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舞台「パートタイマー・秋子」を観てきました

先月、2/23の話ですが、所沢市民文化センターミューズというところで、二兎舎の舞台公演「パートタイマー・秋子」を観てきました。

大変面白かったです。

観劇は、人生2回目。
初めての観劇は昨年12月に行った「ジャンヌ・ダルク」
推し清原果耶さんの初舞台・初主演とあり、私自身初観劇で、発表された時から絶対行くと決めて、無事観ることができました。
しかし、ジャンヌ・ダルクです。
クスッと笑えるシーンはありましたが、悲しいお話でした。

そして今回は、パートタイマー・秋子です。
題名からしてなんか可笑しく感じませんか?
出演者の中に、沢口靖子さん、生瀬勝久さんという、とてもよく知る俳優さんの名前があり、題名の可笑しさもあって「これは喜劇に違いない」と、楽しみにしていました。
実際、期待を裏切らない楽しさでした。
クスッ、どころじゃなく笑ってしまった。

初っ端から、可笑しかった。
沢口さんがお客側に背を向けて、1人で挨拶の練習をしているシーンから始まります。
「いらっしゃいませ」「いらっしゃいませ」
「ありがとうございました」「ありがとうございました」
お辞儀をしながら、繰り返し1人で練習している。
ただ、それだけなのに、なぜか滑稽で笑えてしまう。

そして次々と出てくる「クセ強・古株」のスーパーの先輩従業員たち。
クセ強・古株の先輩たちのおかげで、見ている私たちは、
沢口さんはどうやら新規で採用されたばかりのパート従業員で、
先輩方は新規募集を歓迎していなくて、
勝手に募集して勝手に採用した最近本社から派遣されてきた「店長」のことを良く思っておらず、「現場のことを何もわかってない」と思っている、
と、わかります。
さらに、店長はお店の売り上げを伸ばすために、いろいろ改革を試みていますが、クセ強・古株従業員たちの反発にあって、なかなかうまくいっていないようだ、
とも、わかります。

なんか、すっごくわかるんですよ。
舞台の内容もだけど、そういう職場の状況が、ほんとにすっごくわかるな!と思いました。
リアリティがある。

新しい上司ってそうじゃないですか?
とにかく結果を出して認められて次(上)に行きたいから、とにかく「改革」をしたがる。
だけどそんなこと言われたって、こっちにしてみたら「いろいろやってきたけど、これが一番効率よくてベストなやり方なんだよ!」と、なる。
ぶつかる。
現状をよく把握もしないで、無駄とか改善とか言われたら、腹が立つじゃないですか。

今の上司が着任した時も、そうでしたね。
いろいろ納得がいかない改善を強いられました。
そういう納得のいかないことは、なんとなくなし崩しに元に戻ったりして、でも2年以上いるとさすがに上司もわかってくるから、何も言わなくなる。
逆に、最初はほんとに納得できなくて、でも仕方ないから嫌々やっていくと、段々とそれがスタンダードになってきて、これもありかなって定着したこともあります。

だから、どっちが正しいか、どっちがダメかじゃなくてコミュニケーションの問題なのかなって。
上から押し付けるのもダメだし、新しい人はなんにもわかってないからって頑なに聞く耳を持たないのもダメ。

私今の職場長い上、そろそろまた上司の異動の時期なので(期待もこめてそう思ってます)新しい人が今度来たら「こいつ扱いづらい古株だな」と思われないようにしようと、自戒しました。

とにかくこの舞台、面白いは面白いんだけど、見ていると結構「会社とはとか、職場の人間関係とか、仕事に対する考え方とか」を考えさせられる内容でした。
人間関係でいえば、
年下の上司に年下の先輩
年上の(仕事ができない)後輩
できあがった人間関係の中に加わらなければいけない難しさ(しかもみんな一癖も二癖もある)
派閥問題(どっちにつく?)
それと、本社と現場の見解の相違問題。

働いたことがある人なら「わかるわかる」と思うことが絶対ある。
それを、沢口靖子さん生瀬勝久さんを筆頭に、俳優さんたちがユーモアたっぷりに演じていて、思わず笑っちゃう場面が何度もありました。

沢口靖子さんて、科捜研のイメージが強いと思うんですけど、コメディも全然いける人なんですよね。
思い出したのは、はるか昔の「タンスにゴン」のCM。
あれめちゃくちゃ面白かった。
今YouTubeで簡単に見られるので、知らない方いたらぜひ見てほしいです。
笑えるから。
あれが沢口靖子さんなんですよ(笑)

舞台では、あのCMほど振り切ってはいませんでしたけど、同じ線上にはいたと思います。
ずっと専業主婦で、外で働いた経験がないアラフィフ?の主婦が、いきなりあんなクセの強い人たちの集団に飛び込むことになり、でも働いた経験がないからこの人たちが「変わってる」こともわからないまま、一生懸命関わっていくその姿が、見ている私たちにとても滑稽に映って、笑えるんです。

何度も書きますけど、本当に従業員の皆様クセが強い。
大げさに演じているところはもちろんあるとして、でも「いるよね〜こういう人」ってニヤッとしちゃうキャラクターなんですよ、全員もれなく。
なので、余計に笑えます。

あとこの舞台のお話で重要なテーマと思われるのが「不正」
これ、スーパーで働いている人が見たら「あるある」なのかな。
だったら怖いな〜と思いながら見ていました。

頼まれて遅刻する人のタイムカードを押しちゃう不正
お店の商品をレジを通さず持ち帰ってしまう不正

大学生の代返じゃないんだから
それはもう窃盗・万引だから
実際会社で行われたら間違いなく「懲戒処分」される不正ですが、これはまだ笑って見ていられる。
笑えなかったのが(笑ったけど)、
消費期限偽装の不正

舞台としては笑えるんですよ。
すごく面白く演じられてて、めっちゃおかしかった。
おかしかったけど、これ実際にやられたら笑えないな〜、これスーパーの特に精肉部門から苦情きたりしないのかなっていう、不正の手口の見事さでした(笑)
命じる店長も人を選んでやらせているし、言いくるめかたがうまいし、というか店長役の俳優さん、もしかしたら1番セリフ多かったんじゃないかな。
歌も歌いましたし。
歌は沢口さんも生瀬さんも歌ったけど。
あそこめちゃくちゃおかしかったな…
とりあえず、これからは、消費期限が今日までだからと値引きシールが貼られているお肉は、実は消費期限が切れていると思った方がいいのでしょうか…とくにひき肉には注意したほうが……。 
………。

ブラックなテーマを笑いにかえて扱い、職場問題あるあるで笑わせ、途中に歌も交えたり(みんなが知ってる歌の替え歌)、被り物もありで(かわいかった)、大変楽しませていただいた舞台でした。

最後になりますが、これは書いておかないと。
沢口靖子さん、めちゃくちゃお綺麗でした。
座席は端の方だったけど、前から3列目だったんです。
それで、結構こちら側の端に寄って来られること多くて、この目が悪い私でもはっきりと沢口さんのお顔が見える位置で観ることができたのです。
最初に、ダダっとこちらに寄ってこられた時は、
「うわ〜沢口靖子さんだ〜、うわ〜本物の沢口さんだ〜、うわ〜マリコさんだ〜」と脳内興奮がすごかったです。
感激しました。
なんなら、目が合った気さえ、した。
お顔が小さくて、ウエストは細くて。
そして、とても綺麗でした。
生の演技を観ることができて、幸せだったなぁ。

あと、生瀬勝久さんは、まんま生瀬さんでした(笑)


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