2022年後半(昔の)映画備忘録その1

 もう2023年1月ですが、2022年後半に観た幾つかの映画の感動と感想を活字に残そう、残せるnoteを活用して先ず自分自身へ。元気盛り返しの策のひとつとしての映画備忘録その1。

 映画は、あの監督の!あの女優さん、俳優が観たいがまずありきで観に行くけれど、やはり新発見もしたかったり、噂の検証、自分の目で見て確かめたいので観に行くことが一番。映画館で観たくて。わざわざ行くことの楽しみがまず勝り、全身で感じたいが為に、肉となり血となるのを身をもって感じさせてくれる映画が大好き。

 神保町シアターには今年も通いそうだが、去年の11月に特集されていた、辛口喜劇のススメから2本。

 山本周五郎(にもはまった20代)原作に食指が動く、川島雄三監督、新藤兼人脚本も面白そう。何より、森繁久彌の演じている作品はテレビでも観たことがなく(森繁も、小さい頃にテレビに時々出ていたおじいさんの印象だけ)、森繁主演となれば、まずは森繁を観るべく青ベカ物語(1962年)を観に。舞台は千葉、東京はすぐそこ、江戸川を越えた東京近郊の千葉浦安界隈。映画冒頭、当時の江戸川付近の映像が出ていたけれど、川沿いに夥しい数の船と家々、川を行き来する人々、貝などをを生業にして船が行き交う様子、アジア感たっぷりで、日本がアジアなのを再確認(当たり前か)。1962年の浦安辺りの、経済成長した今からは全くといっていいくらい想像できない日本の遠い昔の様、その衝撃(60年代ってそんな昔なんだ)。映画は、そこを訪れた森繁扮する作家が見た個性豊かな住人たちのてんやわんやの生活の数々を描く。俳優陣も、若い頃の姿をあまり見たことがなかったけれど、名前だけはよく知っている、私の幼少時の昭和のテレビでちょこちょこ出ていた芸達者と言われている方々。個人的には、中村メイコはずっと変わらないんだ、市原悦子は市原悦子の朗読が私はやはり好きなんだ、左卜全のよさがわかった、左卜全演じるその人の昔のエピソードにジーンとして、左幸子の大騒ぎぶりがかわいかった。森繁は寡黙な役柄だったので、森繁の本領発揮がまだ分からず、けれどもそういった大袈裟な演技をしない役柄の方が難しかったりもするので、やはり若かりしの森繁の存在感は理解した。森繁の作品も更に味わってみたいと思った。

 もう1本は、スクラップ集団(田口具隆監督。野坂昭如原作。1968年)。ただ渥美清を見たくて。桃屋のアニメでしかほぼ知らない、三木のり平も面白く、太陽にほえろでしかほぼ知らなかった、露木茂の若かりし頃も見られて(やや濃い目のエネルギー高めの雰囲気)、私のこの映画見たさ第一優先の渥美清も快調。渥美清を見られただけで大満足。映画は、ドタバタだけど辛辣さもありの芸達者たちの喜劇で、ほんと、昔は映画が娯楽だったのだな、映画は作る方も観る方もめいいっぱい力を込めて楽しんでいたのだな、と痛感。


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