脱サラが怖かった自分へのお手紙
外資系金融機関での勤務、世界#1ランクのMBA校への留学、アマゾンでの勤務、という「煌びやか」な社会人経歴からなかなか出られなかった過去の自分へのお手紙。
脱サラから1年
そもそも「脱サラ」という言葉が古い気はするが、いわゆる脱サラをしてから1年が経った(正確にいうと昨年末だが、それはさておき)。
お金も、時間も、キャリアもリスクを取った1年だった。オマケに、その間に子供も一人産んどいた(人生そんなもんやで)。
2020年、第1子の出産のためにアマゾンから産休でお休みをいただいていた時に始めたEkolokal。詳しい経緯や思いはこちらの有料記事で書いているが、完全に自分の力でやっていくことに対する恐怖が大きすぎて、脱サラを決意するまでに1年ほどかかった。
今だから言えることや、わかることがある。
過去の自分や、起業したいけど怖い人に贈りたい言葉がある。
じゃあ、何が怖いの?
漠然と、怖かった。頭に浮かんだのは:
毎月の安定的な収入源が途絶えてしまう!
(俗にう)出世コースだったのに、それはどうなるのか?!
この先誰にも雇われなくなるのでは?
漠然とした不安が好きではないので、一つずつ不安を潰す作業をした:
お金→具体的にいくら今持っていて、その金額でいつまで無収入・不定期収入で生きていけるのか算出
「出世コース」→アマゾンを辞める頃には、上司に「もうすぐ管理職レベルのマネージャーにしようと思っていた」と言われたが、そもそも起業したら人を雇い、管理職レベルのマネージャーの経験もできる、と冷静になった
この先のキャリア→幸い、私の友人且つMBAの同期は「日本で起業→アマゾンに入社」を果たしていた。廃業したが、アマゾンからしたらそれは貴重な経験と、柔軟なスキルの証だったらしい。ふむ。
これら不安を具現化し、払拭したことで浮き彫りになったのは、私の真の不安だった…
失敗への恐れ
明らかになったのは、ベタだけが、単に失敗したくなかった。
じゃあなぜ失敗が怖い?頭に浮かんだのは:
→(私は)あまり失敗したことないので、恥ずかしい
→なんだかカッコ悪い
→周りは皆成功している
要するに、自分を傷つけたくなかったのである。単なるエゴだ。
1年後:「失敗」したのに失敗していない
さあ、お待たせしました。今からが本題(笑)
脱サラ直後から、時系列に以下のような1年を過ごした:
居抜きでヴィーガンカフェの機会が訪れる(10月)
居抜き物件の賃貸契約(11月)
第2子妊娠発覚(12月)
VCやエンジェル投資家に投資を受ける(1月)
ヴィーガンカフェ(Slow Ecolab)プレオープン(2月)
カフェの本オープンとオープンパーティ(4月)
第2子出産(9月)
カフェ黒字化(12月)
Antler VCによるアクセラレーターにEkolokalが採択される(12月)
カフェ閉店を決意(1月)
新事業立ち上げ(2月)
うーん。忙しっ。
この中で、以前の私が見たら「成功」と呼べるものもあれば「失敗」と呼べる出来事もある。
以前の私だったら投資を受けたこと、カフェを短期間で開業したこと、事業を黒字化に導いたことを「成功」と呼んだだろう。
そして、同じ目線でカフェの閉店を「失敗」と呼んだかもしれない。
しかし、なぜか今の私は「成功だ!」「失敗だ!」とは感じない。そりゃもちろん、カフェを閉めるのは悔しいし、投資や開業やアクセラレーターへの採択は嬉しい。
どう感じるか?
強いていうなら、全てひっくるめて「学び」であり「自己実現」だと思う。
いまだに安定的な収入を自分には出せていないが、その間に得たものは計り知れない(大声で言えないがMBA以上に学びがあった…)
私は事業をするのに必要な行動力や判断力は元から持っているが、
数字が苦手だし(←元為替のセールストレーダー)、
細かい事務作業も苦手だ(血液型は、O型)。
なのに、今では5年の事業計画をエクセルで作れるし、数字を1、2箇所変えるだけで瞬時でシミュレーションできるモデルまで作れる(ほぼ独学)。
まだ知らないことも多いが、基本的な税務・法務は抑えている。
少しなら経理もできるし、税理士の先生とまともな会話ができるようになってきた(と勝手に思っている)。
そして何よりも、ただただ楽しい。
自分が直接やったりやらなかったりすることで、お金が入るか否か。
ちょっとゲームみたいで面白い。
過去の自分へ。やりたいことはどんどんやって!
ということで、過去の自分にも言いたいし、
自分の娘、息子、旦那にも言いたいし、
自分のやりたいことへ踏み出せない人に言いたい。
どんどんやって!やればやるだけ、何かが見える。
そして世の中に「失敗」は存在しない。
本当にそう思う。他人にジャッジされることを想像して自分が勝手に恥ずかしくなったり、守りに入るなら、誰も得をしない。
と、私は思うよ。
…このお手紙が、誰かの背中を押せますように。
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