私の<仕事術>:優先順位の決め方
アマゾンで、びっくりするほど仕事の優先順位の決め方が上手な上司がいた。彼から学んだことを実践していると、いわゆる「ワークライフバランス」は向上し、仕事効率も上がったので少し紹介する。
Think Big
アマゾン社員の行動指針になっている『Leadership Principles』というのが当時14個あった。そのうちの一つが「Think Big」である。私の上司にこれが非常に上手な人が一人いた。
戦略について会議する時でも、日々のタスクについて報告するミーティングでも、彼は常に:
と聞いてきた。向かう方向性を常に再認識し、それに向かって意識的に動いているかを確認しているようだった。
おかげで、今でも日々の行動一つひとつで「これは何になるんだっけ」と自問するようになった。
金曜の3時半から野外でビール
アマゾンではマイクロソフトのオフィスを使っていた。私は作業に没頭しすぎて会議を忘れないようにと、会議の15分前に通知をが画面に出るように設定していた。
とある金曜日の午後3時15分、「外でビール」という題名の会議が画面に飛び出してきた。未承諾の会議でも「拒否」するまで通知は画面に出る仕様だったので「どうせ返信し忘れたお誘いかな」と思って無視していた。
が、よく見ると、その会議の設定者は上司ではないか。しかも、その会議をたった数分前にアウトルックで作成しているではないか。パソコンから顔を上げるとニコニコ顔の上司が自分の個室から楽しそうに出てきていた。
翌週は大きな役員会議
私はアルコールが飲めないのと、翌週に大きな会議のための資料作りで追われていたので、断ろうと決めた。その瞬間思い出した
と。結局私は3時半からのビールには参加しなかったが、チームの3分の1くらいは参加していた気がする。そして翌週の会議は上司がリードする中、良い結果で終わった(という朧げの記憶がある)。
金曜に仕事を早めに切り上げる上司をみたのはこれが初めてでも最後でもなかった。(流石に3時半は最速だったが)。でも、彼は実績を残し続ける男だった。
「やらない」ことを決めるのもスキル
Think Bigの癖以外に、私が彼から学んだことは「いかに多くのタスクを効率的にこなすか」ではなく、むしろ逆だった。
いかに「やらない」ことを見極め、「やること」で結果を出すか。に尽きると思う。
そりゃ数打てば当たるので、ガムシャラにタスクリストを効率よくこなすのも一つのやり方だと思う(し、従来の私はそうだったと思う)。
でも、それだと、結果が出ない時に疲れるし、虚しい。
逆に「やらない」ことで結果を出すことは、勇気がいるが、余力を残した状態で質の高い集中力を保てるので仕事への満足感や充実度が上がる。
まぁ、結果が出ない時には10倍虚しい。(これも経験済み)
今、子育てをしながら、心身の健康を気遣いながら、ゼロイチで事業を黒字化しようと日々奮闘している。
結果はまだわからないが、Think Bigと「やらない」を見極めるスキルを教えてくれた上司には感謝している。
「やらない」仕事スタイルは、育児やその他の理由で時間が限られている人にこそ実践してみてほしいものだ。
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