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おかえりです

母が旅立ち
まだ生きている人をうらやむわたし

しかしみんな
いつかは旅立つ

そのことを教えられる

母の仲良くしていた人が旅立った
わたしもよく知る方である

その人は飛び抜けて個性の強い人
おやさまのおはなしを聞いている時に「はい、はい」と元気よくお返事をされる人

ここ半年くらいはお姿を拝見していない
「Lさんはどうしているの」と知り合いに尋ねると
「足がふらふらするけれど、元気だよ」と言われていた
「あぁ、よかった」といつも安堵するけれど、母がいないわたしにはちょっぴり愁いが残る

それは必ず人はあの世に還るから


その日は18日
朝から天命庵ではお祭りをする
神様に感謝の踊りを捧げる

わたしはちゃんと習ったことはないが見よう見まねでなんとか踊れる

その時にふとLさんがいるような気がした
門柱のある入り口のところを何回も振り返る
Lさんの姿はない

狐につままれた感じがした


翌日の朝のお勤めの時
お社さんが言われる
「昨日18日午後、Lさんが旅立たれました」

だからか…昨日何だかLさんが来ているような気がしたのは

あの人もこの人もみんなあの世に還って行く

母だけではない
でもわたしにとっては母は大切な人
もう少し生きていて欲しかった

本当はね

Lさんに可愛がってもらった息子に伝えると
「Lさんは、ばあちゃんに会っているのかなぁ?」

「会っているよ、おんなじおやさんのところに行くんだから」

「そうだよね」

やっぱり泪が溢れてくる

もうすでにあっちの世界では「はい」というLさんのお返事が響き渡っているような

笑いながらもちょっと困り顔をしている母の姿が浮かびくる


お父さんと一緒だから大丈夫ね

Lさんを「おかえり」と迎えてくれたのかなぁ

おやさまの元でお仕事をしているのね

お母さん

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