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不動産ライターの、のりべぇ。第26回です。

企画第2弾、まだまだ進行中です!

もはやぶち抜きを通り越している状況。まだまだ終わりません…

 書かねばならないことが多く、もはやぶち抜きどころか、シリーズ化しているように思えてしまう「一戸建ての選び方」。すでに選び方という範疇を超えているとすら思いますが、今や回避不能の状況(笑)。こうなったらシーズン2に突入してでもやり遂げます(爆)。

今回は、「一戸建ての選び方、建物編〜設備のお話その2」

 その2と申しましても、前回の続きです。

その2も「キッチン」のお話です。

 前回より設備のお話に入ったのはいいのですが、結局キッチンの話の、それも半分で結構な文章ボリュームになりましたので、一旦切りました。今回はその続きです。その前に、前回の簡単なおさらいを。
 まず、キッチンを、主な構成パーツごとに分解しました。それが以下の通り。
 ・コンロ(済)
 ・シンク(済)
 ・水栓(済)
 ・収納
 ・食器洗い乾燥機
 ・その他(ディスポーザなど)
 済とついているパーツは、前回お話しした部分です。ということで、早速前回の続きに参りましょう。

キッチンを分解してみたら…「収納編」

 キッチンを見る際、案外優先順位が低いのが収納。キッチンが好きな女性は例外的に、収納を真っ先に見る傾向があるような気がします(あくまでも個人的な感想ですけどね)。
 キッチンは時代を追うごとに進化していますが、実はこの収納スペースが一番進化したのではないかと思えるほど、地味に進化しています。
 例えば扉。以前なら開閉式扉が主流でしたが、今ではスライド式収納が増えています。当然、後者を備えたキッチンの方が高価です。特に、鍋などを納める収納もスライド式なんかですと、廉価モデルだと備えていないこともあります。また、食器洗い乾燥機の下にもスライド収納を備えたモデルもあり、調理器具だけでなく、皿などの食器も収められるほど。深さや大きさも多彩な収納スペースが全てスライド式、というモデルも増えてきました。
 スライド式のメリットはなんと言っても、収めたものを目視できる点。開閉扉ですと、奥に収めたものは手前のものから順に取り出さないと見えないことが多く、面倒です。しかしスライド式であれば、引き出しを開ければいいだけ。よくありがちな、運動会の前に奥にしまったお重が見つからない!そんで引っ張り出したら手前に入れたままの水筒を床に落としちゃった!なんてトホホなことも減るかと思います。
 また、スライド式ですと、収納スペースのお掃除が楽々。いちいち手を伸ばし、半ば手探り状態で掃除せずに済みます。これもメリットの一つですね。
 ところが、スライド式にも弱点がありまして、それは「指を挟んじゃう!」という点。でも、今はとっても便利なものがあるんですよ、奥様。

「プル」じゃなくて、「ブル」モーションなんですよ〜。

 その昔、「ブルマート」ってあったの覚えている方、いらっしゃいますかぁ〜?実はかつて、雪印乳業が運営していたコンビニエンスストアが「ブルマート」。am/pmと提携し、1994年にブランドはなくなったんですけどね(まあ、そのam/pmもファミリーマートに完全子会社化され、2011年にブランド消滅しちゃいましたけど…)。
 あっ、全然関係ない話から入ってしまいました…。すみません。うっかり話の本題を忘れかけていました。
 スライド式収納の欠点といえば、閉めるときに指を挟んじゃう!問題。しかし、2001年に画期的な商品が発売されました。その名は「ブルモーション」。やっと前振りの話とリンクできました。ふぅ〜(爆)。
 スライド式収納、つまり引き出しを勢いよく閉めても、最後ゆ〜っくりと閉じるアレ。あの機構を「ブルモーション」っていうんですよ。でも、ブルモーションってどういう意味?それより、ブルって何?
 ブルモーションは、オーストリアにあるブルム社(正式にはユリアス・ブルム社(Julius Blum GmbH)。注)が2001年に発売した機構。前述の通り、引き出しを勢いよく閉めても、最後ゆ〜っくりと閉じる機構です。ブルム社だから、ブルモーションってわけ。あの愛嬌のあるワンちゃんとは関係ありませんとさ(笑)。
(注:一部サイトで、オーストラリアの会社と紹介されていますが、オーストリアが正解。結構両国名は混同しがちです…)
 最近では同じような機構の製品もあり、当然不動産広告内では「ブルム社の製品を使用していればブルモーション」と表記が可能。それ以外の場合は「ソフトクローズ」などと呼ばれることがあります(ブルム社の製品を使っていても、イメージしやすくソフトクローズと称していることもありますけどね)。ただ、日本での製品評価は主に「静かに閉まる引き出し機構」らしいです。
 通常は目にすることのないパーツですが、これにより、スライド収納が増えたと言っても大袈裟ではないと思います。奥が深いでしょ?キッチンひとつとって見ても(笑)。

キッチンを分解してみたら…「食器洗い乾燥機編」

 今でこそ標準設置のようになった食器洗い乾燥機、別名「食洗機」ですが、もっと厳密にいいますと、ビルトイン(式)食器洗い乾燥機です。と申しますのも、キッチンに内蔵しないタイプのものもあるから。
 かつては贅沢品に数えられ、主に海外製キッチンに内蔵されていた食洗機ですが、国内メーカーが参入。以後、価格も落ち着き、ハウスメーカーを中心に積極的に標準設置したことで普及率が上昇。現在に至っています。

時短に貢献。実は(やや)エコ。思わぬ副産物が普及率アップの鍵。

 できれば避けたい家事の上位に来るのが「食器洗い」。面倒、(洗剤で)手が荒れる、水はねがイヤなど、いろいろと厄介なことが多いですよね。さらに女性の社会進出で、ただでさえ忙しいっていうのに、食事を作って、食器も洗ってとなれば、そりゃストレスも溜まります。
 そんなときに食洗機があればとっても便利。もはや時短グッズの代表例ですが、実はもうひとつメリットがありまして、それは洗浄時の水の使用量が少ないこと。さすがに、水を高温のお湯にして洗浄するため、電気の使用量がそこそこありますから完全なエコとはいえませんが、水の使用量を考えれば「ややエコ」な商品。これらのメリットにより、普及率がぐんと上昇したんです。女性の間では多分、「そんなの常識でしょ?」と言われそうな話ですが…。

可能であれば「食洗機付き」物件を選ぶのがベストですが…

 中古物件だとわかりませんが、新築一戸建てであれば、今やたいていの物件にこのビルトイン式食器洗い乾燥機は設置されています(中には未設置、あるいはオプションのケースもありますのでご注意を)。専業主婦(主夫)のご家庭であっても、可能であれば「食洗機付」の物件を選ぶのがベストですが、最近のシステムキッチンであれば、後付けが可能なタイプもありますし、水道工事不要の設置型食洗機もパナソニックから発売されていますから、あまり食洗機の有無に左右されなくてもいいとは思います。ただ、ビルトインなら設置工事費込みで20万円超のご予算を見ておいた方がいいですし、設置型であっても、タンク式でない場合は水栓の分岐が必要になるため、財布とご家族、双方とのご相談をしておくことをお勧めします。

キッチンを分解してみたら…「その他編」

 ここからは、あまり設置されていないキッチンパーツではありますが、簡単にご紹介してまいります。
 食器洗いと共に面倒なのが生ごみの処理。そんなときに便利なのが「ディスポーザ」です。排水口に生ゴミを入れ、蓋をしてスイッチを入れれば、細かく粉砕して下水に流す、というもの。これにより、生ごみ処理は格段に減少します。これも時短アイテムとして便利ではありますが、後付けは少々手間がかかります。と申しますのも、排水管が細めの場合は設置が困難、あるいは不可能。かといって排水管を取り替えるとなればかなり大掛かりな工事を要します。一戸建てではあまりお目にかからないディスポーザですが、一部の新築マンションには設置されていることもあり、今後一戸建てでも増えるのかな?と思っております。もし設置されていたらぜひご活用を。また、注文住宅で導入をご検討の方は、よくご相談してください。

 次はコンロの下に設けられることが多い「コンベック」。この場合、正しくはガスコンベクションオーブンです。前回もお話ししましたが、欧米のコンロは、独立タイプのコンロとその下にオーブンが設けられているものがあります。オーブンではパン焼きから七面鳥の丸焼き(感謝祭の時に食べるアレ)までお家で作ることがあるため、活躍の機会が多く、そのために設けられていることが多いです。もっとも、日本の場合、魚焼きグリルは必須かもしれませんが、開口部がガバッと開くようなオーブンはあまり出番がないようにも思えます。ゆえに、一戸建てでは設置されるケースは結構少ないです。ただし、料理付きの方がいる場合、後付けで設置できるかは確認してお家選びをしてみるのもいいかと思います。家電量販店で購入可能な電気オーブン(オーブンレンジも含む)と比べ、その使用には慣れを要するかもしれませんが、より本格的な調理が可能です。

本当はまだ書き足りないこと、あるんですけどね。

 キリがないのでこの辺にしますが、収納のところで触れなかったことを最後に一つだけ。
 最近は頭上の収納スペース、吊り戸棚を設置しないケースが増えています。これは対面式キッチンでかつ開口部を広く取るために設置しないのが主な理由。他方、地震の際などに頭上から収納物が落ちてくるのを防ぐため、とも言われています。安全性を考えると、吊り戸棚を設置しないのは正解。一方で、収納スペースを確保しにくいキッチンの場合、頭上スペースも活用したいと思うもの。これらの使い勝手を考慮しつつ、お家選びをご検討いただくのも一つかと思います。

 やっとキッチンのお話が終わりましたが、まだ水回りだけでも、洗面、浴室、トイレがあり、最近では太陽光発電システム、エコキュート(ヒートポンプ利用の家庭用給湯システム)、エネファーム(家庭用燃料電池)、エコジョーズ(省エネ製給湯器)といったエコ設備もあります。一気に畳み込むような書き方になるかもしれませんが、この辺をサッとまとめていければと思っています(まぁ、サッとまとめられないのがのりべぇの信条だけどね)。
 次回もお楽しみに!

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