夏の電車との乗り換え駅に着いても
白熊は春の電車の中でうたうたと居眠りをしていた
窓に張り付く桜の花びらがまるでカーテンの模様のようだった
夏の電車は風を押すように強く去って行った
春の電車に取り残されたまま白熊はまだ眠っている
桜の霧の中を電車は走る
春の夢はいつまでも覚めない

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