非哲学者による非哲学者のための哲学入門読書会

「哲学研究者になる予定のない人のための哲学教育(哲学入門)」をテーマとする読書会です。…

非哲学者による非哲学者のための哲学入門読書会

「哲学研究者になる予定のない人のための哲学教育(哲学入門)」をテーマとする読書会です。 詳細はリンク先をご覧ください。このnoteではこれまでの読書会で話されたことをスタッフがまとめています。 http://socio-logic.jp/nonPhilo/

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  • 哲学入門読書会で話したこと

    • 10本

    読書会の過去回で話したことを紹介していきます。

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「哲学入門読書会で話したこと」の目次

この読書会の開催趣旨や詳細はこちらのリンク先をご覧ください。 このnoteでは読書会の過去回で話したことを紹介していきます。  会のタイトルについて オリエンテーション 1/3 会の趣旨と目標について  2/3 場の管理(トレーニングと安全性)について  3/3 開催日までにやること 1. 読解の方針と準備作業の概要 2a-1. 予備作業ファイルを作成する 2a-2. 読解方針:主導的な問いを文書について問う 1/3 —量的確認— 2a-3. 読解方針:主導的

    • 2a-4. 読解方針:主導的な問いを文書について問う3/3—読解方針—

      前回のエントリー:2a-3. 読解方針:主導的な問いを文書について問う 2/3 —第二水準の要約— 3. 読解方針の導出読者の問い:「どうしたら読めるか」  この会は、「他人が書いたものを、もっときちんと読めるようになりたい」という欲求を持った人たちのために設置されたものです。ところで、「どうしたら本が読めるか」という問いは、読者だけのものではありません。 文書作成者の問い:「どうしたら読める(ように書ける)か」  読者がこのような課題を設定する前に、まず文書作成者た

      • 「哲学入門読書会」 紹介動画

        哲学の劇場 この読書会の講師の一人でもある吉川浩満さんと、山本貴光さんのYoutubeチャンネル「哲学の劇場」にて本読書会の紹介・宣伝をしていただいています。 第一弾:「難しい本が読めないっていうけど、本は読めるんですか?」  第一弾では本読書会と朝日カルチャーセンターで行われている非哲学者による非哲学者のための(非)哲学の講義にも参加いただいているOさんとMさんにお話いただいています。 →長尺版:https://www.youtube.com/watch?v=qGyDo

        • 2a-3. 読解方針:主導的な問いを文書について問う 2/3 —第二水準の要約—

           前エントリでは、[B1]「予備作業ファイルの作成」作業の内の [B1-a]「量的構成の確認」について、それを行う理由を、目次を読むという作業と関連付けて解説しました。このエントリでは、同じく目次を読むことのハードルを下げるために使える追加手段として、[B1-b]「各章の課題に関する宣言や問いを抽出する」作業について解説します。 2. 予備作業の意味2(なぜ課題の宣言や問いを抽出したか):「目次を読む」をする2 予備作業[B1-b] は、書籍から、その書籍が取り組む課題や問

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        「哲学入門読書会で話したこと」の目次

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        • 哲学入門読書会で話したこと
          10本

        記事

          2a-2. 読解方針:主導的な問いを文書について問う 1/3 —量的構成—

          前回:2a-1. 予備作業ファイルを作成する  前エントリでは、読書会当日以前におこなえる三つの準備作業のうち、[B1-a] 量的構成を確認し、[B1-b] 各章の課題に関する宣言や問いを抽出する、という作業を紹介しました。この項では、これらの作業を行う意味を、「そこで何が行われているのか」という主導的な問いに照らして解説することで、本会で採用する読解の基本方針*の抽象水準を一段下げることを目指しましょう。 * 本会の基本的な読解方針は「実践の記述を行いながら文書に臨む」

          2a-2. 読解方針:主導的な問いを文書について問う 1/3 —量的構成—

          2a-1. 予備作業ファイルを作成する オリエンテーション3/3

          前回:1.読解の方針と準備作業の概要 作業 [B1] の概要 準備作業 B1 はファイルに対して行い、あとで参加者と共有します。主要な作業は以下の二つ: [B1a] 量的構成を確認する。 [B1b] 趣旨・課題を抽出する(〜第二水準の要約を作成する)。 [B1a] 量的構成を確認する  目次を書き写し、掲載されているページ数から機械的に章の分量を導き、比を見ます(余力があれば節レベルでも行いますが、節レベルでは段落数や行数を使うことが多いので、やや面倒です。最初にす

          2a-1. 予備作業ファイルを作成する オリエンテーション3/3

          1. 読解の方針と準備作業の概要 オリエンテーション3/3

          読解方針の概要 本会の基本的な読解方針は、文書に向かっている間中ずっと、各所で次の問いを立てながら進む、というものです: [P1]〈そこで何が生じているのか/それは如何にして可能か〉 [P2]〈そこで何が行われているのか/それは如何にして可能か〉  以下では [P1] [P2] のことを「主導的な問い」と呼ぶことにしましょう。ご覧の通りこの方針は、或ることの可能性条件を問うタイプのアプローチ──もう一歩くわしく言うと〈やり方〉を可能性条件として問うアプローチ──です。[

          1. 読解の方針と準備作業の概要 オリエンテーション3/3

          0. 開催日までにやること オリエンテーション3/3

           本会では、一冊の本に3回を使います。その際、初回は書籍全体を、二回目はそのうち3つ〜4つの章を、三回目は1つ〜2つの章を、という仕方で、取り上げる範囲を絞り込んでいく形で進めます。また、参加者の皆さんには、その都度の対象範囲を、事前に三回以上は読んでくるようお願いしています。オリエンテーション3では、この毎回の事前読書において、皆さんに、実際に自分の手を動かして実行してほしい具体的な作業*について(その概略を)お話しします。作業は3つあり、このうち [B] は読書会参加者全

          0. 開催日までにやること オリエンテーション3/3

          場の管理(トレーニングと安全性)について オリエンテーション2/3

           前のエントリでは、本会の副次目標が読む技能の訓練にあり、そのために上位目標(何が言われているかを知る)を使うよ、というお話をしました。  このエントリでは、オリエンテーションの二つ目の話題として、本会が訓練の場であることに関わってお願いしたいことや注意点を記します。 無理をしないでください/少し無理をしてください 「訓練をする」というからには、我々には何らかの能力が欠けていたり足りなかったりするわけです。そこでこの条件から、まずは次のアラートが生じます: 無理をしない

          場の管理(トレーニングと安全性)について オリエンテーション2/3

          会の趣旨と目標について オリエンテーション1/3

           読書会初回となる本日は、オリエンテーションとして3つの話題をもってきました。1.会の趣旨・目標、2.場の管理(トレーニングにおける安全性)、3.トレーニングのための方針です。このエントリではまず、会の趣旨についてお話しましょう。 会の主要な目標:「何が書かれているか」を理解する 案内頁に記したように、この会の目標は、「哲学者は、哲学について、同僚研究者ではない人に向けてどのように語るか」の例を知ることです。なので、ここで行おうとしているのは、まずは「調べ物」の一種だといえ

          会の趣旨と目標について オリエンテーション1/3

          会のタイトルについて

           私は、何かに名前を付けるときには、なるべく、それだけを見て理解できるものにしたいと考えています。過去におこなった催し物の例だと「社会学研究互助会」とか「日米政治学史茶話会」とか「ゲーム研究読書会」とか「社会哲学古典合宿読書会」とかいった具合です。本会のタイトルもそうなっていて、このタイトルに追加の説明は要らないでしょう。このタイトルは〈哲学を専門としない人たちが集まって哲学の入門書を読む〉と述べており、実際にそのとおりのことをしようとしています。  本会は、朝日カルチャーセ