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北京ドタバタ旅行(52)

 朝起こしに来てくれた従業員は、昨晩と同じ顔ぶれでしたから、説明に多くの時間はかかりません。とにかく車椅子まで移してもらうと、後は何とか出来ます。昨晩と同様、なにがしかのチップを2人に渡しました。

 私はチップ反対派ではありません。やはり円滑なサービスを受けるためには必要ではないかと思います。ただ不必要な場面までチップを渡していると、いつの間にか、そのことが当たり前になってしまうと言う雪崩現象は避けたいと思ったまでです。

 北京第3日目は、あの月から見える唯一の人工物である万里の長城を見に行くことになっています。この万里の長城に関しては、日本にいるときから果たして車椅子で行けるものやら、腰の骨を折った母が行けるものやら、はたまた100メートルと歩けない父が行けるものやら、全く分かりませんでした。出来るだけ時間を費やして、この万里の長城に関しては調べてみました。

 実際に万里の長城に行ったことのある人に聞きますと、とても車椅子では無理だと言います。インターネットで調べてみますと、なんと
「車椅子で万里の長城に行こう!」
と名売ったツアーが企画されていて、現地の屈強なヘルパー付きの高い料金で募集しています。きっと大変な仕事なのでしょう。

 もちろん、車椅子で万里の長城に登ることに挑戦し、そのことで人生に置いておおいなる転機を迎えるということもうれしいことですし、そういう人が出ることも望みます。しかし特に万里の長城に登らなくても人生の転機というのは至る所に転がっていると思う私としては、この万里の長城に登ると言うことにさして執着はありません。(とその時思っていました)

 あえて挑戦するのはいいことかも知れませんが、ただ言えることは出費を覚悟しないと行けないと言うことです。私の場合、この経済的な観点がいちばん大きかったので、こういう障害者ツアーに参加しようと思いませんでしたし、今回の場合も、無理をしてまで登ろうと思いませんでした。

北京ドタバタ旅行(53)

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