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「かみいけ・ゆる読書会vol.3ーバレンタインと読書/恋愛本を語ろう」開催しました

2月12日日曜、「かみいけ・ゆる読書会vol.3ーバレンタインと読書/恋愛本を語ろう」を開催しました。

かみいけ・ゆる読書会は、「手ぶらで参加して主催側で用意した本を読んでもOK」、「答えを出さずモヤモヤと問い続けてもOK」をコンセプトにした、ゆるい読書会です。

今回は、バレンタインも近いということで、「恋愛本」をテーマに参加で色々と語りました。

主催者や参加者がテーマに沿って本を持ち寄ったところ、小説、評論、漫画など幅広く「恋愛本」が揃いました

紹介された本と感想の一部を紹介します。

ボクたちのBL論(河出文庫)
サンキュータツオ・春日太一 著

『この本によれば、BL(ボーイズラブ)は知的遊戯だという。漫画やドラマの中で、描かれていない男性キャラ同士の恋愛的な関係性を妄想する楽しみがあるとのこと。また、この本でモノ同士を擬人化させて関係性を楽しむ方法が書いてあり、「鉛筆は消しゴムのことをどう思っているか?」という答えがない突拍子のない問いを妄想している。BLは考えれば考えるほどとても奥深い世界だと、この本から学べる。』

凪のお暇(秋田書店)
コナリミサト 著

『空気を読み過ぎて、ついに過呼吸に陥り仕事も生活も続けられなくなってしまった女性が、人生をリセットすべく、東京の片田舎に引っ越して「お暇」をいただく話。主人公の女性をめぐって2人の男性が出てくる。1人は外面は明るいが内面は荒んだ家庭環境から心の闇を抱えていて主人公の女性を見下しがちな男性(元カレ)。もう1人は雰囲気は優しいが、数々の女性分け隔てなく優しく接してしまうことで数多くの女性を勘違いさせてしまうような魔性系の男性(隣人)。主人公は、どちらの男性とも距離を取って、男性からの恋愛的な承認ではない自立の道を模索していく様が面白い。』

僕と君の大切な話(講談社)
ろびこ 著

『駅のホームで、男女の高校生が、男と女の違いを、あーでもない、こーでもないと、話し合う(だけ)の漫画。なのにクスリと笑ってしまう。一巻の冒頭で、女の子が男の子に問う。

「どうして男は戦いが好きなの?少年漫画では一つの戦いが終わったと思ったら人間的成長があるわけでなく、また次の戦いが始まる。手からビームが出てなんだというの?」男の子も問う。「それを言ったら少女漫画も古今東西男女の色恋沙汰だ。男も女も狭い範囲で付き合い過ぎだろ。男がトラウマを乗り越えたからなんだというのか?」
こういう感じで、男と女の違いをコミカルに対話劇にして炙りだしていく。恋愛においても男女で求めるものや感じるものが違うと思われるため、お互いの立場を面白く学ぶにはちょうど良い。』

ノルウェイの森(講談社)
村上春樹 著

『言わずもがな、村上春樹の代表的な100パーセントの恋愛小説。村上春樹の小説ははっきりと結論を示すようなものは少なく、読み終わってモヤモヤとひた思いをするものが多い気がする。この小説の中にも主人公が同じように心情を吐露する描写があるが、読者も同様に「自分がどこにいるのか分からない」感覚に陥る。』

ニコイチ(スクウェア・エニックス)
金田一蓮十郎 著

『この本は、主人公が事故死した恋人の赤ん坊(血縁はない)を引き取るが、男性の姿だと懐いてくれず、女装して育てていくストーリーで、家庭では女性として、仕事では男性として生活する二重生活を描いた漫画。金田一蓮十郎は、この作品を契機に「二重生活」での恋人関係を描くようになった。例えば、オンラインゲームで知り合う男女の「ゆうべはお楽しみでしたね」や、血の繋がりのない姉弟が外でひょんなことから別人として恋人関係となる「ライアー・ライアー」などがある。』

などの感想を共有いただきました。

他にも、「少年漫画ではヒロインが良く誘拐などの被害にあいがちだが女性が犠牲になる前提の描き方で良いのか」、「ラブコメのヒロインの類型もパターンがあって、ツンデレ、無口、お姉さんの3パターンに集約されてしまうがそんな単純化した描き方だと面白くないのでは」、「BLが描いている男性同士の性愛は、かつて戦国時代に衆道という主君と小姓とで男色の契りを結ぶ習慣として存在していた。歴史でみれば、男色はマイノリティではなく、日本では当たり前のことだった。時代によって考え方も変わるし、恋愛や性愛における当たり前とは何かを考えさせられる。」

などなど、参加者の皆さんが本の感想を聞いて思い浮かんだことなど、様々な視点を共有して下さいました。

なお、「ボクたちのBL論」で書かれていた「鉛筆は消しゴムのことをどう思うか」を参加者で妄想してみたところ、『鉛筆は消しゴムに対しては「俺の後始末しか出来ないだろう」と見下しているところがある一方で、消しゴムの方は「何を言ってやがる。お前の書いたものを消してやれるのは俺だけなんだ」というこちらも鉛筆に対しては優越的な感覚を持っている。お互いがライバルとして切磋琢磨する関係のような気がする。』と、とてもユニークな感想が出ました(笑)

恋愛本というジャンルながら、恋愛に限らず参加者と色々な視点を共有できてとても面白い会でした。

次回は、3月11日の開催で調整中です。

以下のTwitter、インスタグラムなどでお知らせしていきます。


ご興味ありましたら、ぜひ。


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