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短歌・ことば・写仏

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万葉集や短歌、大和言葉にまつわる記事をまとめています
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記事一覧

短歌 春を見送る

立夏を迎えました。 慌ただしく過ぎた春、 ちょっと季節がずれてしまいましたが、投稿しそびれていた短歌があったのでこちらに載せます。 30. 舞い落ちる 花びらを手に 閉じ込めて 願いをかけた 遠きあの春 花びらキャッチ、したことありますか? 舞い落ちる桜の花びらを掴んで(これ、けっこう難しいんですよ)、それに願い事をすると叶うかも・・というものです。 はらはらと舞い落ちる様子をみていたら、友達と手のひらパチパチさせて掴もうと挑んだ高校時代を思い出しました。遠き春の

短歌 初音聴く桜のみち

春が満ちてきました。 薄茶色だった景色に、 みどり、きいろ、しろ、あか、色が溢れます。 春生まれのわたしは、この季節が大好き。 花や草木から生きる力を分けてもらいながら、 またここから一年が始まるんだ、そう思えるから。 自分にとって、新しい年のスタート。 わくわくしますね! では、短歌へいきましょう。 25. 春香る みそらに浮かぶ 鼓星 別れを惜しみ 夜毎眺める 鼓星とは、オリオン座の和名。 オリオン座の明るい星を線で結ぶと和楽器の「鼓」のように見えるから、

短歌 春を知らせる音

きょうは、和歌を詠う日。 4月になり、信州も一気に春めいてきました。 心配していた「4月の雪」にも見舞われることなく、春の花々が一斉に顔を出し始めています。 この季節が、大好き。 皆さん、春だなぁって、どんな時に感じるでしょうか? 花が咲き始めたとき フキノトウを見つけたとき 生暖かく強い風が吹いたとき 雨後、湿った草木の香りがしたとき いろいろありますね。 今回の短歌は、まだ花が咲き始める前に作ったものです。 それでは、どうぞお付き合いください。 #22 神

み仏のエネルギーを描く note写仏部活動中!

きょうは、写仏の日。 み仏のエネルギーを描く! を目標にしている、note写仏部”癒し系担当”部員のつきふねです☺ 🌙 前回の写仏を投稿したあと、 note写仏部員兼最高顧問(勝手に命名)のあやのんさんからアドバイスをいただきました。 おぉ~、なるほど! さすが元美術教師のあやのんさん、的確なアドバイスです。 前回の写仏は小さくて動きが出しにくかったこともあり、確かにのっぺりとしていました。 そうか、ひゅっと書けばいいのね、ひゅっと。 ところがです ひゅっと書くに

待つ花咲く花 春分の短歌

きょうは、短歌の日。 春分の日を過ぎ、そろそろ雪ネタは卒業したいところですが、なかなかそうさせてくれません。 はやく、梅の香りだの桜だのを詠めるような暖かさになってほしいものですが・・・こればかりはお天気次第ですね。 ☆ ところで、春分の日について、学びがありました。 ー春分の日とは、昼と夜が同じ長さになる日ー という認識はありましたが、それをなぜ「春分」というのかは?? その謎がきょう解けました。 暦のうえでは、「立春 2/4」から「立夏 5/5」までを春とし

好きなのは、まろやかに響く『大和言葉』

きょうは、国語の日。 前々から気にはなっていたけれど、和歌を作るようになっていよいよ本格的に知りたくなった大和言葉。 やまとことば それだけ聞くと、 なんだか古典の授業で出てきそうな、よくわからない昔のことば? と思いそうですが、そんなことはありません。 たとえば、 やま(山)、かわ(川)、つち(土)、うみ(海)、そら(空) これらは全て大和言葉です。 なにか気付いたことはありませんか? ⌛ ⌛ ⌛ ⌛ そう、どれも訓読みですね。 最近読んでいる本、

写仏のススメと(え)の短歌

今日は写仏の日。 前回「万治の石仏」を写仏したあと、つぎはなぞり描きの仏さまにしよう!(ラクだし)と思っていたのですが、肝心の素材がないのでひとまず断念。 さてどうしようかと部屋をぐるりと見回してみると、 ん? あれに仏像いっぱいのってたよな・・ 2年前発刊の「古寺行こう」シリーズ 全40巻のうち、奈良のお寺が取り上げられた12冊を集めました。(しかもバックナンバー取り寄せまでして笑) で、こちらの本をパラパラしていたら、いましたよ~ 可愛らしい仏さまが。 これ

あ・い・う 早春の短歌

わたしは音楽が好きです。 と同時に、音に敏感です。 先日とある方と話をしていて、日本語の母音が話題にあがりました。 あ・い・う・え・お どれもよく響きますが、「あ」は特に力があるね。何と言っても50音の始まりだからね、そんなことを話しました。 たしかに、「あ」の響きはなにか特別な力がある。短歌を作るようになってから、それはうっすらと感じていました。 「あ」と和歌かぁ・・・ そういえば、百人一首の歌はどうだったかな? ふと思い立って、「あ」から始まる歌が何首あるのか

雪とともに 如月の短歌

3月になりました。 2月を振り返ると、まるでジェットコースターのようなひと月でした。気温の上下に連動して心身の状態も浮いたり沈んだり。 コートがいらない気温や雨に、このまま大した雪も降らずに春を迎えるのかと思っていたところへ、まとまった降雪。 そして土が見えてきたころにまた雪が降る、といった具合に1月よりも冬らしい景色が広がっていました。 いくつか短歌も投稿しましたが、他にもタイミングを逃してお蔵入りになりそうなものがあるので、ここで2月の歌としてまとめて投稿します。

白い森を歩く日

ちょうど一週間前、今シーズン初めてまとまった雪が降りました。 と言っても積雪は20センチほど、大雪とまではいきません。 雪かきは疲れるし、道路は渋滞する。 あまり嬉しくないことが多い雪降りですが、ただ、やっぱり景色は美しい。 いつもの森はどうなっているかな? 道路の雪がほぼ解けた2日後、気になって足を運んでみました。 駐車場はしっかりと除雪されています。 これなら森の散策路も大丈夫かもしれない。 期待しながら森の入り口へ。 やっぱり!除雪してくれてありました。ありが

あまねく照らす 冬の星空

春夏秋冬、どの季節の夜空がいちばん好き? と聞かれたら、迷うことなく 冬! と答えるだろう。 冬の空気は鋭い。 気温が下がれば下がるほど、 「寒い」から「痛い」という感覚へ変わってゆく。 キリっとした夜空は夏のそれに比べて闇が深く、 そこに輝く星々は他のどの季節よりも大きく見える。 すべての星が一等星のように輝き どんなに暗い田舎の夜も、人も草木も、煌々と照らすのだ。 冬の星は、月よりも明るい。 むかし、帰りが深夜になったときには 家に入る前に必ずといっていいほ

冬の諏訪湖 御渡りか、明けの海か

みなさんは、冬の諏訪湖に現れる自然現象、『御渡り』をご存じでしょうか? 寒さが厳しくなり湖が全面結氷したあと、 氷が成長して寒暖差を繰り返すうち、突如、大きな音とともに湖面に亀裂が入り氷の山脈ができるという現象です。 ↓(参考画像) 諏訪湖を挟んで南側にある諏訪大社上社から北側にある諏訪大社下社へ向かって、まるで龍が這ったかのように見えるこの現象を、いにしえの人々は (上社の)男神が、(下社の)女神のもとへ通ったみち と受け止め、『御渡り』と呼ぶようになったのだとか

写真短歌 冬の美しきもの

一月も残りわずかとなりました。 大寒の翌朝、屋根にザーザーと響く雨の音で目が覚め、こんなこともあるのかと驚きましたが、その後ちゃんと、寒さが戻ってきました。 信州はまだまだ冬のさなか。 ファンヒーターで暖めた部屋でこたつに入り、野沢菜漬けを「おいしい、おいしい」と食べながら、春を待つ毎日をそれなりに楽しんでいます。 ◇ ◇ ◇ さて、短歌です。 先週初めての短歌を投稿し、心やさしい皆さんから温かいコメントをいただきました。本当にありがとうございます。 正直に言うと、

短歌作り はじめの一歩

特別どこかへ出かけるでもなく、普段の生活のなかでふと、美しい光景に出会うことがあります。 そんなとき思うのは、 あぁ、この美しさを絵でささっと描けたらなぁ とか、 俳句や短歌で表現できたらなぁ ということ。 絵でささっとはハードルが高すぎるけど、俳句や短歌だったらもしかしたら・・・? 頭の中であれこれ挑戦してみました。 その結果、俳句は難しいということがわかり(そもそも季語を知らない)、短歌ならば多少はそれらしくまとめられそうと希望が見えてきました。 そして珍しく雪