかしら。
そんな焦りも後押しする。

先日初めて行った公園が母娘ともに大ヒットで、
なんでもっと早く来なかったのかしら、
これはもう夏までに毎週でも通ってもいいねぇ、という気持ちになり。
半日で帰るつもりだったのだけど現地でお弁当を買って3人で分け合った。
次はお弁当持ってこようね、という約束をして。

さてさて。
そうと決まれば、よ。
お弁当箱を買わなければ。

長女が好きそうなお弁当箱と、それを見て絶対欲しがる次女のお弁当箱。
同じデザインでいいのかなあ、でも別々のだと取り合いの喧嘩になるのが目に浮かぶんだよなー。

オシャレで、食洗器で洗えて、容量がちょうどよくて、かわいくて、娘たちが喜んでくれるようなやつ。
楽天とアマゾンをざっと見て、およそのラインナップを把握する。
思ったよりあるような、ないような。
私的にキャラものを買いたくないんだよなー。
パンどろぼうとかPEZならまだ許容範囲なんだけど気に入ってくれるかしら。
スマホとにらめっこしながらぐるぐる思考を巡らせること1時間。

娘たちに選んでもらえばよくないか???

平日の夕方に寄れる距離にイトーヨーカドーあるじゃん。
あそこにあるのは分かってんだ。
同じ階のガチャガチャコーナーやおもちゃ売り場の誘惑に勝てるかな?
園帰りの2人を連れて仕事終わりに行って穏やかに帰ってこれる?無理じゃない?
何時間かかるかな?
そして私が許容できるものを選んでくれるだろうか。
やっぱり勝手にポチろうよ。or 私が1人でサッと行ってサッと買ってくればいいのでは?

という気持ちが強まってきたところで、急に過去を振り返る。

私は親に「好きなの選んでいいよ」と言われた記憶があまりない。
言われてたのかもしれないけど、記憶にはない。

兄と姉がいるのでだいたいのものは既に揃っていたし、先回り全部やっちゃうタイプの母により必要なものはたいてい予め準備されていたし、いつも不機嫌だった母に自分の希望を伝えることを遠慮していた。

「これが欲しい!」と強く願った記憶があまりない。

持たされたものに対して「これじゃない!」と思った記憶も、あまりない。

その結果、自分が何を好きで何が嫌いで、それは何故なのかを考える思考回路を持たない人間が出来上がってしまったではないか。

キャラものがなんだ。
せめてものってなんだ。
許容できる、ってなんだ。
娘たちに「自分で選択する」をひとつでも経験させたいと思っていたのでは?
しっかりするのよ!私!!!

そう決断した2時間後、私と姉妹はヨーカドーにいた。

お弁当箱を買いに行こう!と言ったら、いつも20分はかかる降園時間が3分とかからなかった。おいいつもそうしてくれ。
今日はお弁当箱を買いにきたんだよ、と話したら、ガチャガチャにもぬいぐるみにも目をくれない。

入園入学の時期を逸しているので思っていたより品揃えは多くない。
ディズニープリンセスもサンリオも、楽天の方が可愛いものがたくさんあった。
「ねえねえ、お母さんのスマホにはピンクのプリンセスがあったよ。ほら。お母さんがスマホでこれ買おうか?」
画面を見せても、長女は一瞥もくれずまったく興味を示さない。
目をキラキラさせて「え~~こんなにたくさんあって迷っちゃうなあ~~~」と歌うように踊るように目の前のお弁当箱たちを見ている。
これにきーめた!
うーん、やっぱりこれ!
待って!これ!
これ、こっち戻してくれる?あれ取って!
これにするー。
やっぱりこれじゃない!これ!
とお弁当箱を持っては置き、持ってはギュッと抱きしめ、ぐるぐる歩き回って、やっぱり置き、持ち替える。
その間の次女は、長女と同じタイミングでエットオー!コレ!と言いながら手に取るものを変えている。
うーん、長女はそれなりに納得しそうだけど、次女にはまだちょっと早かったかな。
帰宅したら長女のやつがいい!って泣きそうだな~。
と思いながらも、待つ。
家では「お母さんはどれがいいと思う?」と選択権を安易に他人に譲ってしまう長女。しかしそんな様子はまったく見られない。
4歳なのにもう親の顔色ばっかり窺っちゃって大丈夫かな…って心配してたのはなんだったんだ?
いいぞいいぞ。
彼女たちが何を選んでも口出ししないぞ、と心に決めていたのに"男子向け"のものやクレしん・ドラえもんなどの未履修キャラを手に取ると「それでいいの?」って何度も言ってしまった。難しいよ育児は本当に。

迷いつづけていた長女が、最初に手に取っていたプリンセスのお弁当箱を抱きしめている。
次女は、最後に手に取った緑色のピクミン。

きまったの?
ほんとうに、それでいい?
お母さん、これを今からくださいってしてくるよ?
大丈夫なのね?
いい?
ほんとうに?
これでいい?
いいのね?
もっかい聞くよ、いいのね?

レジに行く前に20回は長女と次女に確認した。
あ、待ってー!やっぱり違う!っていう返事を予想したが、2人とも「うん!大丈夫!」と力強く返事をしてくる。
へぇ、すごい、それなりに納得してるやん。
ちょっと感動しながらお会計する。

そこから自転車の衝撃も乗り越え、家までずっと、2人は自分が選んだお弁当箱を文字通りに抱きしめる。それはそれは嬉しそうに。
帰宅後さっそく袋から出して、開けたり閉めたり眺めたりを繰り返す。

2人とも自分のお弁当箱に大満足な様子で、お互いのお弁当箱をうらやましがる様子が1mmもない。

これが本当にびっくりポイント。

親が良かれと買ったものは、どんなに好きなものでも2つ用意しても必ず取り合いの喧嘩が勃発する。
ただの欲張りだと思っていたんだけど、もしかして、他人の持っているものが良く見えてしまうのって、自分の持ち物に納得感が無いからなのかしら。
そうなのかな?
そうなのかも?
ひえええ。

ごはんとか、お菓子とか、おもちゃとか、絵本とか、服とか、カバンとか、靴とか。
どうせマトモに判断できないだろうと決めつけて親が勝手に選んで一方的に与えてしまっているものが、多すぎるのかもしれない。

4歳の長女も、2歳の次女ですら、実は私が思っているよりもすごくすごく考えられるし理解しているのではないだろうか。
実はもう、自分の好きなものくらい自分で選べるのではないだろうか。
だろうか、というか、現にそうじゃん。

学びがありすぎた買い物を反芻しながらお風呂に入り、
思いついて晩ごはんをそれぞれのお弁当箱に入れて出してみた。

完食。
おうちごはんをこんなに綺麗に完食できるのか君たちは。


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