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花まつり


今日はお釈迦様の誕生日
朝から慌ただしい

炊きたてのごはんをおにぎりにして
家を飛び出す

相変わらず身体と心は刷り合わない
頭はぼおっとしたまんま

電車の中から外を眺める

薄墨色の桜が咲き誇る
春爛漫

確かにきれい

西に向かう電車から頭に白い帽子をかぶる富士

車窓からは富士と桜

花まつりは「天上天下唯我独尊」の姿のお釈迦様と桜の花が飾られている

お釈迦様の隣には開眼供養を終えたばかりの小さな薬師如来像

神様しか入れない磐座の前に足を踏み入れて
叱られる…

いつもなら決してしないことなのに
「コラコラ、ダメでしょう」
頭の中は真っ白だった

「ごめんなさい」
ちょっと落ち込む
神様は赦して下さるだろうけれど
家に帰っても「ごめんなさい」を繰り返す

これから気をつけます

そうしたら神様は赦すことを教えていると言われている

ありがとう、ありがとう

近頃は
いつも篠笛お名取の優しいお姉さま方のお世話になる
一番年下のわたしは「ほらほら、ちゃんとしなきゃダメよ」と言われてる

今日も枇杷の神山で三人お揃い
お笛の奉納
満開のさくらさくらとおやさまのお歌に聞き惚れる

ヤタカラスがカアカア鳴いて
ウグイスもホォ~ホケキョ

ここは極楽、魂は助けられる
肉体はいつかなくなるが

帰りは千歳川沿いをお花見しながら歩いてる

サクラは好きではないはずなのに
父に似て見とれてる

チラチラ舞う花びらを見つめてる

午前中は叱られたけど
仏陀もイエスも赦しを教えている
そしておやさまも

全ては神様を信じ切ること
人間さんは「そんなのは無理、無理」と決めつける

無理なのか
無理ではないのかは神様が決めること
信じて生きればいい

おやさまの話を聞きながら一瞬、舟をこぐ 目が開かない

肉体は休んでいても
魂は必ず聞いている

お話しの最後には大きなピンク色の桜の花びらを撒かれる
来年までの一年間のお守りだ

わたしの手元に四枚 がくる
隣の人に一枚渡す
母の分とわたしの分だけで良かったのに
人間には欲がある

残りの一枚はどうしよう

焦らずにゆっくりと信じていれば
成るようなってくる

神を信じるとはどうやらそういうことらしい

必ず何とかなる

お守りの花びらは父と母との遺影に飾る

そうかわたしは三人家族だった
だから三枚の桜の花びら

やっぱり偶然はない

神様はお見通し

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