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勇気を振り絞って「苦手」に立ち向かう

「お客様から逃げたらダメだよ」

そんな当たり前すぎることを指摘されることから始まった社会人生活。

なんとか接客・販売業の世界へ足を踏み入れることができたものの、最初は酷い有様だった。

店内では常にお客様から距離を取って服をたたんでいたし、出入り口でのチラシ配りでは全く足を踏み出せず、ほとんどただ立っているだけ。

初めての出勤から数日経ち、一緒に昼休憩に入った店長から冒頭の指摘をされた。

私が「どのタイミングで声をかけていいかわからないし、うまく話せなくて悩んでいる」と言うと、店長は呆れるでもなく「Aさんの接客を見てみるといいよ、すごく接客上手だから!」とアドバイスをくれた。

そしてできる限りAさんと一緒に休憩に入れるようにしてくれたおかげで、Aさんの接客を見るだけではなく、実際にどんなことを考えながら店頭に立っているかなどを聞くことができた。


お客様が入ってきたらちゃんとお客様を見て挨拶する
その時に目が合ったら「お探し物などありましたら、お気軽にお声がけください」などのプラスの一言を告げてみる
子供が一緒にいたらまずは子供とコミュニケーションを取って和やかな空気を作る
お客様が商品を持っていることに気づいたらすぐにカゴを渡しに行く
一声目からずっと話す必要はないけど、一声目は入店に気づいたらすぐかけに行くとお互いに次の声掛けがしやすくなる


など、休憩中にAさんから色々なことを教えてもらった。

店舗に戻ってからは聞いた話を思い起こしながらAさんの行動を見て理解を深めたり、実際に自分でも行動したり。

最初は毎回勇気を振り絞って行動していたが、誰よりも早く動いてたくさんのお客様に声をかけていたら、次第に緊張感や恐怖心を感じなくなっていった。


入社から約二週間。

一声目をかけることには慣れてきたものの、二度目の声がけのタイミングや距離感はなかなかつかめず、一声かけた後何もできないまま退店されてしまうこともあった。

一声目のタイミングは明確だが、二声目はお客様の性質や状況によって異なる。

最初から友好的だったり話好きなお客様
お子様を通してコミュニケーションを取ると表情を和らげてくれるお客様
探しものがあって最初から頼ってくれるお客様
探しものはなくただ入っただけだから接客はしてほしくないお客様
探しものはあるけど接客されるのは嫌なお客様

お客様のタイプは様々。

友好的だったり、頼ってくれるお客様は一声目からずっと話ができるし、距離感のことを考えずにコミュニケーションを取れる。

そうじゃなくても、大半のお客様はお子様越しにコミュニケーションを取る作戦で自然に接客ができるようになる。

しかし、接客してほしくない空気を放つタイプのお客様ももちろんいるわけで、私の次の課題は「そのようなお客様への対応力を身につけること」となった。

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