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良い商標をとるためのヒント

【稼ぐ経営者のための知的財産情報】


  弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「良い商標をとるためのヒント」をお伝えします。
 令和5年12月17日に、弁理士会の活動の一環として、私の記事が伊勢新聞に掲載されまして、この投稿はその増強版です。
※出願等のお問い合わせはこちらから http://www.sakaoka.jp/contact
 

伊勢新聞より引用

1.商標の役目

 商標は、その商品又はサービスのネーミングとなり、自社の商品等を表わすための重要な標章です。
 特定の商標を使用し続けることによって、需要者はこの商標の製品は高品質で使いやすいとか、アフターサービスが充実して安心だとかの心証を得ることになります。
 
 その結果、その商標のファンとまでは言い過ぎかもしれませんが、需要者の記憶に残って次も同じ商品を買おうという気持ちが働きます。
 つまり、リピーターの増加ですね。
 すると、その商標は顧客吸引力を有することになります。
 
 また、印象に残るような商標であれば、少なくとも試しに購入する人が増え、これも顧客吸引力を有する商標といえます。
 初めての購入でその商品の品質が確かなものであれば、その商標が需要者の記憶に定着して、次からも同じものを購入してくれますね。
 
 商標法は、そういった商標を特許庁に出願して登録し、保護する旨を規定してあります。 

2.良い商標を考えるヒント

 さて、ここで顧客吸引力のある良い商標を付けようと考えてみても、直ぐには思い浮かばないことが多いのではないでしょうか。
 そもそも、良い商標とはどんな商標なのか?
 私なりに考えてみますと、その商標を見ただけでどんな商品又は役務なのかがわかり、かつ商標自体が印象に残る口調であり、人の記憶に残る商標が良い商標ではないかと思っております。
 

3.記述的商標はNG、暗示的商標はOK

 とはいっても、商標法には、商品等の品質や効能等のみを表わすだけの商標は登録されないという規定があります。これを記述的商標といいます。
 例えば、指定商品「菓子」に商標「白くて甘い」なんてものを出願しても、登録されません。「白くて甘い」菓子を表わしているに過ぎないからです。
 
 では、どうすればよいのでしょうか?
 そこで、暗示的商標といわれる、商品の品質や効能等をそのまま表わす訳ではないけれど、何となくわかる商標があります。
 この暗示的商標ですと登録され得ます。
 

4.医薬品業界は暗示的商標の宝庫

 実は、この暗示的商標の宝庫が医薬品業界なのです。
 少し前に「VRヨワナイン」という商標が出願されたと話題になりました(商願2023-105580)。
 これ、指定商品に「薬剤」を含んでいるのですが、どんな薬なのか商標を見ただけでわかりますね。
 私自身、ゲームの画面ですぐに酔ってしまう体質なので、ゲーム自体を殆どしませんしVRなんて無理だと思っていました。
 この「VRヨワナイン」があればVRゲームができるかも知れません 笑
 

商願2023-105580


 まだ、出願段階であり今後どうなるかわかりませんが、とても面白い商標だと思います。
 同じ出願人である小林製薬株式会社の他の出願を見てみますと、「消臭元」「ブレスケア」「キオクリア」「健脳湯」「女子力UP」等のわかりやすい商標が多数あります。
 他にも、薬局に行って陳列されている各社の薬の名前も見ても、感心するような商標が沢山有ります。
 
 あまりふざけた商標ですと逆効果になることもありますが、常識の範囲であればこういった暗示的商標はけっこう有効ではないかと考えます。
 皆さまも、何か事業をされるときには、是非とも良い商標を取得して、商売が有利になるようにされることをお勧めします。
 
 あと、商標って簡単なように見えて実は奥が深いものなのです。商標が簡単という輩は素人ですのでお気を付けください。
 商標をお考えのときは、知的財産権の専門家である弁理士にご相談いただけると幸いです。
 
 いかがでしょうか?
 この記事が御社のご発展に寄与することを願っております。
 
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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