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北京ドタバタ旅行(39)

 何分ジーパンを手に入れないと、明日あたり私のジーパンはきっと、ほのかなにおいがします。昼から安いジーパンを買いに行くこととし、ガイドさんに安い衣料雑貨街に連れていってもらうことにしましたが、また流しのタクシーを捕まえる必要があります。

 ガイドさんにタクシーの運転手と交渉してもらうことにします。すぐに若い運転手が私を助手席に移し替えてくれましたが、その後でタクシーの運転手とガイドさんは不自然なほど長い話をしています。どうも運転手がいやがっているみたいです。それはそうかも知れません。何分背は186センチあるのに、ぜんぜん歩けませんから、なにかと面倒なのでしょう。

 ガイドさんが私の所にやってきて運転手の言い分を伝えてくれました。
「行くのはいくが、タクシー代として日本の500円玉を1つくれ」
というのです。

 日本では初乗り位の金額ですが、この北京ではこの500円という金額はどのくらいの値打ちがあるかというと、大人3、4人が外食出来るくらいの値打ちです。まぁ日本の物価から言うと4000円から5000円位の値打ちです。このタクシーは初乗りが10元(130円)というタクシーでしたから、悪い言い方をすると
「吹っかけてきた」
わけです。

 しかし断ろうにもすでに私の体は狭い助手席にあります。彼は車椅子まで戻してくれるでしょうか?髪型は3分刈りした20代前半の若い運転手です。

 ・・・なんとなく私の分の悪いのが分かってきました。
仕方ありません。母に頼んで500円玉を出してもらうことにしましたが、あいにくどこを探しても出てきません。またまたこの3分刈りのおにいさんと交渉です。

 彼は500円欲しいわけですから、1000円札を1枚渡すからお釣りを40元(520円)くれという風にガイドさんに通訳してもらうと、釣りは30元(390円)だというのです。

 この3分刈りのお兄さんが小学校の算数の時間にかなり寝ていたのは確かでしょう。なおも40元お釣りをくれと言い張っていますと、今度は私のすぐ横で顔を近づけ、猛烈な激しい口調で
「○×△□」
を言い出します。

 いやきっと○みたいな優しい表現はしていなかったと思います。たとえてみれば
「△□▲◇」
のような角ばっかりあるような言葉でした。

 おまけに中国語というのはかなり抑揚のある言葉ですから、こういうふうに顔を身近に近づかれて早口で言われると、かなりの迫力です。
 仕方なく
「我知道了(わかった)」」
と降参せざるを得ませんでした。

北京ドタバタ旅行(40)


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