武富一門 and neeさん and 黒猫はるみさんへ

すっかりご無沙汰。いかがお過ごしかしら？

日本時間では、3月18日だそうで、57回目の誕生日を迎えたりしているみたいですが、こちらカナダはまだ17日。つまり「昨日」にいる私です。

カナダで就労して、早いもので半年以上過ぎました。なんだかたくさんの失敗や苦難がまるできょうは笑い話に感じられます。渦巻くネガティヴな話題や世界の諍いを背に、この地でひとり私は本気で平和な時間を希望します。今日明日くらいは笑い飛ばして私は生きてみたい。過去の諸行もみんなみんな笑い飛ばしてやりたい。間違いや過ちは徹底して日向に干して、私がこの世に生まれた事を怨む輩にも、幸あれと。そうして私は私自身の誕生を母へ、そして祖母にも感謝を捧げます。

私は相変わらず性格は悪いけど心根だけはよい子だと言われたよ、と。外見がいかに見劣ろうが、心ない人々にデブだブスだババアだと口汚く罵られようが、最良の微笑みを浮かべ、私の隣人に優しい存在でありたい。それがどんな人であっても。せめて今日明日だけは穏やかに、参りたい。そして、またぼうけんという名のぼうけんをはじめたい。私の人生はずっとぼうけんです。たまにどこかに帰ってぼうけんを報告したり、からだをやすめたり。そしてまた、ぼうけん。地図はやぶれて探すひともいなくても。船にひとり望遠鏡を覗き舵を取り猫と鳥と愉快な音楽とをのせて。さみしい夜は星をかぞえ月に満たされ、嵐の日には岸に休む。

魚座で魚が好きで泳ぐことが大好きな“全魚連”の私は、日本は恋しくないが、海がとても恋しい。沖縄が恋しい。いつかまたあの『スプラッシュ』のダリル・ハンナの“ぽちゃん”みたいに、黄昏の水面を泳ぎたい。生まれ変われるなら人魚もいいなと思います、お腹の出た腰が豊かな人魚。そしたらかつぶし一本持ってきてください。あ、同じ誕生日の相棒ニャーリーのぶんも小さいのをそえて。

しかし、カナダブリティッシュコロンビアでは、50歳からは歳は戻るらしいです、つまり歳とらない。わたしのカツラを担当してるマライアが力説してました。彼女は今日が誕生日で同じ1965年生まれ。時差があるから私たちは双子だねと最初に会った時に盛り上がりました。以来、我々は互いをインターナショナルツインズと呼び合います。そんな彼女はいつも陽気に私のカツラをテキパキと優雅な職人の手つきでのせます、まるで貴族が被る羽根付き帽子をのせるように。インターナショナルツインズは、「カナダ🇨🇦ブリティッシュコロンビア政府からのお達しで50歳からは歳はとらないのよ、だから私たちは……43歳!!わかった⁈43歳になりました！って言うのよ!」というのです。

だから、私は43歳。ふふふ。

ではね、元気でいてよ。ご機嫌よくお過ごしください。

依子より

記憶のない部屋に生まれたての私が何か企み中