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なじみのお社と大祓

なじみのお店ならぬ、なじみのお社。
我が家からいちばん近くにある神社は、熊野社。(そう、またしても熊野)常駐の神職さんはおらず、いつもひっそりとしています。

ときどき散歩ついでにお参りしているのですが、先日ふと、ここで大祓おおはらいを唱えてみたらどうだろう?と思いつきました。

あらかじめ断っておきますが、けっして上手に唱えられるわけではありませんし、意味もよくわかっていません。気が向いたときに聞いたり唱えたりしている程度です。

春日大社元宮司の葉室頼昭さん 医師でもあった。

15年ほど前に購入しましたが、大祓だけでなく、日本語のはなし、遺伝子や免疫のはなし、興味深いことがたくさん書かれています。例えば、

穢れ=気枯れ
は=生まれる
ら=君ら、僕らの”ら”で、たくさん
い=いのち
はらいいのちがたくさん生まれるという意味

など。忘れたころに読み返して、やっぱり大和言葉って美しいなぁと再確認しています。そんな葉室さんの本を携えて熊野社へ。



「熊野三社」とあります


鳥居の柱から巣立ったコ


なんだか良い雰囲気ではないですか?


ガラス格子で中が見える社殿

ご挨拶してから唱え始めると、南の方からいい風が入ってきました。鈴緒がゆらゆらと揺れています。

これは歓迎されている?と続けていると、こんどはミンミン蝉が鳴き始めました。それまではそんな気配もなく静かだったのに。どんどん大きくなる鳴き声に、私の声は完全に負けています。

それでも最後まで本を見ながら唱えることができました。特になにかが起こったわけではないけれど、自分がすっきりとしました。たまにはこうして声を出すのもいいですね。



これは・・・サイコロ?!


普段は扉が閉ざされている社殿ですが、実は今年の4月1日にふらりとお参りした際、氏子さんが掃除か空気の入れ替えで開け放っているところに遭遇しました。

珍しいのでうろうろして中を窺っていたら、「中見てみる?上がっていいよ」と優しく声をかけていただきました。スリッパまで出してもらい、ありがたく階段下で靴をぬいで揃えようとしたところ、

「だめだめ!靴はそのままにして」

え?と振り返ると

「神さまに対して、かかと(というか背中)を向けると失礼にあたるから。脱いだままで上がってきて」

なるほど~、そうなのですね~。
その後も親切に、中を案内してくださいました。

社殿の奥の方に神殿があり熊野三山から勧請した神さまが祀られていること、神殿のなかは誰も見たことがないこと。諏訪大社の御柱祭と同じ年に長持祭ながもちまつりという、長持ちをかついで練り歩くお祭りがあること。

祭事で使用する太鼓があったり、虎の絵や日露戦役没者の名前が書かれた額、お祭りで使われるおかめの面も飾られていました。

近くに住んでいながら知らないことばかりで、思いがけず色々な話が聞けて楽しめました。親切なおじさま、ありがとうございます。

散歩ついでの大祓は、気持ち良かったのでまたやろうと思います。せめてもう少しスラスラと言えるようになるまでは。

いつ訪れても 境内をひとり占め


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